観光地に行くと博物館があって、そこで映像作品を上映していたりします。
中にはドラマ仕立てのものがあったりして、なかなか楽しめるものもあったりします。
本作はそういった目的を持って作られた映像作品の豪華版のように感じました。
なので、一本の映画として観ると物足りなさを感じるものの、学校紹介映像として観ればそれなりに楽しめたという感想です。
また、出演者が豪華で佐々木蔵之介さんに、内藤剛志さん、真木よう子さん、カメオで柄本明さんという豪華な顔ぶれで見応えがあります。
そういう意味で私は結構満足出来ました。
勿論、色々とツッコミ所はあるのですが、そもそもの作りの根本が違うので、言うのも詮無きことだと思っています。
なので、緩い視線で観るのに丁度良い作品といったところかと思っています。

また、テーマとしても非常に明快で判りやすく、そういう所も万人向けではあります。
実際、漢方も現代医学でも使われていますし、私もよく処方されています。
最初は対立していた二人の医者が最後は和解する展開は想定通りとして、夷狄として蘭方医を誅殺しにきた新選組も最後は理解を示します。
この辺が本作の最も主張したい事柄だったのでしょう。
また、この時代の流れの速さに翻弄される人々の姿は現代に通じるものがあります。
漢方医よりも蘭方医が優位になり、多くの患者に感謝されるようになったが、その後新たな医療知識に追い抜かれます。
それこそ科学技術が人の経験を追い越してしまう現象で、幕末から現代までずっと続いているように思えるのです。
また、作中にチフス感染との戦いが描かれていますが、正にコロナの苦労を思い出しました。
この時代も誤った情報や無知であるが故に失われた命もあったのは間違いありません。
では情報が豊富で正確な知識も得られる状態の現代人が正しく行動出来た訳ではありません。
多くの流言蜚語が広がり、その結果失われた命もありました。
それこそ理屈よりも情動が勝ってしまうのは、人の悲しい性なのかもしれません。

本作では特筆すべき一つの事柄があります。
それはメインテーマで、非常に印象深い曲になっています。
傑作の名曲とまではいきませんが、この曲が耳に残った観客は多かったのではないでしょうか。
その理由というのは割と明白で、圧倒的に違和感がある曲なのです。
この映画はジャンルとしては時代劇になるかと思いますが、大凡時代劇では使われない曲調です。
これは明らかな狙いがあって、フランス映画を思わせる曲調にしたのは蘭方、つまりはヨーロッパの知識が日本に影響を及したことを示しているのでしょう。
また、この違和感こそ当時の人々の印象に近いのかもしれません。
最初は違和感があるが、聴き続けると違和感がなくなり次第に良さもわかってくる。
それを制作側が意図したかはわかりませんが、個人的にはそのように感じたのは確かなのです。
また、時代劇という長年変わらずに続いているフォーマットに、新たな変化を齎すのは良い事です。
それこそ、医学が時代と共に進歩していったのと同様、時代劇もまた変化の時代を待ち望んでいるのです。

■今週のコメダ
トーストハムサンドですが、圧倒的トースト派です。
また四つ切りの方が圧倒的に食べ易いので四つ切り派になりました。

因みにモーニングも食べていて朝食兼昼食になっております。

ゴールデンウィーク企画として、2025年日米アカデミー賞アニメ部門対決を実施します。
アメリカのアカデミー賞と日本アカデミー賞の両方のノミネート作10本を対象に個人的にランキングします
ランキングは大項目4つ、それぞれに小項目3つの全12項目で付けて行きます。
各順位を1ポイントとし、その合計ポイント12~120が各作品に割り振ります。
それにより、日米のアカデミー賞アニメ部門10作品のランキングを完成するという企画です。
尚、いくつかの作品は劇場ではなくサブスクで観たものがあります。
それらの作品は感想を書いていませんので寸評のみ書かせて頂きます。
この企画は最近アニメ映画を観る機会が凄く増えたので今回やってみようと思い付いた次第。
例年なら半分以上観ていないこともあるので、なかなか珍しい機会なのでやってみることにしました。
また、日米両方の作品で比較することで見えてくるものもあるかもしれません。
そんなことを期待しながらの企画でもあります。

