【スタッフ&キャスト】
監督・脚本: デニス・ガンゼル
原作:ウィリアム・ロン・ジョーンズ/モートン・ルー
出演:ユルゲン・フォーゲル/フレデリック・ラウ/マックス・リーメルト/ジェニファー・ウルリッヒ
【ストーリー】
1967年のカリフォルニアの高校で実際に起きた事件を、現代のドイツに舞台を移して描いた作品。
「無政府主義」と「独裁制」という特別授業をやることになったとある高校の教師ライナー・ベルガー(ユルゲン・フォーゲル)は、デモや反政府運動に参加した経験から「無政府主義」の授業を希望したが、専門外の「独裁制」の担任を命じられる。そこで彼は、「ナチスのようなことは、もう起こらない」という生徒の発言から、本当にナチスのような独裁制は二度と起こらないのかを試すため5日間の実習の中で、クラスで独裁者役を決め、全員で従うという「心理実験」を提案する。
やる気のなかった生徒たちだったが、強力なリーダーのもと、集団で自分の役割を果たす喜び、志を共有した者同士の異様な団結力、集団の一体感による高揚感に溺れていってしまい、やり場のなかったエネルギーをすべて注ぎ込むように熱中していき、異物を徹底的に排除するような制御不能の暴走集団=ウェイヴへと発展してしき、最悪の結末を迎えることになる…
注:1971年にアメリカスタンフォード大学で実際に行われた監獄実験を元にした映画「es【エス】」よりも以前に起きていた恐怖の実験。
洗脳のルール
ルール1 リーダーの名前には“様”をつけ、敬う。
ルール2 許可無く発言してはならない。発言する時は挙手と起立を。
ルール3 クラスの仲間はお互いに助け合う。
ルール4 制服として白シャツを着用。
集団心理 感・想・文・FRAGILE
僕自身は集団で何かをすることが苦手だ。
集団の怖さを知ることになった契機が、小学校時代にあったからだと思う。
その時、どうしてそんな行動をしたのかの記憶がまるでなく、自分なのに自分でしたことが理解不能だった。
いろいろな人に迷惑をかけてしまい、あやまりに行く中で自分は取り返しのつかないことをしたんだとわかっていき、罪悪感に襲われ、夜、目をつぶると得体のしれない恐怖が僕を支配して眠れない日が続いた。
そんな経験を幼くして味わったことは強烈だったようで、人は集団の中で簡単に自分を見失うという考えは僕の中で固着した。
だから、集団で何かをするときも、どこか冷めている自分がいるようになり、案の定、集団心理に溺れてしまっている人を見ては、さらに一歩引いて俯瞰した。
それは、人と同じように感情に浸れないようにもしたが、僕自身はよかったと思っている。
そういう視点で見ていると、仲間以外の価値観や考えを見ないように聞かないようにすることで、いかに人間が仲間意識、自分たちの安心できる場所を守っているかが見えてくる。
確かに集団は居心地がいい。
誰かと同じように動くことを考えていれば安心だ。
集団は楽しいし、仲間という意識は孤独や不安を忘れさせてくれる。
同時に集団は怖い。自分を大きくさせ、自分を見失わせる。
いつのまにか仲間には優しくふるまうが、仲間以外には無関心になり、排他的になっている。
集団に自分を帰属し一体化させて、自分を大きく見せる心理・行動は、学校だけでなくいたるところに存在している。
仕事の役割にしても、そこに帰属しすぎれば、役割を脱いだ自分の弱さを忘れてしまいやすい。
ひとりひとりの人間としての違いを忘れてしまいやすい。
ひとりの人間としての自分に戻る場所がないと、人間はすぐに何かに一体化することで自分を大きくしようとしたり、安心しようとしたりしてしまう。そして、それが普通のことになってしまっている人があまりに多い現実があるように思う。
僕も簡単にカルト教団や独裁制、国粋主義などに染まる可能性を持っている。そんなものには染まらないとバカにする者こそ、容易く染まりやすく、染まっていてもおそらく気付かないままということになりかねない。
自分の孤独や不安から目を背けてしまうことで、集団の中にいつにまにか入りこんでしまう。
自分の帰れる場所、戻れる場所がなければ、集団の中にいつのまにか入りこんでしまう。
集団の中に一体化する者を、集団は優しく包み込み、集団は居場所を与え、集団は安心を与え、集団は差別をせず平等で、団結する喜び、共に何かを成し遂げる喜びを味あわせ、孤独や不安を忘れさせてくれる。
同じ喜びに浸り、違いを見る目を失くした時、簡単に人は人を傷つけられる。正義の名のもとで自分を正当化できる。そうして、狭い価値観に支配される。支配されれば、そこから抜け出ることは難しくなる。
強力なリーダーは、思考能力を奪い去るのに、そんなリーダーを求めてしまう人間。
集団を絶対化しやすい人間。自分の所属しているものをウチと呼び、ウチとソトにわけることは、排除のはじまり、差別のはじまりではないのか?
空気という説明のできないもので流されやすい人間。それは集団心理の怖さをあらわしていないか?
個人で生きる社会になり、不安と孤独に押しつぶされ、集団の魅力に簡単に溺れてしまいかねない時代。
自分を見失ってしまわないためにも、自分の弱さから、人との違いから目を背けないでいたいと思う。
その中で出会えた一体感は、素晴らしいものだろう。
サッカーワールドカップにおいても、一体になって応援することは素晴らしいけど、行きすぎた行動が起こらなければいいなと思う。
集団のいい面、悪い面を今一度考えてみるには最良の作品、THE WAVEの紹介でした。
↓ランキング参加中!応援よろしくお願いします↓
にほんブログ村にも参加しました!
TREviewクチコミblogランキング参加中!評価クリックお願いします!





