DX(デジタル・トランスフォーメーション)の波が押し寄せています。前にブログでその危険性について書きましたが、この流れを止めることは出来ませんし、それが人間なのだと思えます。そこで、DXをより良い方向へ導くための、ひとつのヒントになる動画を見て感じたことを書いてみます。

 

日本の企業、会社というのは昔から社長と従業員全員のモノでにあったと思います。会社は従業員とその家族の生活や、その地域経済を支えるため、豊かにするために存在し、最終的には日本の成長と発展にも繋がっている。だから日本は急速に高度成長出来たと思いますし、そのような国民性と思想であったからこそ、有色人種で唯一西洋列国の植民地と成らなかったのだと思います。

 

それがいつしか、新自由主義的思想、発想が良いものとされ、株主資本主義たる経営や、「今だけ、金だけ、自分だけ」という思想になってきてしまっている。この動画をみるとそのことがとても気になって来ます。

 

多様化し、グローバル化、デジタル化されていくなかで、日本人は日本人らしく順応して行かれればと思います。

 

話が少し逸れますが、グローバル化とグローバリズムは異なります。グローバル化は世界的な広がりという事で、多様な国家間の繋がりの広がりですが、グローバル主義=グローバリズムとは、イデオロギーであり。「今だけ、金だけ、自分だけ」の根源。金儲けが第一で、金儲けの妨げになる規制は、国境や政府なども含め全て排除し、自分たちの都合で全てを動かしたい。支配者が全てを支配し、それ以外は支配者に従えば良い。地球政府、ある意味帝国主義的思想です。

 

この動画では日本に老舗が多い理由から、デジタル化社会の中のVR(バーチャルリアリティ)のと繰り出す「空間」にスポットを当て、日本の適用性について話してます。これは同時に、現在進行系の新自由主義的経営=株主資本主義と日本的経営の絶対的違いも表していて、これから先の企業のあり方、日本人であるが故に考えなければならない事のヒントにもなっていると思います。

 

 

-------以下 動画より-------

日本の企業は、「会社」という空間=場所の充実を図ったから、それが長く続いていって、老舗になった。これは、企業も国も同じ。

日本にある老舗企業
・100年以上の社歴が有る会社は3万社以上
・300年まででも822社
・400年以内(300年~400年)が639社
・業歴1,000年以上が7社

全世界の創業200年以上の企業が5,600社あるうち、過半数になる3,100社が日本にある。
創業1,000年以上ある企業は世界で12社。うち9社が日本の会社
例えば、金剛組、池坊、いずれも空間を大事にしている業種
次に来るのが、西山温泉の慶雲館(旅館)、古まん(旅館)、善吾楼(旅館)、いずれも空間の演出ということが、ものすごく重要なファクターになっている会社。
次に田中伊雅(たなかいが)京都の仏具製造会社。仏壇はひとつの宇宙。

日本人は今いる場所を大事にする。
例えば掃除。西洋のようなモップがけではなく、日本は雑巾がけという磨き掃除。きれいなところもや机も磨く。光るわけがないけども磨く、そういう精神。
空間をものすごく大事にして、それをより高めるというのが、日本の精神。

空間(会社)を長きに渡り続いていくように考えるから老舗というのは出来て続いていく。
大事な心構えや心がけみたいなものが、老舗の家訓や社訓や社是に残っている。

その社訓などを見ると、日々の生活の中で気付いたこと、失敗した時の教訓などから出来ている。「こんな女性を奥さんにしてはいけない」という社訓もある。

人生訓みたいな学びが積み重なって、家訓や社訓や社是になっていった。
この空間をどう護るか、良くするかが老舗にはある。

お客様に対しては
先義後利」=道義を優先させ、利益を後回しにすること。
「義」は人として当然あるべき道の意。「利」は利益のこと。
先に大義名分、お客様に信用第一。自分の利益はその後。そういった働き方、儲け方。
 

空間を大事にする、ここから当たり前のように終身雇用、年功序列という世の中だった。
 

それが20年、15年ぐらいで一気に変わってきた。
転職したり、副業を持つ人も増えてきた。これは所属する空間が広がったとも言える。
現在はインターネットで、ネットを介して同じ空間(デジタル空間)を共有出来る。ネットは空間だけでなく、時間も超えられる。時間と空間を超えることは、今世界の中で始まっている。

土地は有限だがデジタル空間は無限。1人の人が所属できる空間の数が増える。選択肢が一気に広がる。

今までは会社1つに所属=可処分空間1個。しかし、これからは1人で複数空間の所属が可能になる。まったく違った世界がこれからやってくる。

関わる空間が大きく広がる時代

これからVR(バーチャルリアリティ)が普及していく。
1人が現実世界の居場所とデジタル世界の居場所が増えていく。
自分の使える空間がたくさん増えていく。
これからの新時代の価値観のすごく大きなシフト。
働き方も大きく会社の次元が変わっていく。
キーワードが可処分空間に変わっていく。

海外にいる人と会うとき、一昔前なら船に乗ってずっと航海しなければいけなかったが、今は飛行機で一飛びで行ける。それでもすごく時間はかかる。これがVRになると、お互い違う場所でも瞬時に実現出来る。

不動産屋さんで物件を内覧するにも、不動産屋さんでゴーグルを付けるだけで、いくつもその場で内覧出来る。

旅行会社でも各名所を体感するサービスは既にある。

企業でも製造業のマニュアルがVR化され実用されている。
マニュアルを読むより、見た方が早い、分かりやすい。

車の運転や電車の運転などのシミュレーションにも活用されている。

今までは会社に所属し、年功序列で勤め上げて終わりました。=1つの空間。
これからどんどんいろんなコミュニティや墓所に、同時所属、複数所属出来る時代


所属するコミュニティ、空間の選択は、サイクルが早くなる。
話題性の有る空間、ブームにより変わっていく。


言わば短期間で儲けるビジネスのようなモノ。

大事なのはそこに行って楽しむことや、人とのつながり、あたたかさ、信頼。みんなでそのところでコレを目指して行こう。そんな空間は長らえる。

今、Facebookがメタバースというデジタル空間を作ったとしても、多分また飽きられて次々に行ってしまう。

しかし、もともと空間を長く良い空間に出来る。良いつながり(関係性)を作れる日本人こそ、これから発揮しがいがある

コミュニティづくり、人間関係づくり、その場をどう盛り上げていく、成熟させていくか。

会社でやっていたことが、デジタル空間で次々と、たくさん同時にしていける時代が、これからの新たな働き方であり、新たなコミュニティ運営であり、これからの日本の100年以上続く老舗がやってきたことの良さを活かす鍵。

日本人が重んじてきた精神こそが鍵

100年以上続く企業の経営の秘密というのは、人と人との間の関係を大切にする家訓を非常に重んじてきた。この重んじてきた精神こそが、これからの日本を切り開く鍵になる。あるいはこれからの世界を開く鍵になる。
-------ここまで-------


みなさんは、どの様に感じられましたか。

 

 

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