このエントリの元投稿初出日時は『2005/11/08(火) 23:27』です。
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他にも幾つか翻訳が残っているのですが、ちょっとわき道にそれた企画を。(^^ヾ
過去記事発掘企画第1弾、ニューヨーク・デイリー紙のUtaDA特集記事です。
日付は2004年10月3日、元の記事は、こちらです。
(http://www.nydailynews.com/entertainment/story/238264p-204443c.html)
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Found in translation, Hikaru
ファウンド・イン・トランスレーション、ヒカル
By REBECCA LOUIE
DAILY NEWS FEATURE WRITER
文:レベッカ・ルイ(デイリーニューズ・特集記事記者)
Utada Hikaru
ウタダ・ヒカル
With long black hair and pixielike features, Utada Hikaru looks like a female pop pinup.
But the 21-year-old singer insists that, in many ways, she's really a man.
その長い黒髪と妖精のような横顔。ウタダ・ヒカルはまさしく女性ポップ・シンガーのピンナップスターに相応しい出で立ちだ。しかし、この21歳のシンガーはこう主張する。様々な角度から見て、自分は男性なんだ、と。
“It's a bit confusing being a young girl, because my taste in music and what I do is more like a 35-year-old guy,” says the Japanese star, who makes her stateside, English-language debut tomorrow when her CD “Exodus” reaches stores.
「自分が若い女の子だっていう“事実”に、ちょっと戸惑うというか。私の音楽のテイストとか、取り組み方とか、どっちかっつーと35歳くらいの男の子に思えるのよ。」――そう日本のスターは言う。彼女は米国向けの英語詩デビューアルバムCD「エキソドス」を作り、明日各地のショップに送り届けるのだ。
“Sometimes, I feel as though I'm caught in this girl's body and I'm like, ‘No! I want to be Trent Reznor!’”
「時々、この女の子のカラダの中で囚われの身になっているようにすら感じるんだ、そうなると、『違う! 私はトレント・レズナーになりたいの!』ってなっちゃう。(笑)」(註:トレントはロック・バンド“ナイン・インチ・ネイルズ”のリーダー。)
Departing from lighthearted Japanese or “J-pop” that has sold 17 million albums overseas, “Exodus” assaults with innovative dance beats and mischievous lyrics.
海外(註:日本のこと)で1700万枚以上を売った気楽な感じの日本の音楽即ち「J-ポップ」なるものから旅立ち、この「エキソドス」は、革新的なダンスビートと確信犯的な歌詩で聴き手に迫ってくる。
Unlike many chart-topping talents here, Hikaru wrote and produced the entire album herself. Missy Elliott collaborator Timbaland joins her on three tracks.
チャートのトップを飾る他の多くのタレント達とは違い、ヒカルは自身のアルバム全体で作曲とプロデュースを行っている。ミッシー・エリオットとコラボしていたティンバランドが、3曲でヒカルと共同プロデュースをしている。
“In Japan, Utada is a pop goddess,” says Tario (Magurochan) Cham of Japanese music culture site jpop.com. “There, music is very limited. No matter how big you are, you have to follow the trends.”
「日本では、UtaDAはポップスの女神様なんだ。」日本国内の音楽カルチャー・サイトjpop.comのタリオ・(マグローハン)・チャムは言う。「日本の市場っていうのは、音楽の幅がとても狭いんだ。どれだけビッグなミュージシャンでも、トレンドを無視することは出来ないよ。」
“On ‘Exodus,’ Hikaru has more freedom to explore things. This album has a lot of fusion on it, hip hop, dance, experimental.” Born on the upper East Side to musical parents (mom was a traditional Japanese singer and dad a producer), Hikaru wrote her first song in Japanese at age 10 and a full English language album at 13.
「『エキソドス』アルバムで、ヒカルは音楽的探求をする自由を得た。そこには、多くの融合が見られる。ヒップホップ、ダンスなどの融合だね。とても実験的だ。」 ヒカルは、音楽家の両親(母は日本の演歌歌手、父はプロデューサ)のもとニューヨークのイースト・サイド北に生まれ、10歳のとき最初の曲を日本語で書き、13歳になるころには英語でフルアルバムを作っていた。
Her family then moved back to Tokyo, where a label executive suggested she attempt recording in Japanese. At 15, her debut, “First Love,” sold 9 million copies.
