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私は中学生の時は剣道部で、決して剣道部の決まりというわけではないが、父親のまた訳の分からないルールで剣道部やめるまではスポーツ刈りだった。
頭髪検査は髪のスタイルで基準が違い、坊ちゃん刈り(長髪)は耳に掛からない程度で前髪は眉毛くらいの長さに決まっていた。
スポーツ刈りは耳に髪が触ってはいけなく、前髪は手を当て指の股に挟んで出たら失格という厳しいものだった。(因みに坊主刈りの奴は死にものぐるいで数本の刈り残しを爪で引っこ抜いていた)
体育館で検査が始まり、前日床屋に行ったにもかかわらず、私は失格して体育館のステージに上げられ、失格者は皆横に並んで四つん這いになり、ケツバットと称した木の棒で体育教師に臀部へ強か叩かれた。(今じゃ間違いなく体罰)
別に何も悪い事はしていないのに罰が与えられた。
みんなグレるのも当然だろう。
再検査は悲惨なものだった。失格者がどんな罰を受けたかはもう記憶には無いが、皆それぞれ必死に対策を練った。
検査されている我々をよそに、不良達はリーゼント。
コートの様な長ランを着て闊歩していても先生は見て見ぬ振り。
「先生、アイツのリーゼントの前髪は鼻まであるけどいいの?」と私が聞くと。
「うるさい!人は人!」
と意味不明な回答。
私も指の股から髪の毛が出るのが嫌で、いっその事剃っちゃおうと考えた。
当時、妹の頭を梳くのに櫛に剃刀のついた物がうちにあった。
それで、指の股から出るのを確認しながら梳いた。
とうとう、前髪は平らになってしまった。
スポーツ刈りで前髪が無いのは滑稽である。
翌日、職員室に行って再検査をしてもらったら、
「ここまでやる事はないだろう。」と先生は涙ぐんでいた。
先生は言う事を聞く生徒と聞かない先生への理不尽な差別やくだらない校則へのささやかな抵抗を少し感じてくれたようだ。
ざまぁみろ!