■対象作品
一覧に記載するタイトル名はそれぞれの「略称:~」で記載された文言を使用します。

1、日本アカデミー賞

劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来
 略称:鬼滅

 

劇場版「チェンソーマン レゼ篇」
 略称:レゼ

 

ひゃくえむ。
 略称:ひゃく

 

ペリリュー -楽園のゲルニカ-
 略称:ペリ

 

名探偵コナン 隻眼の残像
 略称:コナン


2、アメリカアカデミー賞

ARCO/アルコ
 略称:アルコ

 

星つなぎのエリオ
 略称:エリオ

 

KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ
 略称:ガールズ

 

アメリと雨の物語
 略称:アメリ

 

ズートピア2
 略称:ズー2


■サブスク寸評

名探偵コナン 隻眼の残像
 今年度の作品よりはクオリティは各段に高いですが、やはり豪華なテレビ特番の域は越えていない印象です。
 

星つなぎのエリオ
 不評となった理由が色々とわかりました。エリオの罪に対しあまりに都合の良い展開なのは納得いきません。
 

KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ
 残念ながらこの映画の価値を理解出来なかったというのが本音です。ファン目線でないと楽しめないのかもしれません。
 

ズートピア2
 見る前から予想していた通りの出来の良さで、寧ろ作品賞を受賞しなかったのは不思議な程でした。

■評価基準

評価基準は以下の通り。それぞれで1位から10位まで割り振ります。

1、映像部門
 ①芸術性
  アニメーションとしての芸術性を評価
 ②美術性
  背景、建物等、静止物の美術性を評価
 ③動画力
  映像、キャラクター等の動きを評価

2、脚本部門
 ①物語性
  物語や台詞などのクオリティを評価
 ②メッセージ性
  作品のメッセージ性を評価
 ③普遍性
  時代を経ても変わらぬ普遍性を評価

3、音響部門
 ①楽曲
  OP、ED、作中曲、BGMを評価
 ②声優演技力
  声優の演技力、キャスティングを評価
 ③効果音
  背景音、爆発音等、音響の効果を評価

4、役者部門
 ①キャラクター性
  キャラクターの個性や魅力を評価
 ②デザイン性
  キャラクターのデザインを評価
 ③親和性 
  キャラクターに対する親近感を評価

1、映像部門
 ①芸術性
  アニメーションとしての芸術性を評価
 ②美術性
  背景、建物等、静止物の美術性を評価
 ③動画力 
  映像、キャラクター等の動きを評価

2、脚本部門
 ①物語性
  物語や台詞などのクオリティを評価
 ②メッセージ性
  作品のメッセージ性を評価
 ③普遍性
  時代を経ても変わらぬ普遍性を評価

3、音響部門
 ①楽曲
  OP、ED、作中曲、BGMを評価
 ②声優演技力
  声優の演技力、キャスティングを評価
 ③効果音
  背景音、爆発音等、音響の効果を評価

4、人物部門
 ①キャラクター性
  キャラクターの個性や魅力を評価
 ②デザイン性
  キャラクターのデザインを評価
 ③親和性 
  キャラクターに対する親近感を評価

■各順位

1、映像部門
 ①芸術性

 1位     2位     3位  4位  5位    6位    7位   8位      9位      10位
 アメリ ひゃく レゼ  鬼滅  ズー2 ペリ  アルコ エリオ ガール コナン

芸術という観点でアメリが頭一つ抜けており、本来のアニメの力を示しているのです。
ひゃくの走るという一点に特化した描写の素晴らしく正に芸術です。
レゼの芸術性はプールなど戦闘以外の描写にあり、静と動の描写の使い分けが見事。
ガールは動きにぎこちなさがあるのと、子供向けな描写がマイナスになっています。
コナンは最早定番になっていて芸術性は不要な要素になっているのでしょう。