彼女の家族はその後東京に引越しなおし、そこでレコード・レーベルの重役に日本語でのレコーディングをもちかけられ、15歳になる頃にはデビューアルバム「First Love」を900万枚売っていた。
Though she abandoned biology studies at Columbia, Hikaru has a bookish approach to working on her music.
コロンビア大学での生物学の研究からは一旦退いてはいるものの、ヒカルはその学究的なアプローチを音楽に活かしているという。
“The same parts of my brain get as excited as when I study bio or read a novel and write a paper on it,” she says. “You begin with a thesis, take through the next paragraph, bring it to a conclusion.”
「生物学を研究してるときや小説を読んでいるとき、論文を書いているときは、(音楽を作ってるときと)頭の同じ部分が興奮するんだよ?w」と彼女は言う。「主題から始まり、次の段階に突入して、終結部にもっていくの。」
Trying her luck at a whole new market is a nerve-racking affair. “It's frightening to think, ‘Oh my God, no one is going to like it, no one is going to hear it,’” she says of her eclectic sound. “I just want people to see that I do my own stuff, that I'm not stupid, and I can make fun of myself.”
全く新しい市場で自らの運を試すことは、彼女の神経を随分参らせているようだ。「考えるのが怖くって。『あぁ神様っ! 誰も気に入ってくれなかったらどうしよう! 誰も聞いてくれなかったらどうしよう!』ってね。(苦笑)」 彼女は、自身の幅広い音楽についてこうコメントを寄せている。「誰の真似でもない、これが私なんだ!ていうのを、みんなに見てもらいたくって。私は愚か者じゃない、自分を笑うことだってできるんだから、ってね。」
When creatively blocked, Hikaru takes baths or tries yoga or Pilates at home.
スランプに陥ったとき、ヒカルは家でお風呂に入ったりヨガやピラティスをやったりするらしい。
“I don't like going to the gym because I don't like being with people I don't know in that intense environment,” she says. “That's like telling someone to do squats on the train.”
「ジムに行くのは好きじゃなくって。自分の知らない人たちと居るのがどうも、ね。そういう環境ってちょとキツイな~。」と彼女は語る。「まるで電車ん中でスクワットしろって誰かに言われてるようなもんじゃないそれって!?ねぇ!?(笑)」
She now splits her time between here and Tokyo. She's been married to her video director, 15 years her senior, for two years. Of marrying so young, she says: “I figure no matter how old you are, it's always going to be your first marriage and no life experience is going to make you a better judge of who you should marry.”
彼女は今、東京と米国の両方に時間を割り振っている。2年前に自身のビデオの監督と結婚していて、彼は15歳年上だ。そんな若さで結婚することについて、彼女はこう言っている。「何歳かなんて関係ないっしょ? 最初の結婚は誰にとっても初めての経験になるわけだし、誰と結婚すべきかをよりよく判断するために人生の経験が必要だなんてことはないと思うよ。」
Originally published on October 3, 2004
この記事の初出は2004年10月3日です。
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> 訳者後記:
過去に一度訳して訳者後記まで書き上げた記事なのですが、ファイルがどっか行っちゃったので(爆)、イチから書き直してみました。ですから翻訳はスピード重視で内容には特に工夫を凝らしておりません。一方、記事の内容自体には幾らか解説が必要かと思われましたので、以下にまとめて付記しておきますね。
