造反? 内紛? 三宅久之
テレビ番組に出演する政治評論家というのは、系列の新聞社OBを出演させるというのが、テレビ界の長年の慣習であり、因習であった。
日本テレビ・中村慶一郎(読売新聞政治部OB)、TBS・岩見隆夫(毎日新聞政治部OB)、テレビ朝日・三宅久之(朝日新聞政治部OB)といった面々で、フジテレビとテレビ東京はフリーの森田実を使っていた。
ところがここへ来て、どうやら様相が変わっている。
解散当日のフジテレビ系「FNNスーパーニュース」は、本来なら森田実が出演するべきはずのところへ、朝日新聞OBの三宅久之を出演させたのだ。
それも安藤優子と木村太郎の間に終始居座るという、特別待遇ともいえる席であった。
その予兆は、以前からあった。
昨年春に放送されたテレビ朝日系「スーパーモーニング」で、政治評論家を4,5人集めた座談会のようなものをやっていたが、そこに三宅氏の姿がなかったのである(それ以前はこの番組に出ていたにも関わらず)。
このころの三宅氏は、白内障の手術をしたとかで、たしかに覇気がなかった。
また呼ばれたテレビ朝日系のテレビ番組では、「どうせもうすぐ死ぬんだから俺には関係ないもんね」というような趣旨の、無気力な発言が目立っていたように思う。
おおかたそのあたりが、鳥越俊太郎のカンに障ったのかもしれない。
また三反園訓という、自前の若い政治記者が歯切れのいい論評をするようになって、わざわざ三宅氏に登場願う機会も、減ってきたのかもしれない。
何はともかくテレビ朝日は、三宅久之に見切りをつけたのである(TVタックルでは激昂してみせているが、おそらくあれはサービスでやっているポーズだ。本人も人気低下を自覚しているのだろう)。
確かに三宅氏の政界とのパイプには、並々ならぬものがあることを感じさせる。
安部晋三、野田聖子、小林興起といった面々が、安藤優子には喧嘩腰でインタビューに答えているのに、三宅氏が「三宅久之です」と言ったとたんに、あ、どうも! と相好を崩していた。
しかし政治評論家の世代交代は、静かに進んでいるのだ。
政治評論家業界の重鎮であり、プライドも高い三宅氏としては、テレビ朝日にぞんざいに扱われることは、面白くないだろう。
「他局でも(造反議員数を)分析していたが、(私のやった)この局のがいちばん正確だった」とか、ほとんどテレビ朝日への当てこすりのような発言をしていて、安藤優子が困惑し、木村太郎が愛想笑いしていたのが見て取れた。
再編成はどうやら、国会だけの話ではないようだ。
今回の政局では、三宅久之氏がどこの番組で何を言うかということに注目してみるのも、一興かもしれない。