 ②美術性
 1位   2位    3位      4位  5位    6位    7位   8位      9位      10位
 鬼滅  ズー2 アメリ レゼ  アルコ ひゃく ペリ  エリオ ガール コナン

 鬼滅の無限城の圧倒的な描写は唯一無二の美しさがあると言って良いでしょう。
 ズー2の街並みの作り込みの凄さは物凄いものがあり圧倒されます。
 アメリの心的描写の表現や、日本の風景描写など見事に描かれています。
 レゼの美術は前シリーズから大きく変えて成功している点が評価ポイントです。
 アルコの背景描写は美しく、同時に虹の描き方もユニークなのが高評価の理由です。

 ③動画力
 1位  2位     3位    4位    5位      6位    7位     8位     9位   10位
 鬼滅  ひゃく レゼ  アメリ ズー2 アルコ コナン ガール ペリ  エリオ

 鬼滅の他の追随を許さない戦闘シーンは観客の心を掴んでしまう力があります。
 ひゃくの走る描写をここまで追求したアニメは他には無かったでしょう。
 レゼの戦闘シーンはテレビシリーズとは全く違う方向性で大正解になっています。
 ペリは動画としての評価出来る個所が少ないですが、それも作品の質故でしょう。
 エリオの動きは意外性がなく、観ていてもわくわく感がないのが残念でした。

2、脚本部門
 ①物語性

 1位   2位      3位   4位  5位    6位   7位     8位      9位      10位
 ひゃく アメリ レゼ  ペリ  ズー2 鬼滅  アルコ コナン ガール エリオ

 ひゃくの物語の奥深さは完全に大人向けでありアニメの枠を越えて傑作です。
 アメリの神としての立場から人へと成長する描写が実に素晴らしい。
 レゼは一見アクション作品ですが、中身は私小説に近い文学性の高さがあります。
 ガールは主人公が向き直る理由の薄さにあり、もっと深掘って欲しかったです。
 エリオは全体を通して問題が多く、改変前はもっと酷かったのかもしれません。

 ②メッセージ性
 1位   2位     3位    4位     5位    6位   7位  8位      9位     10位
 ひゃく ズー2 ペリ  アメリ アルコ 鬼滅  レゼ  エリオ ガール コナン

 ひゃくは受け取るものが多く、且つ我々の現実に直接繋がる内容が含まれています。
 ズー2は冒頭で皆に認めて貰うという目標が後半で逆転する点で、心に響きます。
 ペリの正義の行い方の難しさが描かれ、それ故に軽々しく扱えないとわかります。
 アルコは子供時代の失敗から何を学ぶかを考え、家族の大事さを再認識しました。
 コナンの犯人の主張と手段が的外れで、もう少し改善出来る余地がありました。

 ③普遍性
 1位  2位   3位   4位  5位   6位   7位  8位   9位   10位
 アメリ ひゃく ペリ  ズー2 鬼滅  アルコ レゼ  コナン エリオ ガール

 アメリはこの先何年経っても変わらずに作品を受け止めることが出来ると思います。
 ペリは寧ろ戦争という背景を抜きに語られる作品になって欲しいですね。
 鬼滅は長く観られる作品ですが、時代を経ると色褪せる可能性もあると思います。
 エリオは昨今の潮流を抜きに語れない作品になっているのではないでしょうか。
 ガールは今の時代の流行に乗った作品で、時代という流れには弱い面があるのです。

3、音響部門
 ①楽曲

 1位  2位    3位   4位     5位   6位    7位      8位      9位     10位
 レゼ  ガール ズー2 ペリ  鬼滅  コナン アメリ エリオ アルコ ひゃく

 レゼのOP、作中、ED、更にロシア歌曲など全てが唯一無二の傑作ばかりです。
 ガールの歌曲と共のアクションは面白く、リズムゲームをプレイしているようです。
 ズー2の作中曲、EDは実に明るく大団円に相応しいものになっています。
 ペリのエンディング曲は凄く心に染みるものになっていて、余韻が残りました。
 鬼滅の曲もテレビシリーズならもっと認知度が上がったことでしょう。

