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船の科学館には南極観測船宗谷が係留されている。
宗谷の見学から私は宗谷の虜になった。
それからは、将来の夢は今までの恐竜学者から海上保安官へと変わった。(後に接骨院になってオステオパスになるが医者や整体師などへの憧れは全く無かった。あったとすれば高校生の時、妹の持っていた少女漫画を読んで獣医になろっかな?と思った程度である。)
毎日、学校から帰っては、ボール紙で宗谷を作っていたものだ。(時間を忘れて暗くなったのに気付かない事もあった。祖母に言われて部屋の電気をつけられた時の切なさは今も覚えている。)
そんなある日の事、南極観測船宗谷のアニメが放映されることになった。
タイトルは「宗谷物語」
実にタイムリーだった。
きっと私以外にも宗谷ブームだったのかもしれない。(クラスメイトは誰も観ていなかったが)
毎週欠かさず観た。
おそらく平日の夕方6時頃だったと思う。
宗谷がロシアから注文を受けて造られた話や、戦時中の米軍の魚雷をかいくぐった奇跡のエピソードなどなど、毎週楽しみにしていた。
しかし、ある回、1回だけ見逃してしまった。
宗谷の時間までいつものように工作をしていた。
もうじき始まると思っていながら、何かに集中してしまった。
「はっ!」と気がつくと6時半。
テレビを付けるとまさにエンディングの歌。
悲しかった。
神さま、なぜ良い子にしていたのに私の楽しみにしていた宗谷物語が丁度エンディングなのですか?
ビデオの無い時代。
いやいや、巷にはビデオは存在していたが、我が家には無い。
当時は見逃したら永遠に観ることが出来ないと思っていた。
34年の月日が経って、dアニメでやっているのを見つけた。
オープニングの歌は覚えている。当時は覚えて歌っていた。(友達は誰も観ていなかったが)
オープニングの歌と映像は懐かしすぎる。
一瞬、あの薄暗い部屋で明かりも点けづに工作をしていた空気が蘇り、今は亡き祖母の声が聞こえて来た。
あの頃はこんなおじさんになるとは思っていなかったなぁ〜
あの時見逃した回を観てみようと思ったが、その回がわからなかった。
今度、全部ゆっくり観てみよう。