「こないだ、デートしてるとこ見たよ」
丈二は正直に薫に告げた。
薫も悪びれる様子もなく答える。
「うん、あれ婚約者」
「へぇ、そうなんだ。じゃあ俺なんかと会っちゃまずくない?」
「いいのよ。あいつだって適当にやってるみたいだし」
いつも使うラブホテルの一室。
ベッドで絡み合いながらのピロートークには似つかわしくない内容だ。
「今も彼と一緒だったの。ガソリンスタンドの跡取りだから、生活には困らないと思うけどね」
小さな会社とはいえ社長夫人の座が約束されている余裕を感じさせる。
「社長夫人になったら、仕事紹介してよね」
冗談混じりに言うと、「もちろんよ。貴方との関係は続けたいから」と即答。
丈二は取引先の女社長とも関係を持っていたが、仕事がらみの情事は苦手な部類だ。
「平気な顔して仕事取りに行けないかもよ」
「大丈夫でしょ、貴方なら。何なら明日にでも紹介しとこうか?」
女って…、これほど大胆になれるのかと思った。
「勝てないなぁ、薫さんには。じゃあ、紹介してもらったら、どういう関係だって言えばいいの?」
「学生時代の同級生の夫ってことにでもすれば?」
「はいはい、すぐにアイディアが出て来るんだね」
「出会い系サイトで次々女を垂らしこんでる男に言われたくないわね」
痛いところを突かれた。
だが、生活のかかっている仕事と出会い系は気楽さが違う。
仕事では、どんな嫌いな相手でも同じ接し方ができる丈二だが、
女性相手ではそうはいかない。顔に出てしまうらしい。
「よし、じゃあ来週早々にでも会わせてくれる?」
「ええ、連絡しとく。私は同席しなくてもいいでしょ?」
「もちろん。一緒じゃ話がしどろもどろになるよ」
「オッケー」
言うや否や携帯電話に手を伸ばす。
「え?今から電話するの?」
驚く丈二を無視して登録番号を呼び出す。
呼び出し音が1度鳴っただけで出たようだ。
「もしもし、圭一郎さん、薫です。お願いがあるんだけど」
「いえ、仕事の方で。知り合いに会って欲しいの。学生時代の同級生のご主人なんだけど、
少しでもいいから仕事回してあげて欲しいの」
「無理にとは言わないけど、それほど損な相手ではないと思うの。お願い。
来週の初めはスケジュールどうなってる?」
「ああ、そう。じゃあ1時間でいいから。本店の方に貴方を訪ねてもらえばいい?」
「ありがとう。先方にも連絡入れておくわね」
話はとんとん拍子に進み、アポまで取ってくれた。
ここまで話が進めば、どんな営業でも仕事は早い。
「余程惚れられてるんだね。一見の営業に専務さんがいきなり会ってくれるなんて、まずないよ」
「弱味も握ってるからね。ほぼ言いなりよ。もういいでしょ、仕事の話は」
薫は再び丈二にしな垂れかかる。
ねっとりとしたキスを交わす。
薫の舌は丈二の首筋から胸へ、腹へ、下腹部へと移動する。
少し脂肪がつき始めた下腹部をついばむようにしながら、硬くなり始めた部分に唇が被さる。
舌を絡め、右手で根元を刺激しながら、舌先で先端を前後に舐め上げる。
充分に怒張したモノを自らの下腹部に導き、両手を丈二の肩に乗せ、腰を前後にグラインドさせた。
「ああ…」
開いた口から熱い吐息を吐き出し、丈二の上に突っ伏す。
「これが忘れられないの。私が結婚しても、私を捨てないで」
懇願するように上目遣いに丈二の目をじっと見つめる。
「ねぇ、お願い。もっと激しく。めちゃくちゃにして」
体勢を上下入れ替え、薫を横向きに寝かせ、片足を自分の肩に抱えるようにして突く。
「今日は?大丈夫?」
「ええ、一昨日終わったばかり。思いっきり中に出して」
深く、浅く、また深く、丈二の腰が躍動する。
挿入して既に20分過ぎている。
「ねぇ、まだ?私、もう…、逝きそう…。あ、あ、あぁぁ」
「ああ、俺も逝くよ。薫っ」
松の葉が合わさるような体勢で二人が仰け反る。
股間に丈二の鼓動を感じ、薫も昇りつめ、ぐったりとベッドに身体を沈めた。
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