 ②声優演技力
 1位  2位    3位      4位  5位      6位     7位     8位   9位     10位
 レゼ  アメリ ひゃく 鬼滅  ズー2 コナン ガール ペリ  エリオ アルコ

 レゼは上田麗奈の演技により完成したと言っても良い程に素晴らしいものでした。
 アメリは字幕での鑑賞でしたが、アメリの演技の自然さには驚かされました。
 ひゃくはベテラン声優の凄さが伝わる演技が多く、声の演技でも圧倒されました。
 エリオの子供の声自体は正しいですが、それが不快に感じる原因のもなっています。
 アルコはやはり主人公二人の演技は残念で子役の難しさを感じます。

 ③効果音
 1位  2位   3位    4位      5位     6位      7位    8位   9位     10位
 鬼滅  レゼ  ズー2 ガール アメリ ひゃく コナン ペリ  エリオ アルコ

 鬼滅は全編戦闘の連続で、終始手に汗握るシーンの音響は素晴らしいです。
 レゼの静と動の両方の効果が生きているのが素晴らしく、聞き入ってすまいます。
 ズー2は派手な活劇シーンがあり、そこでの音響は臨場感があり引き込まれました。
 ガールのコンサートの盛り上がりは正に本作の売りでもあるライブ感がありました。
 アルコは世界観に対し臨場感が足りていないのは音響の問題かもしれません。

4、人物部門
 ①キャラクター性

 1位     2位   3位    4位  5位      6位     7位  8位      9位     10位
 アメリ レゼ  ズー2 鬼滅  ひゃく アルコ ペリ  ガール コナン エリオ

 アメリの神として居るという辺りは凄くユーモアがあって良いのです。
 レゼが世界に及ぼした影響は絶大なものがあり、今後も心に残り続けるでしょう。
 ズー2の告白で観客がもう付き合っちゃえよ、と言いたくなったに違いありません。
 コナンは全キャラがフォーマットの上で作られているにで、目新しさが皆無ですね。
 エリオは残念ながらエリオに対する不快感が最後まで拭えませんでした。

 ②デザイン性
 1位  2位    3位      4位   5位  6位     7位      8位     9位      10位
 レゼ  アメリ ズー2 ペリ  鬼滅  ガール アルコ ひゃく コナン エリオ

 レゼのデザインは人物だけでなく悪魔のデザインも含め意味がある点が秀逸です。
 アメリの愛らしさは万国に通じるものになっているという辺りが凄いと思うのです。
 ズー2は擬人化故の個性が上手く表現されているからこそ入り込み易さがあります。
 ペリはデザインがデフォルメされているからこそ生きて来る場面が結構ありました。
 鬼滅は猗窩座の過去が主軸となっているからこそ彼のデザインは凄く大事ですね。

 ③親和性 
 1位     2位    3位   4位  5位      6位    7位   8位    9位       10位
 ズー2 アメリ レゼ  鬼滅  アルコ ガール ペリ  コナン ひゃく エリオ

 ズー2の二人の主人公を誰しも応援してしまうくらい魅力的なバディだと思います。
 アメリは結構手のかかる子ですが凄く親近感を覚えるキャラなのが見事です。
 レゼの最後に誰しも同情し、二人の幸せな未来を願ってしまう辺りが凄いのです。
 鬼滅の鬼達は過去がある場合が多いですが、特に猗窩座の過去は胸を打たれますね。
 アルコは脇役が魅力的で三人組やミッキーなど主人公以上に親近感を覚えるのです。

