F1に関連しては、新年早々悲しい出来事が世界を駆け巡った。あの7度も世界を制した男、ドイツのミハエル・シューマッハのスキー中の事故である。
彼は今も病床にあり、容体は安定しているものの危険な状態は今も続いているという。
思えば、彼のF1デビュー以降のキャリアと、わしのF1観戦の歴史は一致する。わしがF1を見はじめた頃、彼は当時のジョーダン(現フォースインディア)のシートに収まっていた。
フジテレビが、中継を盛り上げるためにアラン・プロストを悪者のように仕立て上げ、「セナプロ対決」と言っていたあの時代である。ちなみにわしは、ドライバーとしてはアラン・プロストのファンで、チームとしてはウィリアムズチームを応援していた。
今とは多少趣きが異なるような気もするが、シューマッハもまた、F1キャリアのスタートはペイドライバーだった。彼のシートを用意したのは、彼のために3,000万ドルをチームに支払ったメルセデスのスポーツ部門だった。
そのレースで、当時のチームの力の範疇ながら印象的なパフォーマンスを見せた彼は、当時ベネトン(現ロータス)のチームのボスにして、モータースポーツ界で辣腕マネージャーとして知られていたフラビオ・ブリアトーレの目に止まったのである。
今やすっかりただの悪者になったこのおっさんだが、当時さほど強いわけでもないベネトンを、トップチームに仲間入りさせた手腕は見事なものであった。
フラビオのサポートを得て、薄幸の(そして薄毛の)苦労人、ロベルト・モレノに変わってベネトンのシートを得たシューマッハの活躍は、今更言うまでも無いだろう。
1992年に初勝利を挙げ、1994年、悲しむべきアイルトン・セナの急逝の年に初のワールドタイトルを獲得。ドイツ人としては史上初の快挙だった。
1995年には母国初勝利を手土産に2年連続でワールドタイトルを獲得。翌年から低迷していたフェラーリへ移籍したのである。
今の若いF1ファンには信じられないかもしれないが、1990年代序盤のフェラーリは、チーム史上最も低迷していた時期であり、94年にゲルハルト・ベルガーが勝利を挙げるものの、勝てるクルマからは程遠い状況であった。
チャンピオン争いからは遠のいたものの、そんな状況のフェラーリにおいて、96年に3勝をマーク。翌年からベネトン時代に彼をサポートしてきたエンジニアとデザイナーがフェラーリにやって来て、それでもチームがコンストラクターズタイトルを制したのが99年。彼がフェラーリでドライバーズタイトルを獲得したのは翌年の2000年のことだった。
フェラーリのドライバーがタイトルを獲得したのは、それ以前には1979年のジョディ・シェクターまで遡ることになる。以降の活躍は、わざわざ触れるまでも無いだろう。
余談だが、レース・オブ・チャンピオンズを制し、ドイツチームのチームメイトだったセバスチャン・ベッテルと並んでいる写真を見て、わしが「新旧アゴコンビ」という感想を持ったのは別の話である。
数々の栄光と、その評価を覆すような批判を浴びた現役時代の彼だったが、前人未到の7度ものシリーズ制覇は、そうそう誰もが真似できることではない。
そんな偉大なドライバーがサーキットの外で事故に遭い、命の危機に晒されているのは悲しいことだ。
一部報道によれば、彼は脳に損傷を負っており、意識の回復の可能性はほとんど無く、仮に回復したとしても深刻な後遺症が残ることになるという。
周囲の人間の身勝手な希望かもしれないが、どんな状態でも良いから、コンマゼロ1秒でも早く目を覚まして欲しいものだ。
これと比較するとそれほどでも無いが、我々日本人にとっては喜んで良いニュースも入ってきている。小林可夢偉のF1へのカムバックだ。
わしにとって、彼は好きなタイプのドライバーでは無いのだが、イーブンコンディションならトップドライバーに劣らない実力を持っていると信じている。
正直、テールエンダーの常連にして、昨シーズンはその中でもドベだったケータハムへの加入は、ある意味ギャンブルなのかもしれない。
ひとまずは、同じテールエンダー仲間となりつつあるマルシャに勝ち、チームメイトであるルーキーを圧倒する必要がある。これは最低条件だ。1戦でも彼らの後塵を拝すようなことは、あってはならないのだ。
当時のテールエンダーのミナルディ(現トロ・ロッソ)に所属していた頃のフェルナンド・アロンソも似た立場だったが、彼はまだ若かった。小林も若いが、彼は既にF1で印象的な走りを示している。
おそらく、レース関係者や評論家、ひいては日本のモタースポーツファンからも高いレベルでのパフォーマンスが期待されているはずだし、それこそが来季以降の彼の立場を決めることとなるだろう。
いささか難しい立場に立たされている中で、常に自分の実力を証明し続けなければならないというのは、本当にしんどいだろうと思う。
だが、それが彼の選んだ道であり、多くのファンが望む姿でもある。彼には、まずは自分自身のために力を尽くすことを望む。
願わくば、ポイント争いをして、どこか1レースでも良いのでポイントを挙げていただきたい。
ちなみに、F1とはまったく関係無いが、写真は昨夜に放送された『ゲームセンターCX』内で紹介された、同番組の映画のメイキング映像のワンシーンだ。

見ておわかりのとおり、ばっちりわしが映っている。つ~か、腹! 腹!! (つД‵)
ちなみに、向かって左の人はニセ課長の人で、熱心にイベントに参加してるから、番組でイベントのダイジェストがあると必ず映ってる。
番組のコーナーでイベントの模様が放映されるたびに彼を探すのも、また番組の楽しみの1つである。
本当は名字をうっすら記憶しているのだが、そこはそれ、個人情報ということで。

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