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小学生の頃、海に釣りに行った。





父は無類の釣り好きで、毎年夏は海に連れて行ってくれた。(半分は釣りが目的)






その時は父の弟家族も一緒だった。






父の弟の子供は3人いて、長男が私より一つ上、とても優しく頭も良く、何処を取っても非の打ち所の無いアニキ的存在。






彼の弟は二つ下で、上の妹と同じ年。明るくひょうきんなムードメーカー。







その妹は10くらい違うだろうか?まだ幼かった。







釣り場は何処だったか覚えていないが、堤防の内側の港内は底まで透き通っていて10mくらいの深い海底迄、見えるくらい綺麗だった。






その時は結構釣れた。







綺麗なベラとかウマズラハギとかタコも釣れた。








数では10匹くらいいただろうか。







エアレーションをクーラーボックスにして生きたまま持って帰った。







父に「この魚たちを飼いたい」と言った。







父は「海水魚は難しいよ」








「でも、チャレンジしてみるか」と言ってくれた。









淡水魚はお手の物だった。







家にあった使ってない水槽に、近所の金魚屋さんで買ってきた海水の素で海水を作り、上面フィルターでセットした。







すぐに魚を入れたが、水が濁っている。







父が「少し時間を置く必要があるよ」と言っていたので心配はしていなかった。







水槽には綺麗なベラ数匹とウマズラハギやカワハギ、それからタコも居た。







特にタコがお気に入りだった。







いつまで見ていても飽きない。








翌朝、早速水槽を見に行くと、お気に入りのタコちゃんが居ない。







吸盤があるから逃げたのかとも思ったが、既に父も起きていて、すぐさま父に







「タコが居ないよ!」と言った。







父はちょっと気まずそうに







「冷蔵庫に居るよ」と言った。








冷蔵庫⁈







冷蔵庫を開けると、綺麗に調理された酢ダコがあった。(父は調理師である)






父曰く「昨日の時点でもう既に弱っていたよ。死んでしまったら食べられなくなっちゃうから、食べられるうちに料理したよ。ちゃんと食べて供養してあげなきゃね。それが釣って持って帰ってきたお前の義務だよ。」







そうですか。






今思うと、釣った瞬間から父の中では酢ダコが決定だったようだが。








その時も、あまり気にはしなかった。







しかし、水槽の水は一向に綺麗にならない。白濁している。







ある時父が、父の持っていた海水魚図鑑の中に書いてあった上野動物園の水族館の電話番号に電話してみようと提案してきた。(当時は上野動物園に水族館があった)







水族館の人に聞くと(私の記憶では私が電話で聞いたような)







上面フィルターのマットを全部捨ててくださいとの事。






そこに砂利(水槽に敷くサンゴの砂利)をいっぱいまで入れて下さいとの事だった。







早速、サンゴ砂利を買ってきてその通りにやってみた。







しばらくはまだ白濁していたが、数日うちに綺麗に透明になった。







凄い!







透明な水槽には、綺麗なベラやウマズラハギが泳いでいる。







完璧な海水魚水槽になった。







嬉しかった。










ある日、上の妹が友達を沢山うちに連れてきた。








中には乱暴そうな男の子もいた。







嫌な予感はしていた。








妹の友達が帰った後、水槽を見ると白濁している。







それも以前よりも強く白濁している。








水槽の水面を見ると大量の金魚の餌が入っている。(それも半端な量じゃ無い)








村田君が餌をあげてたよ。








はぁ⁈








急いで取り除いたが、どうする事も出来ない。









そのまま、魚達は全滅した。









村田このヤロー