■総合順位


1位:34PT

 アメリと雨の物語
2位:37PT
 チェンソーマン レゼ篇

3位:41PT

 ズートピア2

4位:46PT

 鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来

5位:55PT

 ひゃくえむ。

6位:70PT

 ペリリュー -楽園のゲルニカ-
7位:84PT

 ARCO/アルコ
8位:86PT
 KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ
9位:98PT

 名探偵コナン 隻眼の残像
10位:109PT

 星つなぎのエリオ

■総評
今回、思い付きで始めた企画ですが、結構納得のいく結果となりました。
予想外だったのはアメリが一位になったことですね。
しかし、この結果となり改めてこの作品を評価することになりました。
勿論これは私個人のランキングであって、世間評と食い違うのは当然のことです。
なので、日本アカデミー賞が鬼滅となったことには納得しています。
逆にアメリカのアカデミー賞でズートピア2が選ばれなかったのは不思議です。
アメリが選ばれたら見る目があるという感じでしたが、両方とも選ばれなかったのは意外という感じがします。
これについてはサイトや多くの映画評、感想などを読んで考えてみたいです。
そこから自分とは違う価値観というものを知ることも有意義なことですから。
また、この結果に納得のいかない方もいらっしゃるかと思いますが、何卒ご容赦下さいませ。
逆に別の視点などあれば教えて頂きたいくらいですね。
その意見によって今回の結果を変えることはないですが、今後の観点に活かしていきたいものです。

全国で唯一の“酒蔵”を改装した映画館、深谷シネマに行ってきました。
GWの軽い観光がてらという感じです。
また、本作を観た理由は明日明かす予定です。

見た目は正に酒蔵という作りで、映画館とはわかりません。

 

受付はこんな感じで如何にも映画好きが好む映画館という趣。

 

所狭しと映画関連のチラシやらポスターなどがあります。

 

待ち合わせ場所も雰囲気があって良い感じでしたね。


太平洋戦争の映画は数多くあり、私も数多く観てきました。
しかし、あまりに多く作られているのにも変わらず、戦後歴史観に根ざしたものばかりであることは否めません。
それ故に個人的に戦争作品に対して観る意義を失っていたのは確かです。
また戦争の悲劇を描く裏で、現実の戦争に対する現実的な思考が育つかが疑問なのです。
それこそ今は現実の戦争を受け止めることが必要になっています。
映画に於いて戦争の悲劇を描くのは構わないが、同時にそれを回避する現実的な視線も必要なのです。
それが今の私達に大きく欠けている観点であり、致命的な問題であると思うのです。
そういった考えがあったので元々本作を観る気にはなれなかったというのが本音です。
私がこの映画を観て考えたのはウクライナ戦争です。
この映画で描かれた事が、今正に起きているのが現実です。
死傷者数でいえば第二次大戦を上回る数にもなっているのです。
それを我々と全く無関係と考えてしまうには無理があります。
そして台湾侵攻という危機が目前に迫っています。
そういった現実にどう向き合うか、正に我々に突き付けられた間近の問題なのです。

本作を観て思ったのはキャラクターデザインによって描写をマイルドにすることが出来ているという点です。
本作も戦争の地獄が描かれていますが、グロテスクさは軽減されています。
同じ時代を描いた「ほたるの墓」での描写でトラウマを植え付けられた人も多いでしょう。
それに比べれば、かなり視覚的な負担は小さいと感じました。
同様にキャラクターデザインがデフォルメされていながら惨酷描写がある作品として「メイドインアビス」があります。
その描写はキャラクターデザインが故に寧ろ強烈な印象が残ります。
それこそ皮膚の裏側にあるものから目を背けない姿勢です。
それに比べても、本作はソフトなものになっていると感じます。
ですが、それが本作のマイナスになっているかというとそうではなく、映像面でなく物語面での悲劇を深く知ることが出来たと思うのです。
特に本作の悲劇は終戦を巡っての仲間同士の対立です。
それこそ同胞の絆故に負ける訳にはいかないという考えも無理からぬことです。
それを「クレイジー」の一言で済ませる訳にはいきません。
結果、撃つ方も撃たれた方も救われなかったことこそが真に地獄であったのでしょう。

