南極と超深海の両極地で、実際に自分の手で水中ロボットを潜らせてきた研究者による「実話」をご紹介するブログ。

 

今回は「水産高校が取り組む海洋技術者育成」がテーマです。

 

2015年、日本政府は2030年までに海洋技術者を1万人に増やすことを目標に掲げ、大学や高校、民間企業などと共に人材育成に取り組んでいます。

その中でも水産高校での人材育成が活発化しており、平成30年度の学習指導要領改訂では水中ロボットに関する項目が追加されました。

 

しかし、実は水産高校の取り組みは5年以上前から始まっており、以前、このブログでも紹介した水中ロボットのコンテストもその一環です。

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そして、鹿児島水産高校ではさらに先を行く人材育成に取り組んでおり、文部科学省が認定するスーパープロフェッショナルハイスクール(SPH)のテーマとして、2018年度より災害時に活用できる水中ロボット(ROV)の開発に取り組んできました。

 

自治体や研究機関、大学などでも高価なROVを所有、運用しているところもありますが、担当者の異動や退職などによりノウハウが継承されず、倉庫に仕舞われたままとなっているケースが数多くあります。

 

そこで、こう言った専門人材の不足を解決すべく、水産高校のカリキュラムとしてROVの開発と運用に関する取り組みが始まりました。

 

鹿児島水産高校では、当研究室の指導の元で小型のROVを文字通りゼロから作り上げ、回路図などの製作方法や運用方法なども生徒自身でマニュアル化するなどし、2020年12月に実海域での試験に挑みます!