もう一つの変化は、サトシさんがどうやら良くウチに出入りしていることである。
どうやらというのは、わしがいる時間帯にはあまり来ているようではないからだ。
もっとも、わしも仕事の関係で早く帰ることができた日などには、サトシさんがウチの庭先でけいこやシゲと立ち話をしている場に出くわしたことが少なからずあったりはするが。
けいこが言うには、昼間にシゲの奴を訪ねてきて、やっこさんをどこかへ連れ出すらしい。
そして、夕方頃にはシゲを連れて帰ってくるのだそうだ。
わしはてっきり、サトシさんはモホメンで、シゲの事を狙っているのかと思ったが、シゲに聞けば
「どういった内容かは話せないけど、そんな粋なもんじゃないよ。」
と言う。話せない内容とやらも気になるが、一番気になるのはそもそも、なぜ急にシゲとサトシさんが仲良くなったかである。
ちなみに、モホメンとはわしやわしの親しい友人の間でのみ通用するホモセクシャルの人をさす呼称であり、モホロビチッチ不連続面の略称たるモホ面とは全く関係が無い事をここに記しておく。
時に、前にも述べたと思うが、我が家の者がお世話になっているメグさんの弟であるサトシさんは、当時零細企業以下のシロモノだった地元の造船会社を、国内でも中の上の企業にまで成長させたほどの人物だ。
人柄も練れた人物であり、おまけに身長も高く顔立ちもいわゆるイケメンのそれである。
天は彼に何物も与えたということだ。どういうワケか女っ気がまったくないのが不思議なものである。
それに引き換え、シゲのやつは顔こそサトシさんに引けを取らない程のイケメンではあるが、月収7、8千円程度のしがない無名のエロ作家である。
今どき、小学生の小遣いの方が多いのではないかとわしは思う。
おまけに、言いたくはないが親戚筋ではそれと聞こえたハナツマミ者でもあるのだ。
そんな二人の、一体どこに仲が良くなる要素があるというのだろう?
それ以前から面識があったという話しは聞いたこともないし、どうもそういうわけでもないようだとけいこも言っていた。
イケメンと呼ばれる人たちには、その人たちなりの思いというものがあって、わしのようなブサメンに分類される人間には考えもつかないような事情でもあるというのだろうか。
そんな事はわしの知った事ではないし、知りたいとも思わないのだが、しかしまあ、あの二人が仲良くなる事自体は悪いことではない。
サトシさんのように、若いが幅広い人脈のある人と知己を得れば、シゲの仕事もひょっとしたらエロ以外にも展開できるかもしれない。
事実、やっこさんはエロ作家でありながら
「俺が一番力を入れているのは、それぞれのキャラクターの行動や心の動きだ。」
と、いっぱしの作家のような事を言っている。
エロシーン以外の所でも文章力があるのであれば、会社の機関誌とかでコラムなんかを持たせてもらえるかもしれないし、その他にも色々と展望が持てるというものだ。
翻って我が家にしてみれば、サトシさんはシゲを連れ出すと、奴にメシをおごってくれる上に、夕飯の食材なんかも一緒に買ってくれる。
元々ご本人も家事をする人なので、どのようなものを買って、何を作るという事もわきまえているからありがたい。
おまけに、経済的に豊かであるため、同じものを買うにしても、我が家ではちょっと買わないような良い食材(高い肉とかね)を買ってくれたりするのだ。
名目上わしはここの家長であるのだから、いずれ菓子折りの一つでも持ってお礼に伺うべきなのかもしれない。
そんな、ちょっとした変化が日々起こっている我が家において、ちょっとした事件が持ち上がるのは自明の事だ。
今回笑わせて・・・・・いやいや、やらかしてくれたのは恵美子であった。
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どうやらというのは、わしがいる時間帯にはあまり来ているようではないからだ。
もっとも、わしも仕事の関係で早く帰ることができた日などには、サトシさんがウチの庭先でけいこやシゲと立ち話をしている場に出くわしたことが少なからずあったりはするが。
けいこが言うには、昼間にシゲの奴を訪ねてきて、やっこさんをどこかへ連れ出すらしい。
そして、夕方頃にはシゲを連れて帰ってくるのだそうだ。
わしはてっきり、サトシさんはモホメンで、シゲの事を狙っているのかと思ったが、シゲに聞けば
「どういった内容かは話せないけど、そんな粋なもんじゃないよ。」
と言う。話せない内容とやらも気になるが、一番気になるのはそもそも、なぜ急にシゲとサトシさんが仲良くなったかである。
ちなみに、モホメンとはわしやわしの親しい友人の間でのみ通用するホモセクシャルの人をさす呼称であり、モホロビチッチ不連続面の略称たるモホ面とは全く関係が無い事をここに記しておく。
時に、前にも述べたと思うが、我が家の者がお世話になっているメグさんの弟であるサトシさんは、当時零細企業以下のシロモノだった地元の造船会社を、国内でも中の上の企業にまで成長させたほどの人物だ。
人柄も練れた人物であり、おまけに身長も高く顔立ちもいわゆるイケメンのそれである。
天は彼に何物も与えたということだ。どういうワケか女っ気がまったくないのが不思議なものである。
それに引き換え、シゲのやつは顔こそサトシさんに引けを取らない程のイケメンではあるが、月収7、8千円程度のしがない無名のエロ作家である。
今どき、小学生の小遣いの方が多いのではないかとわしは思う。
おまけに、言いたくはないが親戚筋ではそれと聞こえたハナツマミ者でもあるのだ。
そんな二人の、一体どこに仲が良くなる要素があるというのだろう?
それ以前から面識があったという話しは聞いたこともないし、どうもそういうわけでもないようだとけいこも言っていた。
イケメンと呼ばれる人たちには、その人たちなりの思いというものがあって、わしのようなブサメンに分類される人間には考えもつかないような事情でもあるというのだろうか。
そんな事はわしの知った事ではないし、知りたいとも思わないのだが、しかしまあ、あの二人が仲良くなる事自体は悪いことではない。
サトシさんのように、若いが幅広い人脈のある人と知己を得れば、シゲの仕事もひょっとしたらエロ以外にも展開できるかもしれない。
事実、やっこさんはエロ作家でありながら
「俺が一番力を入れているのは、それぞれのキャラクターの行動や心の動きだ。」
と、いっぱしの作家のような事を言っている。
エロシーン以外の所でも文章力があるのであれば、会社の機関誌とかでコラムなんかを持たせてもらえるかもしれないし、その他にも色々と展望が持てるというものだ。
翻って我が家にしてみれば、サトシさんはシゲを連れ出すと、奴にメシをおごってくれる上に、夕飯の食材なんかも一緒に買ってくれる。
元々ご本人も家事をする人なので、どのようなものを買って、何を作るという事もわきまえているからありがたい。
おまけに、経済的に豊かであるため、同じものを買うにしても、我が家ではちょっと買わないような良い食材(高い肉とかね)を買ってくれたりするのだ。
名目上わしはここの家長であるのだから、いずれ菓子折りの一つでも持ってお礼に伺うべきなのかもしれない。
そんな、ちょっとした変化が日々起こっている我が家において、ちょっとした事件が持ち上がるのは自明の事だ。
今回笑わせて・・・・・いやいや、やらかしてくれたのは恵美子であった。
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