衣擦れの音
骨の軋む音
闇を切る
横たわる川の光

あなたが生きている街

やっとの思いで絞り出した
「痛い」という私の言葉は
眠りの渦の中へ
落ちる

私から目をそらした
あなたの瞳の奥に問う

もう二度と

それでも愛した
思い出にした
何故に触れた
伝わらなかった

やっとの思いで絞り出した
また会えると思っていたのに
良い意味で、悪い意味で、大人になったと感じる
一人住まいの家に帰ってきては、最低限の家事をしばく
一人でいるのがごく当たり前だ
そんな私でもいつか、何の疑問もなく一緒に生きられる誰かと出会う日が来るだろうか
いつか、煙草をやめたいと思う日が来るだろうか

限りなく自由な音楽の世界
生きにくい世の中
会いたい人
切ない表情をして、いくね
一緒にって、嘘ついて
温かい気遣いを交わし合う
でもふと見下ろせば、結局いつも一人じゃないか
いつからか、それが当たり前になったんだ
何も気しないと、決めたんだ
すれ違うだけで、簡単に傷ついてしまうんだからさ


別れ際にその大きな手で頭を撫でてくれた
微笑んでくれた
私はとても淋しかったので
簡単にぐらついてしまうのだった

涼しい匂いのする季節だった

けれどあなたが私を選ばなかった理由も
今ならなんとなく分かる気がする

延々とくだらない話をしていたかった
心の闇には敢えて触れずに
それでも分かって
また、簡単に、繰り返してしまう、恋の季節を
目を開けた時から
朧げな視界とリンクしたこの世界
人々のざわめきが聞こえる
そして幸福までのカウントダウンが始まった

行き交う人混みの中で
すれ違うたびに傷つくのは何故だろう
俯いたままでもう二度と
面を上げたくないのは何故だろう

地鳴りのような鼓動
触れた時の熱も幻になる
初めてなのに懐かしい感じがする
まだ陽の目を見たくない
出会いたくない

今日もまた一歩ゼロに近づいた
幸福が過去から呼んでいる
それを待ちわびて呼吸をしている時間が
永遠に終わらない幸福だと信じているから

これ以上悲しい思いをするのは御免だ
重たいメトロノームの針を眺めている
考えることを止めるなと、頭の隅で訴える声
嵐のように鳴り止まない
幸か不幸か名前を授かったあの日から
繰り返す生への自問自答

記憶が優しい波のように押し寄せる夜は
自分が自分であることすら
忘れたくなる
そこに立っているだけの、アイデンティティ

さようならを伝える声は
もはや私のものじゃないよ
わかってくれるよね、あなた
たかが代用品でも選ぶ必要はあるかな

プライドを捨ててまで
便利な女を演じられる程
強かじゃないのよ
別に構わないと思うのでしょう

言葉を選ぶ必要すらないし
第一に、一体何の代わりだったのか
知らされなかった
聞けなかった

格好悪い

今日も私に優しくするあなたのイメージは
暗くて表情すらうかがえない
ましてや温度なんて、躊躇いなんて
後付けの理由すら求められないから

頭ん中ピンク一色バカな女、にはなりたくないのにな。

なんで女にしか子供は産めないようになってるんだよ。
なんで私は女に生まれてきた?
男は勃っちゃえば女の気持ちなんか考えないよね、考えられるわけないよね。
じゃあ気持ちなんか関係無しに濡れるこの仕組みはどうなってる?
雄は針です、雌は穴です。そこから生まれるのは愛じゃなくて子供だ。
そんな汚い本能を全うしたくない。

知能を働かせ、言葉を使い、意思を表示する、
そんな人間らしいセックスなんて有り得るのか。
今年最も泣けるラブストーリー、なんか観て
ありえねー、とか思いながらもあっさり泣けちゃうのは
そこに私がいないからだ。完全な別世界。
涙でほっぺがパリパリになったところで
チョコレートケーキを手づかみで頬張って
甘ったるい口の中を冷めた紅茶で洗い流して
そんな自分が案外嫌いじゃない。そんな時もあるって。女子だもの。
もうちょっとだけ、触れることに躊躇いを見せて欲しい
身体と身体を繋ぐ、隙間を埋めることを最も簡単に
だから大事なのはその数秒前にある衝動だ
スイッチをONにすれば、あとは自分が自分である証すら

私が今するべきことは恋なんかじゃないと気付いた
あなたが必要なのはその為で
求められてやっとバランスをとる
嘘でもいいから、切ない言葉をかけて

それからだ、あたためあえるのは
薄皮一枚剥がれてしまっただけでヒリヒリ
明日にはもう赤みは引いてくれるかな

シャンプーを変えて
つやつやになった髪も一人占め
バッサリ切っちゃえれば
君は振り向いてくれるかな

冷たい風と一緒に抱きしめる
今はまだ一人が好きでいられるけど
あったかカフェオレ甘く香って通り過ぎる
どうせすぐに恋をしたがる

恋愛体質、クリーム
ホワイトローズ、あるいは

今のうちにビタミンC摂っておかなきゃ
浸みる酸味が痛いのは甘さに慣れてしまったせい
ラブサプリメントに嫌気がさすのは
誰だって手軽に感じられてしまうから

この身体の内側から
明日は今日よりもっと背伸び
目と閉じて生まれてきますように
今度はわたしに伝えて、ね