タイトルについて: 「ファウンド・イン・トランスレーション」となっていますが、これは、この記事が公開された当時「ロスト・イン・トランスレーション」という映画が公開されていたので、それにひっかけてのものだと思われます。映画の方は訳者未見ですが、このタイトルは「言葉の通じない異国の都市で迷子になっている」という意味でしょうから、UtaDAの方は、「言葉の通じる異国の都市で自分の居場所をしっかりと見つけている」というニュアンスだと、とりあえず訳者は解釈しました。(トランスレーション/translation=翻訳、です)
“like a 35-year-old guy”: Hikkiはこの記事の中で「自分が35歳の男の子のように感じる」と述べています。・・・当時36歳ですが、旦那さんとはさぞかし気が合ったことでしょう。(笑) 一方のキリヤンはまるで20代のような純粋な情熱を持った人なので、心と体がねじれながらお互いを映し出しあっているような関係なのではないでしょうかこの二人は。
トレント・レズナー: 註にも書きましたが、彼は米国のロック・バンドナイン・インチ・ネイルズの中心人物です。このバンドは、以前Hikkiもこの日のメッセで取り上げていますが、大抵、米国の無機質で殺伐としたサウンドのバンド――例えばデフトーンズなど――を彼女が好きだという場合は、夫のキリヤンの影響を受けてであることが多いと思います。(勝手な推測ですけどね) というのも、トレントの顔って、キリヤンが一番好きなタイプの造形なので。(笑) いつか彼を主演に映画を撮ってくれたら嬉しいですね。(^^;
“innovative and mischievous”: 紛らわしい訳し方をしてしまったので少々補足を。(苦笑) 訳文で「革新的/確信犯的」と韻を踏ませてみました。(というかダジャレwww) 前者のinnovative/イノヴェイティヴは、確かに「革新的」という意味なのですが、後者のmischievous/ミスチーヴァスは、「いたずらっぽい」 という意味です。「確信犯的」とは少々違いますね。でも、いたずら好きは大抵確信犯(誤用のでもね(笑))なので、こんな感じでいいでしょう。<テキトー(汗)
“Though she abandoned biology studies at Columbia”: この記事ではコロンビアで生物学を学んだことになっていますが、そういう情報はありませんでしたよね確か。この学校は初年度から専門的なことを教えるところではない、なんてことを小耳に挟んだような気もしますし。誰々についての論文を書いた、なんてことも複数のBBSで目にしたりもしましたが、ソースも見つからなかったことですし、あんまり不確実なことは書かないでおきましょう。
“I can make fun of myself.”: この箇所がちょっと日本語訳ではわかりにくいですね。どうして多様性を持った音楽を作ることが、「自分をからかう」ことになるのか。それはこういうことです。もし、何かひとつの方向性に凝り固まった音楽を作っている場合、その人はその他の音楽に対して排他的であったり自身の音楽に対して教条主義的であったりします。しかし、自分はそうではなく、多様であることよしとする、即ちあるひとつの価値観に囚われることなく、自分のことを客観的多角的に見ることができる、ということの主張です。センス・オブ・ユーモアは、常に当事者でない部外者によってもたらされます。必死になっている人を外から見たら滑稽ですがそれは当人にとっては笑い事ではない、という普遍的な状況を思い浮かべればいいかもしれません。しかし、だからといって頑張ってる自分をからかわれた(make fun)ときに視野を狭めて怒るのではなく、一緒になって笑うだけの広い視野=余裕と、相対的な視点を持てる知性があるんだよ、ということを彼女は主張しています。ですから、この“I can make fun of myself.”は、“I'm not a stupid”=「私は愚か者ではない、ちゃんと知性のある人間なんだ」から繋がって来るわけです。・・・もっと訳者は簡潔な説明が出来るよう、知性を磨く必要があるようですね・・・λ.........。
“You begin with a thesis, ・・・”: この部分は、論文の書き方と作曲の仕方の類似点についての指摘です。論文というものは、メインテーマとなる主張から始めてそれを展開させ結論を導くのですが、音楽でも、メインとなるメロディを決めて、そこから様々なひろがり・編曲・展開を見せ、かっくぃぃエンディングに結びつける、というのが作曲の基本だ、、、ね、よく似てるでしょ?ということですね。(*^.^*)
“Pilates”: ピラティスって辞書に載ってるんですねぇ。去年訳したときは、載ってなくて検索したような気がするんですが。WEBの世界は日進月歩ですな。(笑)
以上です。全体的には既出だらけの話ではありますが、ところどころ新鮮味がありました。今(2005年11月)読み返すと、トレント・レズナーのくだりは“You Make Me Want To Be A Man”のことを暗に指してるのかな、なんて思ったりもしますね。記事としては、文章の流れがわかりづらく途切れ途切れの印象がありますが、逆にいえば短くまとめてあるとも言えます。ま、訳者後記と併せれば、それなりに楽しく読めるのではないでしょうか。<珍しく自負(笑) by i_.