この類の映画を観て、良くある感想は愚かな選択を二度と繰り返さないというものですが、果たしてそうでしょうか。
彼等が何年も持久戦を続けたことは愚かでしょうか?
私には純粋に彼等は凄いことを成し遂げていると思いました。
だから、彼等の行動を愚かと切り捨てるのは違うと思うのです。
少なくとも私があの場にいて、彼等より賢く立ち振る舞うことなど出来る気がしません。
また命をかけて真実を知ろうとする勇気もないでしょう。
あの状況では周囲に合わせて自ら動くことなど出来るとは思えません。
だから最後に二人を止めにいった彼等を愚かとは言えるはずもないのです。
また大きな視点で太平洋戦争がどういった理由で起きたのかを我々は正しく理解しているでしょうか?
寧ろあの戦争をただ愚かな者達の暴走として片付けることで済むのでしょうか?
あの時代の人々の置かれた状況と判断を知らずして、無理解のまま批判だけすることは寧ろ危険に思うのです。
だからこそ、何を誤ったのかを深く知るすることも大事なのです。
その失敗から学んで次に活かす以外に手はありません。
その為にももっと現実的な視点で戦争というものを捉える必要があると思うのです。
そう考えると今の我々の平和に対する見方も足りていないように思えるのです。
私は具体性のない「平和」という言葉にこそ、大きな危険を感じてしまうのです。

■今週のコメダ

フィレオフィッシュも久しぶりという感じです。
出来立てだったので、バーガーを持った手が熱くなって大変でした。
ある意味、一番無理なく食べられるのはこの辺りまでですね。



スティーブン・キング原作の映画は数多くあり、私も結構観てきました。
ホラーであれ、ドラマであれ数々の傑作を生み出してきた巨匠であることは疑いようがありません。
その上で本作は彼の過去作に比べて大きく異なる作品になっているのが意外でした。
彼の作品はどれも判りやすく、だからこそ心に響くものになるのです。
そんな過去作に比べ、本作は解釈が必要な作品になっています。
それは映画としての不備ではなく、明らかに意図的な作りでこうなっているのです。
ある程度、説明はされますがそれでも他の作品に比べれば不明点が多く残されています。
なので、それをどう受け止めるかが本作の評価の別れ目でしょう。
その上で私自身はどうだったのかと言うと、理解はしたけれど納得はしないという微妙な結果でした。
あともう一歩か二歩踏み込んでくれれば良かったというのが素直な感想です。
謎を残したままでも傑作となる映画はあります。
しかし、それは凄く難しいものですし、同時に理解出来るかで観客を選別します。
私は解釈の余地のある映画は結構すきですが、一般的には評価が下がるのも仕方がありません。
ですが、純粋に好きか嫌いかという基準で判断すると、私はこの映画は結構気に入っているのです。

本作の好きな部分は、実感の籠もった言葉が多かったことです。
例えば、祖父が数学について語る内容は正に真理を語っていました。
こういう教えこそ、今の時代に必要なもので、本作から学べる部分が沢山あります。
また、本作は多くの先生が登場しますが、彼等の教えが本作に於いて結構主軸になっているのも面白い点です。
チャックが世界を知るきっかけを作ったのは多くの教師です。
これこそスティーブン・キングの書きたいことであったように思うのです。
そして、人生を全うするチャックに対する感謝の気持ちというのはチャック個人というより全世界の人々に対する感謝なのではないかと思うのです。
実際、本作でチャックは世界を救った訳でもなく、多くの人を救った訳でもありません。
滅んだのはチャックの中の世界であって、現実の世界が滅んだ訳ではないのでしょう。
無論、そう解釈したのは私自身であり、それ以外の解釈を否定する気はありません。
こういった解釈の余地を残した作品である以上、解釈は観客に委ねられます。
なので、そこで受け止めるものが千差万別であって良いのですが、作中で語られた真理については否定出来ないものです。
そういう意味で凄く受け取るものが多い作品になっているのは確かなのです。

