アニメ放映時、予想外の大ヒットでかなり注目を集めましたが、私は未視聴でした。
その後、アマゾンプライムで配信していたので、少しだけ見たのですが、特に興味も湧かなかず、結局見なかった作品です。
別にこの作品が気に入らないとか、楽しめないと言うのではないのです。
映画も観ていて十分に楽しめました。
ただ、毎週見たいとか、続編が気になるといったことは一切なく、観ている間も気持ちが入ったりはしなかったのです。
では、ここをこうしたら良いといった箇所がある訳でもありません。
この映画は作品としてしっかりとした世界観を持っていますし、ぼっちという多くの人の共感を得られるキャラ設定も秀逸です。
そういった巧みさは凄く感じるのですが、やはり私の心引き寄せられるものが無かったのも事実です。
なので、結局どうしてこの作品がここまで人気になったのか、その理由もよくわからないままなのです。
他のヒットした作品はそれなりに要素を拾えるのですが、それに比べて「ぼっち・ざ・ろっく!」は明確な理由が思い付かないのです。
なので、鑑賞後の満足度はそれ程でもなかったのです。
或いはこの作品の解説を読んだり、感想を見れば認識も変わるかもしれません。
ただ、そこまで深読みしようという気も起こっていないですね。

主人公のボッチという感覚は共感しなくもないです。
彼女ほど過剰な反応ではないですが、同じように感じることは確かにあります。
私自身、完全にボッチという訳でもないですが、学校での交友関係は少なかったです。
なので、彼女の葛藤というのもわからないわけではありませんが、それ程響くものでもなかったですし、ギャグとしても今一つ笑えないのです。
ですが、多くの観客にとって彼女に対する共感や、ギャグが受けたからこそヒットしたのは確かなのでしょう。
そう考えると、今の時代の交友関係というものが大きく変化しているのかもしれません。
また、聞いた話ですが女性の方が友達関係がより難しいそうです。
しかし、本作のファンは主に男性に占められるようですし、その辺りもよくわからないのです。
因みに私の見た劇場では観客の男女比は男性100%でした。
レイトショーで人が少なかったのは確かですが、アニメ作品ではよく見るカップル客が一組も居なかった辺り、この作品の特徴を示しているようでもありました。
恐らく、この一文で苦笑いすること自体がこの作品の笑いの本質と同じとも言えるのでしょう。

もう一つわかったのは、確実に今という時代だからこそ描ける作品でありながら、本質の部分は普遍的な人間関係を描いている点です。

ぼっちであった彼女が最終的に四人の友達が出来る訳で、最早ぼっちではないのです。

コミュ障というのも、最早身体的特徴と同じくらい些細な問題であり、所謂キャラクター性でしかありません。

こういった外面やキャラ性などの特徴を抜きにして本筋を追えば、根本にあるのは普遍的な人間関係です。
寧ろ、その辺りが極めて定番でもあるからこそ、安定性が生まれているのかもしれません。
とはいえ、私自身はこの作品を捕らえ切れていないので、私が思っている以上の深い要素があるのかもしれません。
或いは、その深層まで私の考察が至れば、この作品に対する見方も変わるのかもしれません。

本作は総集編の前編ということで、アマゾンプライムで調べたのですが、8話まで描いています。
全12話なので残りは4話になるのですが、割合で言うなら前編の半分になります。
なので、明らかに尺が足りないと思うのですが、どうなるのでしょうか?
追加のエピソードが入るのかと思いますが、どう構成するのかは気になります。
前編は一つのテーマとしてちゃんと纏まっていたと思うのですが、後編もちゃんと纏まるのかは注目しています。
ただ、今も特にアマゾンプライムで残りを見ようという気にはなっていません。
それくらい、私にとってはテンションの上がらない作品ではあります。
決して悪い作品だとは思わないし、駄目な箇所があるとも思っていません。
ただ、方向性の違いでハマれないということもあるのです。
しかし、もしかしたら後半で作品の良さに気付いて大好きになる可能性もあるとは思います。
そんなことを後編に期待していたりもするのです。