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他にも幾つか翻訳が残っているのですが、ちょっとわき道にそれた企画を。(^^ヾ
過去記事発掘企画第1弾、ニューヨーク・デイリー紙のUtaDA特集記事です。
日付は2004年10月3日、元の記事は、こちらです。
(http://www.nydailynews.com/entertainment/story/238264p-204443c.html)
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Found in translation, Hikaru
ファウンド・イン・トランスレーション、ヒカル
By REBECCA LOUIE
DAILY NEWS FEATURE WRITER
文:レベッカ・ルイ(デイリーニューズ・特集記事記者)
Utada Hikaru
ウタダ・ヒカル
With long black hair and pixielike features, Utada Hikaru looks like a female pop pinup.
But the 21-year-old singer insists that, in many ways, she's really a man.
その長い黒髪と妖精のような横顔。ウタダ・ヒカルはまさしく女性ポップ・シンガーのピンナップスターに相応しい出で立ちだ。しかし、この21歳のシンガーはこう主張する。様々な角度から見て、自分は男性なんだ、と。
“It's a bit confusing being a young girl, because my taste in music and what I do is more like a 35-year-old guy,” says the Japanese star, who makes her stateside, English-language debut tomorrow when her CD “Exodus” reaches stores.
「自分が若い女の子だっていう“事実”に、ちょっと戸惑うというか。私の音楽のテイストとか、取り組み方とか、どっちかっつーと35歳くらいの男の子に思えるのよ。」――そう日本のスターは言う。彼女は米国向けの英語詩デビューアルバムCD「エキソドス」を作り、明日各地のショップに送り届けるのだ。
“Sometimes, I feel as though I'm caught in this girl's body and I'm like, ‘No! I want to be Trent Reznor!’”
「時々、この女の子のカラダの中で囚われの身になっているようにすら感じるんだ、そうなると、『違う! 私はトレント・レズナーになりたいの!』ってなっちゃう。(笑)」(註:トレントはロック・バンド“ナイン・インチ・ネイルズ”のリーダー。)
Departing from lighthearted Japanese or “J-pop” that has sold 17 million albums overseas, “Exodus” assaults with innovative dance beats and mischievous lyrics.
海外(註:日本のこと)で1700万枚以上を売った気楽な感じの日本の音楽即ち「J-ポップ」なるものから旅立ち、この「エキソドス」は、革新的なダンスビートと確信犯的な歌詩で聴き手に迫ってくる。
Unlike many chart-topping talents here, Hikaru wrote and produced the entire album herself. Missy Elliott collaborator Timbaland joins her on three tracks.
チャートのトップを飾る他の多くのタレント達とは違い、ヒカルは自身のアルバム全体で作曲とプロデュースを行っている。ミッシー・エリオットとコラボしていたティンバランドが、3曲でヒカルと共同プロデュースをしている。
“In Japan, Utada is a pop goddess,” says Tario (Magurochan) Cham of Japanese music culture site jpop.com. “There, music is very limited. No matter how big you are, you have to follow the trends.”
「日本では、UtaDAはポップスの女神様なんだ。」日本国内の音楽カルチャー・サイトjpop.comのタリオ・(マグローハン)・チャムは言う。「日本の市場っていうのは、音楽の幅がとても狭いんだ。どれだけビッグなミュージシャンでも、トレンドを無視することは出来ないよ。」
“On ‘Exodus,’ Hikaru has more freedom to explore things. This album has a lot of fusion on it, hip hop, dance, experimental.” Born on the upper East Side to musical parents (mom was a traditional Japanese singer and dad a producer), Hikaru wrote her first song in Japanese at age 10 and a full English language album at 13.
「『エキソドス』アルバムで、ヒカルは音楽的探求をする自由を得た。そこには、多くの融合が見られる。ヒップホップ、ダンスなどの融合だね。とても実験的だ。」 ヒカルは、音楽家の両親(母は日本の演歌歌手、父はプロデューサ)のもとニューヨークのイースト・サイド北に生まれ、10歳のとき最初の曲を日本語で書き、13歳になるころには英語でフルアルバムを作っていた。
Her family then moved back to Tokyo, where a label executive suggested she attempt recording in Japanese. At 15, her debut, “First Love,” sold 9 million copies.