私の妄想混じりで言うならば、この宇宙こそ作家スティーブン・キングの作り出した宇宙そのもののように感じたのです。
それこそ、彼の死によって失われる宇宙は膨大な数になるのではと思うのです。
それはシミュレーション仮説にまで相通じる思考だと思えるのです。
本作で未来を知ることとなったことで彼の宇宙の人達が終末を経験したというのが普通の解釈でしょう。
その上で世界の終末を描いたのは、正に現代の我々が終末を目前にしているからなのではないでしょうか。
世界的な規模での自然災害も決して夢物語ではない状況になっています。
その上で現状に対する不満という形で描かれているのだと思えるのです。
今や世界的な危機はより深刻なものになっています。
しかし、それすら己の利益のために利用しているのが今の世です。
それこそ、絶望にも似た感覚が一人の作家に充満しているように思えたのです。
そういった現代に対する不透明さを含めたからこそ、本作を解釈する作品にしたのではないでしょうか。
逆に本作は観客に思考を巡らせることを期待したからこそこの作りになったのではないかと思ったのです。
それこそ巨匠ならではの遺言のようにも思えたのです。

■今週のコメダ
久しぶりのあみ焼きチキンホットサンド。
多少学習したので、半分をテイクアウトしました。
それをお昼に頂いて丁度良かったですね。

 

先ず感じたのはジブリらしさのある映画なのは確かです。
特に背景美術に於いては共通する美しさを感じました。
これはリスペクトというより、もう既にジブリ作品が世界に広まり一つのスタンダードになっているからかもしれません。
既に作り手にとってジブリ作品が身近なものになっている可能性があります。
なので、本作をジブリの亜種と言う気にはなれません。
その上で本作のジブリにはない強い軸があると思いました。
それは主人公二人の描き方で、二人は幼さ故の過ちを犯すのです。
そして、その代償を支払うのは彼ら自身ではなく、彼等の家族なのです。
これはとても大きな違いですし、それこそが本作の肝だと思うのです。
主人公のアルコも、ヒロインのイリスも子供らしい未熟さがあります。
それを受け止められない観客が居るとは思いますが、私は自身の子供時代を思い返し決して彼等を責められないと思えたのです。
私自身、子供の頃の未熟さ故に愚かなことをして親に迷惑をかけたことがあります。
それが運悪く大事になってしまったかもしれません。
アルコもイリスもそれこそ最悪の結果になってしまったと言えます。
子供の主役の作品は往々にしてハッピーエンドに至りますが、本作は都合の良い結末に至りません。
彼等は生涯彼等のしたことを背負って生きることでしょう。
しかし、そうであるが故に二人は子供を卒業し一人前に成長したに違いないのです。

本作は家族の絆を描いた物語でもあります。
アルコの家族、イリスの家族、それぞれに大きな事が起こります。
その上で何と言っても重要なのはミッキーの存在でしょう。
彼はロボットでありますが、間違いなくイリスの家族です。
彼が終盤で正に命懸けでイリス達を救う姿は間違いなく家族の絆だったのです。
その強い絆故に彼の最後の行動に涙を誘います。
それは彼の切なる願いであるように見えたのです。
そしてその行為が結末に大きく関わるという構成は実に見事に思えました。
面白いことに、ミッキーの声優が本国では男性と女性二役なのに対し、日本語吹替版では男性、梶裕貴さん一人が演じています。
これは字幕版を観なければ完全な判断は出来ませんが、特に一人でも違和感は無かったです。
逆に男性の声で統一した方が良いという判断だったのかもしれません。
何にせよ本作ではミッキーは一番魅力的なキャラクターでありました。
更に怪し過ぎる三人組も凄く親近感の沸く登場人物でした。
彼等は世間からも怪しまれ続けた人生を歩んできましたが、これは制作側の実感があるのではないでしょうか?
彼等はレッテル貼りに苦しんだ人生を歩んできました。
しかし、それ故に彼等が正しい物の見方をして生きてきたのです。
特に少年に恋愛のアドバイスをする所が本当に素晴らしく、この台詞を言えることに私は感服しました。
本作の評価すべき所は正に人間のことをどう描くかであり、SF的な要素は舞台セットに過ぎないのです。

