私の大好きだった「全女」全日本女子プロレスが倒産、解散して1年が経つ・・・
腐っても全女ってな感じで、末期の1~2年は客もいなけりゃ試合もつまらなかった
けど、どーしても見ないといけないような義務感で通っていた。
全女が解散になるというときも、私のように、いや、それ以上に「全女」が好きで、
そのために諦めきれないで全女にぶらさがっている人達が現実を見るいい機会
だと思って、さみしさよりも門出と思った・・・
でも、この一年・・・
新たな仕事を探せたスタッフもそう多くはなく、仮住まいのような仕事をしながら、
プロレスにかかわりたい。とチラチラと横目で業界を眺めているような人も多かった。
レスラーですら腰が定まらず、フリーとは名ばかりで全女以上に客の入らないちっちゃ
なちっちゃな会場でつまらない試合をたまにしていた・・・・
私の大好きだった全女が・・・憧れだった全女の選手たちが酔っ払う姿や、愚痴ばかり
言う姿はちっとも見たくなかった。
私が好きだったものは確かにそこにあって、これからも思い出として誇りに思える
ものであって欲しかった・・・・
2006.3.26 前川選手が引退興行をすることが決定・・・
そのポスターを見たとき、胸が詰まった・・・
私が大好きだった全女の、イチバンどん底を支えたメンバーが笑顔で1枚の写真に
収まっている・・・
しかも興行のポスターということは、全員が集まって試合をするのか・・・
南側の2列目を買って、きっとこれがプロレスを純粋に尊敬し、楽しめる最期の興行に
なるんだろうな・・・と思う。
当日、会場に入るとそこには全女のマークがハゲハゲになってプリントされているマット
があった。
それだけで泣けた。
選手は全女のマットに恥じないように精一杯グーパンチや張り手を繰り返した。
きっと他団体では嫌われるこの手の攻撃に飢えていたんだろう。
そして、全女特有の押さえ込みでも魅せる。
この第一試合からの熱が全女なのだ!
大嫌いなhikaruが全女のマットに土下座でアタマをこすりつける。
まるで
「サヨナラ。全女を守れなくてすいません。悔しいです」ってアピールしているよう。
お前なんかに、お前なんかに全女を背負ってもらいたくネーよ!
全女魂なんてお前にはまだまだわかってないんだ!
と思いつつ、やっぱり涙腺が緩む・・・
セミでは豪華な6人タッグが華を沿え、シングルの前川さんの引退試合は最期の
WWWAシングル戦に恥じない重厚なシングル。
間の悪い今井ちゃんの仕切りで引退式が進行して、10カウントゴングと共に青色の
テープがシュルシュルと音をたててリングに降り注ぐ・・・
全女に入門して、前川さんにうれしいことはどれだけあっただろう?
ライバルばかりが持ち上げられて、チャンスらしいチャンスは自分で掴むまで10年。
WWWAのチャンピオンになったと思ったら全女が解散し、引退式は自主興行・・・
でも、この青色テープ。でもこの満員の後楽園ホール・・・
全女で産まれて全女で育ったからには、やっぱり引退は後楽園だよね!!
恒例の胴上げや、騎馬での退場(この日は豊田さんが一人で肩車したけど)、涙目で
笑顔の先輩・後輩・そしてお客さん。
作られたドラマを見に行く気はしないけど、頼まれてもいないのに泣いたり、笑ったり
殴ったり、抱きしめたり・・・
そんな感情が染み付いた、全女のリングをもう見ることは ないのかもしれない・・・
確かにあのリングには、あの頃の選手の青春とその選手を応援した私達の青春が
刻み込まれていた・・・・