彼女の家族はその後東京に引越しなおし、そこでレコード・レーベルの重役に日本語でのレコーディングをもちかけられ、15歳になる頃にはデビューアルバム「First Love」を900万枚売っていた。
Though she abandoned biology studies at Columbia, Hikaru has a bookish approach to working on her music.
コロンビア大学での生物学の研究からは一旦退いてはいるものの、ヒカルはその学究的なアプローチを音楽に活かしているという。
“The same parts of my brain get as excited as when I study bio or read a novel and write a paper on it,” she says. “You begin with a thesis, take through the next paragraph, bring it to a conclusion.”
「生物学を研究してるときや小説を読んでいるとき、論文を書いているときは、(音楽を作ってるときと)頭の同じ部分が興奮するんだよ?w」と彼女は言う。「主題から始まり、次の段階に突入して、終結部にもっていくの。」
Trying her luck at a whole new market is a nerve-racking affair. “It's frightening to think, ‘Oh my God, no one is going to like it, no one is going to hear it,’” she says of her eclectic sound. “I just want people to see that I do my own stuff, that I'm not stupid, and I can make fun of myself.”
全く新しい市場で自らの運を試すことは、彼女の神経を随分参らせているようだ。「考えるのが怖くって。『あぁ神様っ! 誰も気に入ってくれなかったらどうしよう! 誰も聞いてくれなかったらどうしよう!』ってね。(苦笑)」 彼女は、自身の幅広い音楽についてこうコメントを寄せている。「誰の真似でもない、これが私なんだ!ていうのを、みんなに見てもらいたくって。私は愚か者じゃない、自分を笑うことだってできるんだから、ってね。」
When creatively blocked, Hikaru takes baths or tries yoga or Pilates at home.
スランプに陥ったとき、ヒカルは家でお風呂に入ったりヨガやピラティスをやったりするらしい。
“I don't like going to the gym because I don't like being with people I don't know in that intense environment,” she says. “That's like telling someone to do squats on the train.”
「ジムに行くのは好きじゃなくって。自分の知らない人たちと居るのがどうも、ね。そういう環境ってちょとキツイな~。」と彼女は語る。「まるで電車ん中でスクワットしろって誰かに言われてるようなもんじゃないそれって!?ねぇ!?(笑)」
She now splits her time between here and Tokyo. She's been married to her video director, 15 years her senior, for two years. Of marrying so young, she says: “I figure no matter how old you are, it's always going to be your first marriage and no life experience is going to make you a better judge of who you should marry.”
彼女は今、東京と米国の両方に時間を割り振っている。2年前に自身のビデオの監督と結婚していて、彼は15歳年上だ。そんな若さで結婚することについて、彼女はこう言っている。「何歳かなんて関係ないっしょ? 最初の結婚は誰にとっても初めての経験になるわけだし、誰と結婚すべきかをよりよく判断するために人生の経験が必要だなんてことはないと思うよ。」
Originally published on October 3, 2004
この記事の初出は2004年10月3日です。
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> 訳者後記:
過去に一度訳して訳者後記まで書き上げた記事なのですが、ファイルがどっか行っちゃったので(爆)、イチから書き直してみました。ですから翻訳はスピード重視で内容には特に工夫を凝らしておりません。一方、記事の内容自体には幾らか解説が必要かと思われましたので、以下にまとめて付記しておきますね。
