わしは一応、生業ではIT土方ということになっている。

ここ十数年、まさに転石のごとく様々な職場を転々としてきたが、其の手の仕事をしているヲッサンのわりにはIT系と呼べる資格をあまり持っていない。

今居る職場で配布されたそれ系の資格がリストアップされたものを見たところ、せいぜいMicrosoft Accessの資格くらいだ。しかも、わしが取ったのはそれこそ十年くらい前である。

そんなわけで、職場でも励行しているし実際に仕事にも役に立つことが多いということで資格を取る勉強をひっそりとはじめた。

さしあたりは初手ということで、比較的取得が容易とされる『ITパスポート』の試験を受けることにした。

やってみて思ったのは、この資格はおおよそ仕事をする人は基本的に必ず取るべきだと感じた。

一部の芸術家や職人を除けば、仕事でPCを扱わない人間は、今の時代ほとんどいない。

そんな中で自分が使う道具のことをあまり知らないというのは職業人としては恥ずべきことである。

また、資格の名称のせいでIT関連以外の仕事をしている人には関係ないと思われるかもしれないが、実際は3割くらいが実務関連の知識を問う問題であり、働く上で非常に役立つ知識が満載だ。

特にKPIについての説明のくだりなどは、現在会社で働いている人などは知らなくて良いわけがない。

また、近年の若い人はPCを知らず、スマホばかり触っている人がほとんどだ。

それが悪いというつもりは毛頭ない。ひょっとしたら、これから先全ての仕事をスマホで行える時代がそう遠からずやってくるだろうとわしは思う。

だが。少なくとも向こう十年は、職場での仕事道具としてPCは手放せないだろう。

また、スマホを頻繁に使う人の中には「インターネット? やらないよ。LINEはするけど」「インターネットはしらないけどツムツムとかやるよ」なんて人もいる。

だが、LINEにしてもツムツムを始めとしたスマホゲームもインターネットをベーステクノロジーとしてサービスを提供している。

こうしたことは、知らないよりも知っている方が先々有利だ。

これからの時代、各個人が自身の価値を高めることができなければ、既存の職場で働くにしても事業者になるにしても重要になってくる。

ITパスポートはそうした自分の価値を上げる良いスタートになることだろう。

ちなみに、わしの仕事はIT関連だが、業種としては製造業になる。そして、バックオフィスの事務方の人間だけでなく、溶接したりグラインダーで金属を削ったりしている作業員もPCと使って仕事をしているのだ。

ついでながら、この手の勉強は若いうちにやっておいた方が良い。

別に内容自体が難しいわけでもないのだが、四十路にもなると新しいことがなかなか頭に入ってこないのだ。

さっきも言ったが、内容そのものはとりたてて難しいものではなく、参考文献やネットの情報などを読めば、少なくともその時は理解できるのだが、翌日に復習していみると存外覚えていないのである。

この資格は、学生の間に取っておいた方が良い。

試験や資格についての詳しい情報はこちらを見るとよろしかろう。

ちなみに、べつにIPAからお金をもらっているわけでも何でも無いことをここに宣言しておく。