「助けて下さい。警察を呼んで下さい」

とお隣の奥さんが裸足で我が家の庭に駆け込んできた…


いつもは門を閉めているのだけど

その日はパルシステムさんが来る日で

門を開けていたし

パパさんがお庭でタバコ🚬を吸っていたから

助けを求めやすかったのね…


お隣さんの手を引っ張り

「帰るよ、恥ずかしいよ。

迷惑をかけるんじゃないよ」と言う息子に

泣きじゃくるお隣さん


ダンナさんの顔を見れば

「この人から階段で蹴られたんです

私、階段から落ちたんです

私の背中を見て下さい」

と服をめくりあげようとする


「パニックを起こしてるから

落ち着くまでお預かりさせて下さい」

と抱きしめて、手を握り、リビングに招き入れ、ソファに座らせる


肩をさすり

足をさすり

「大丈夫、大丈夫」と

支離滅裂の話を聞きながら話しかけること30分


その間、ノエルは

お隣さんのお膝に乗り

ずっとお顔をなめて涙をふいてあげていた…


伸びた爪で掻いたのか

顔は傷だらけ

足の爪はいつから切ってないんだろ…


「私は働いたことがないから

バカだバカだと言われ続けてきた」

「母だけは守ってほしい。私はどんな風になってもいいから」

「子どもが殺される」

この方

一体どんな人生を送ってきたの


話が妄想だとしても

「バカだバカだと言われ続けていた」

というくだりはさもありなんとも思ってしまう


数年前

ピンポン押されて

玄関出るとお隣さん


「家に誰かいるんです。警察呼んで下さい」

って言われて

覇気のない虚な目を見て

あー、認知症だなって一瞬で察した


「そうなんですね。警察呼びますね」

と、言いながら


「一緒に家に入って下さい」

と言われるまま家宅捜査


「誰もいなかったね」

と安堵するお隣さん


それから

見かけるたびに

痩せていき

髪は乱れ

大きなぬいぐるみ🧸を抱っこして

お庭を歩いて

どんどん認知症が進んでいるのが

傍目にも分かって…


お隣さん家は

多分自営業で

ダンナさんは多分社長さんで

息子さんは多分従業員

にしても

こんな状態の人を

何時間も1人にしとかないでよ


と怒りがおさまらない


ご挨拶しても

毎回知らんぷりされて

嫌なおばさんって

ずっと思っていたけど

認知症になる前から

心は病気になっていたんだ


何十年も前から家族からの罵声を受けながら

朝早くから家族のために働いてきたお隣さん

胸が押しつぶされそう


今度同じことが起きたら

通報しよう



ノエル、グッジョブだったよ‼️

人の心の痛みがわかる仔になってくれて

ママは嬉しい❤️