”うなぎ相場”はまだ値上がるのか? | 鰻に魅せられて

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☆うな重を食べるとそこには笑顔が生まれる☆

輸入もの(台湾、中国)主導で活鰻相場は毎週、値上がっています。

価格は未だかつてない水準となり、全国の蒲焼店では値上げを余儀なくされるところ、規格を変えて(やむなく、ボリュームダウンも)、鰻重を提供するところ、いろいろな対応が目立っています。

ただでさえ、客足の悪い中(とくに東日本)での値上げは相当、勇気がいることです。しかしながら、考える時間さえも与えぬほど、(海外勢の)値上げのスピードは早く、メニュー価格を改定せざるを得ないのが現状でしょう。

「値上がるのは百歩譲ってしょうがない。しかし、どこの水準まで上がるのかだけでもわかれば、商売の計画を立てられるのだが・・・」といった声は蒲焼店でよく聞かれます。が、正直、誰もがどの水準で”天井”となるのはわかりません。また知人の鰻屋も「うちは値頃感を打ち出している。すでに原価率も60%!に達した。近いうちに値上げするが、ボリュームだけは現状を維持し、頑張っていきたい」と現状を話しています。

ちなみにおとなり台湾の台北市内で有名なうなぎ料理店『肥前屋』でさえも今月から、数十年振りに値上げ(※鰻重(大)はメニューから無くなり、鰻重(小)は140元から190元に[4P 原料のハーフ])、社長自身もこの異常な事態を嘆いていました。


本当に先行きは不透明ですしょぼん


これらの相場暴騰には、ウナギ業界で未だかつてない”2年連続のシラス大不漁”が背景にあるわけですが、そのなかで在鰻のとくに少ない日本は、台湾、あるいは中国に足下を見られ、値をつり上げられているのが、正直な所でしょう。

ただそうしたなかで、輸入ものを主体とした相場高騰を牽制する意味で、期待される国内の新仔初揚げが6月半ばを前後し、始まる見通しです(愛知三河一色、宮崎新富両地区)。

ちなみに土用丑までに活鰻(新仔)を池揚げ、出荷する為にはシラスウナギを一般的に1月中旬までに養殖池にいれなくてはいけません。そのなかで今年は不漁ながら前半(12、1月の2ヶ月間)で前年同期比2倍弱の数量が池入れされているだけに、期待したいところです(ただ、全体量はやはり、少なく秋以降は相場云々の前に,在鰻を確保出来るか出来ないかの話まで発展する可能性も。対して需要の大幅減でそれらの話も杞憂に終わる可能性も・・・とにかく、先行きはなかなか見通せません)。

今年は”想定外”の事が至る所で起きています。しかし、このような時こそ、冷静になる事が大事かと思います。取引先の社長との会話に常に出てくる”打つ手は無限”のように、あきらめず、冷静に考えれば、何らかの対応策はあると思います。

ご存知の様に、世の中が移り変わるスピードもまさに”想定外”です。

ウナギ業界も新たなステージへと進む中、これまでの”常識”にとらわれない、柔軟な姿勢で前へ進んでいく事が肝要となってきます。


空を飛べない人間に神様は『創造力』という翼をくれた”ように、ウナギ業界(もちろん、日本もだけど)も新たなステージへ向けて、若手(別に若手じゃなくても良いけど)の“想定外”の創造力が求められています。

ふんばりましょう、この時を!