図書館の大きな机で、私の左前に座っているのは髪を後ろで結んだ女の子でした。明るい色のメガネフレームがよく似合っていました。私は資料の必要な部分を探すために下を向いていましたが、たまに目を上げると彼女が熱心に本に見入っているのが分かりました。
よく知らない人をじっと見つめるのも失礼な話なので、ときどき手元のノートに何やら書き込んでいるらしいのが目の端に写っていたくらいです。ふと気づくと彼女は顔を上げ、心ここにあらずの表情で宙を見ていました。
夕方になり資料の検索を終え目的を果たして帰るときに彼女の後ろを通ったのですが、見ていたのはどうやらセンター試験の問題集でした。きっと春から高校三年生なのでしょう。どこのだれかは知らないけれど、あと一年、来年の春に向けて頑張れよと思った次第です。