タイトルについて: 「ファウンド・イン・トランスレーション」となっていますが、これは、この記事が公開された当時「ロスト・イン・トランスレーション」という映画が公開されていたので、それにひっかけてのものだと思われます。映画の方は訳者未見ですが、このタイトルは「言葉の通じない異国の都市で迷子になっている」という意味でしょうから、UtaDAの方は、「言葉の通じる異国の都市で自分の居場所をしっかりと見つけている」というニュアンスだと、とりあえず訳者は解釈しました。(トランスレーション/translation=翻訳、です)
“like a 35-year-old guy”: Hikkiはこの記事の中で「自分が35歳の男の子のように感じる」と述べています。・・・当時36歳ですが、旦那さんとはさぞかし気が合ったことでしょう。(笑) 一方のキリヤンはまるで20代のような純粋な情熱を持った人なので、心と体がねじれながらお互いを映し出しあっているような関係なのではないでしょうかこの二人は。
トレント・レズナー: 註にも書きましたが、彼は米国のロック・バンドナイン・インチ・ネイルズの中心人物です。このバンドは、以前Hikkiもこの日のメッセで取り上げていますが、大抵、米国の無機質で殺伐としたサウンドのバンド――例えばデフトーンズなど――を彼女が好きだという場合は、夫のキリヤンの影響を受けてであることが多いと思います。(勝手な推測ですけどね) というのも、トレントの顔って、キリヤンが一番好きなタイプの造形なので。(笑) いつか彼を主演に映画を撮ってくれたら嬉しいですね。(^^;
“innovative and mischievous”: 紛らわしい訳し方をしてしまったので少々補足を。(苦笑) 訳文で「革新的/確信犯的」と韻を踏ませてみました。(というかダジャレwww) 前者のinnovative/イノヴェイティヴは、確かに「革新的」という意味なのですが、後者のmischievous/ミスチーヴァスは、「いたずらっぽい」 という意味です。「確信犯的」とは少々違いますね。でも、いたずら好きは大抵確信犯(誤用のでもね(笑))なので、こんな感じでいいでしょう。<テキトー(汗)
“Though she abandoned biology studies at Columbia”: この記事ではコロンビアで生物学を学んだことになっていますが、そういう情報はありませんでしたよね確か。この学校は初年度から専門的なことを教えるところではない、なんてことを小耳に挟んだような気もしますし。誰々についての論文を書いた、なんてことも複数のBBSで目にしたりもしましたが、ソースも見つからなかったことですし、あんまり不確実なことは書かないでおきましょう。
“I can make fun of myself.”: この箇所がちょっと日本語訳ではわかりにくいですね。どうして多様性を持った音楽を作ることが、「自分をからかう」ことになるのか。それはこういうことです。もし、何かひとつの方向性に凝り固まった音楽を作っている場合、その人はその他の音楽に対して排他的であったり自身の音楽に対して教条主義的であったりします。しかし、自分はそうではなく、多様であることよしとする、即ちあるひとつの価値観に囚われることなく、自分のことを客観的多角的に見ることができる、ということの主張です。センス・オブ・ユーモアは、常に当事者でない部外者によってもたらされます。必死になっている人を外から見たら滑稽ですがそれは当人にとっては笑い事ではない、という普遍的な状況を思い浮かべればいいかもしれません。しかし、だからといって頑張ってる自分をからかわれた(make fun)ときに視野を狭めて怒るのではなく、一緒になって笑うだけの広い視野=余裕と、相対的な視点を持てる知性があるんだよ、ということを彼女は主張しています。ですから、この“I can make fun of myself.”は、“I'm not a stupid”=「私は愚か者ではない、ちゃんと知性のある人間なんだ」から繋がって来るわけです。・・・もっと訳者は簡潔な説明が出来るよう、知性を磨く必要があるようですね・・・λ.........。
“You begin with a thesis, ・・・”: この部分は、論文の書き方と作曲の仕方の類似点についての指摘です。論文というものは、メインテーマとなる主張から始めてそれを展開させ結論を導くのですが、音楽でも、メインとなるメロディを決めて、そこから様々なひろがり・編曲・展開を見せ、かっくぃぃエンディングに結びつける、というのが作曲の基本だ、、、ね、よく似てるでしょ?ということですね。(*^.^*)
“Pilates”: ピラティスって辞書に載ってるんですねぇ。去年訳したときは、載ってなくて検索したような気がするんですが。WEBの世界は日進月歩ですな。(笑)
以上です。全体的には既出だらけの話ではありますが、ところどころ新鮮味がありました。今(2005年11月)読み返すと、トレント・レズナーのくだりは“You Make Me Want To Be A Man”のことを暗に指してるのかな、なんて思ったりもしますね。記事としては、文章の流れがわかりづらく途切れ途切れの印象がありますが、逆にいえば短くまとめてあるとも言えます。ま、訳者後記と併せれば、それなりに楽しく読めるのではないでしょうか。<珍しく自負(笑) by i_.