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 私が中学生の時、英語の授業でビートルズのイエスタデイが教科書に載っていた。英語の先生は無類のビートルズマニアで授業中聴かせてくれた。





仲良し3人組の一人親友のアケちゃんの母親の友達から一本のテープを貸してもらいみんなで聴いた。





衝撃だった。





イエスタデイではあまり感じなかった感動と衝撃を受けた。







今思うと、あれはオールディーズと言うアルバムだと思う。(ビートルズの通常のアルバムでは無く、昔のベスト盤みたいなやつ)シーラブズユーから始まるやつ。






我々は直ぐに虜になった。







翌日から親友のアケちゃんの家でビートルズのテープをかけながら、部屋の電気のスイッチ紐をマイクに箒をギターがわりにビートルズの真似を始めた。





そうなると、箒よりギターみたいな形の方がいいなぁ、と言う事で、ジョンのリッケンバッカー を木で作り始めた。






だけど、せっかく作るなら、音が出た方がいいや、って箱型にして釣り糸を張る計画を立てた。





それを見ていて、父が、「そんなに簡単にギターは作れないよ。ギターがやりたいなら買ってやるよ。」と珍しく買ってくれることになった。(父は学生の頃、友達から禁じられた遊びを教えてもらって、少し弾けるようだ。嫌な予感がしたが、この時はわからなかったが。)






嬉しかった。







翌週の日曜日に上野の多慶屋にギターを買いに行った。





ギターが3本程あった。





フォークギターが2本とクラッシックギターが1本。





私の狙いは、やはりフォークギター(今はアコースティックギターと言うかな?)





鉄の弦で、シャンシャンと鋭い音がする。まさにビートルズサウンドだ。





値段は1万5千円。






決まった!






と、思いきや。








「こっちのクラッシックギターの方が作りがいいなぁ」なんて、父がクラッシックギターを買う気になってしまった。







値段は1万8千円。







少し高いじゃん。







「フォークギターは作りが悪いな」なんて、作りなんてわかんのかよ!






クラッシックギターはナイロン弦でボロンボロンと優しい音がする。







ビートルズサウンドに程遠い。禁じられた遊びの音だ。






結局、父はクラッシックギターを買って満足した様だ。







家に着くと、早速、父は禁じられた遊びを弾いて私に自慢した。





ただ、それがしたかっただけの様だ。





私がクラッシックギターでビートルズを練習している間に、親友アケちゃんはフォークギターを買ってもらった。






ある日、父の弟の家に行くと、モーリスのフォークギターが壁に掛かっていた。





以前は無かったのに、最近買った様だ。






形もチョット、ジョンのギブソンに似ていた。(初期のビートルズで弾いていたGibson J-160E)







羨ましかった。




そしたら、叔父さんが、「貸してあげるよ。叔父さん弾かないから気がすむまで使ってていいよ。」って言ってくれた。






やった!







それから私の愛機として練習に励んだ。ひょっとしたら、叔父さんは私のギター購入の一件を知っていたのかな?






ありがとう叔父さん。







それからと言うもの、親友のアケちゃんの家(アパート)で毎日、シャウトした。






アケちゃんのおばさん、ごめんなさい。