【スタッフ&キャスト】
監督・脚本:イ・ジェハン「私の頭の中の消しゴム」
原作:辻仁成「サヨナライツカ」
主題歌:中島美嘉「ALWAYS」
出演:中山美穂/西島秀俊/石田ゆり子/加藤雅也/マギーほか
【ストーリー】
1975年、灼熱のバンコク。お金・美貌・愛に不自由なく暮らし、ただ愛されることを求めて生きてきた沓子(中山美穂)は、ある日、バンコクに赴任してきたエリートビジネスマン豊(西島秀俊)と出逢う。
たちまち魅かれ合い、熱帯の夜に溺れていくふたり。
体を重ね過ごす日々がふたりの距離を縮め、沓子は人を愛することこそが本当の愛だと気付く。
しかし豊は結婚を目前に控えており、日本に光子(石田ゆり子)という婚約者がいた。
かなわぬ恋とわかっていながら、それでも豊を愛し続けると決める沓子は…。
そしてふたりは25年後のバンコクで、運命の再会をする──。
人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すのか、それとも愛したことを思い出すのか…。
(公式サイトより)
幻想はひとりぼっちの世界。現実は誰かとの世界 感・想・文・FRAGILE
人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すのか、それとも愛したことを思い出すのか。
愛されることで愛することもあれば、愛されても愛せないこともある。
愛することで愛されることもあれば、愛しても愛されないこともある。
人は生まれるのも死ぬのもひとりぼっち。
誰かと愛し合っていても、いずれはサヨナラが待っている。
だからこそ、今を愛おしく感じる。
誰かと出逢うことの出来る現実が愛おしく思える。
現実の中で人は夢を見る。
それは夢のままなら幻想だ。
幻想は手に入らないから美しく輝いて見える。
年老いていく中で、西島秀俊演じる豊は、夢も希望も失っていく。
それは、仕事に情熱を持っていた日々。燃えるような恋をしていた日々。未来を信じられた日々。
時が流れ、自分のしてきたことを振り返るとき、そこに見えてくるものは手に入らなかったものたち。
目の前にある手にしたものたちは、現実の垢にまみれている。
こんなはずじゃなかったというものばかりだ。
手に入らなかったものはいつまでも輝く。
中山美穂演じる沓子は豊かにとって夢のままの女性だった。
だから、心の中で忘れられず、いつまでも輝いている。
「サヨナライツカ」は、豊の青春の物語。
そして、手に出来なかった美しすぎた夢・幻想に翻弄された男の物語。
光のように混ざり合っても濁らない“幻想”。
絵の具のように混じり合えば濁ってしまう“現実”。
人はきっと、幻想と現実を行ったり来たりしながら生きていく。
幻想はひとりぼっちの世界。現実は誰かとの世界。
幻想を引きずり続ける人間は、はたして幸せなのだろうか。
あなたは現実の中で幸せを感じているだろうか。
現実の中で人を愛することができる。こんなに愛おしい出来事はないのかもしれない。