本作の評価をいくつか読んで気になったのは本作のデザインについての感想です。
昨今、日本アニメが世界に広まり、日本アニメこそスタンダードと感じている人もいることでしょう。
しかし、それは大きな過ちであり、そのような観点を持ち続ければ直ぐに日本アニメも衰退するでしょう。
私は本作のデザインもキャラクター性の素晴らしいものがあり、心底感動できました。
特にあのレインボーサングラスは最高ですね。
三人組の70年代風?の服装、怪しげなアイテム等々、本当に見事だと思いました。
このように素晴らしい要素が沢山あるのに、それを狭い視野で判断するには本当に勿体無いことです。
そういった狭量さは偏見へと繋がる危険性があります。
だからこそ、多種多様な世界の作品を観ることに意味があるのです。
それはお題目で掲げる多様性ではなく、世界を観る視野を広げることです。
それこそ、どんな作品も一切の前提を抜きに作品そのもので感じることが大事なのでしょう。
何より、そうした方が映画を楽しめる機会が増えるのは確かです。

■今週のコメダ
珍しくミニコメバスケットを注文しました。
ミニと言いつつモーニングと一緒だと丁度良いくらいでしたね。
なので昼食がいらなくなるくらいではありました。


前作のラストから次回作が待ち遠しかった本作ですが、個人的には大満足の映画でした。
これこそ映画の面白さを追求した作品であって、予想以上の感動がありました。
あまりの素晴らしさに、知らずのうちに涙が流れていました。
決して泣くような映画ではないのはわかっているのですが、正に感無量といった感じです。
しかし私はマリオやポケモンなど任天堂ゲームをゲーム機でプレイしたことがありません。
ポケモンGOのアプリだけインストールしましたが、殆ど歩数計となっています。
なので、マリオのゲーム知識はプレイ動画のみになります。
それくらいゲームには一切思い入れがないにですが、溢れ出るゲーム愛、そして映画の素晴らしさに圧倒されて感動したのです。
それこそ見事なゲームプレイに感動するのに近いかもしれません。
そして一番感動したのは終盤のマリオとピーチの協力プレイです。
正にゲームのクッパ城での決戦が描かれ、二人の絆が深まったのが良かった。
しっかりとラストでクッパとの対決の原作再演がされていたのも嬉しいです。
また、ヨッシーにスターフォックスの活躍も素晴らしく、ゲームをプレイした人には堪らないものがあったことでしょう。
ここが本作の素晴らしい所で、ゲームのプレイ経験が映画と共に思い出されるのです。
つまり、ゲームで得られた感動が相乗効果で得られる仕組みになっているのです。
ジュニアが操作する画面が初代の画面そのものである所など、本当にツボを心得ています。
こういう所がこの映画の評価すべきポイントであって、小難しい理屈など感動の前には無価値なのです。

このシリーズで特筆すべきはピーチ姫とクッパ大王です。
謂わばマリオを加えての三角関係というのが面白い。
今回、ピーチ姫もクッパ大王も家族が関わってきます。
前作はマリオとルイージという家族の物語でしたが、今回はピーチ姫とクッパ家の物語でした。
ピーチ姫の伏線は前作からあり、それが今回回収されます。
特にピーチ姫は原作とは大きく違うキャラクターになっています。
最初にロゼッタがピーチの物語を語りますが、彼女を「 勇敢」と称します。
これは最初のマリオのピーチ姫とは大きく異なります。
それは時代の変化と無関係ではありません。
その上で本作のピーチ姫の描かれ方は見事だと思うのです。
中盤で苛立ちを隠さない彼女の姿に驚きましたが、そこに人間味を感じました。
また、そんなピーチに対するマリオの態度が毎回素晴らしいのです。
彼のピーチに対する接し方は本当に正解を選んでいると感じます。
だからこそ、この二人の恋路を応援したくなるのです。
同時に今回のクッパ大王も最高でした。

何と言ってもジュニアとの親子関係が最高でしたね。

ジュニアも父王の為に突き進むブレの無さは魅力的でした。

クッパは中盤でマリオ達和解した後に家族の情で大魔王に戻る辺りも実に楽しい。
これこそ、我々が長年楽しんできた正義の味方と悪の親玉の関係です。
それはドラゴンボールのピッコロやベジータと同じなのです。
そして今回も散々な目に遭いましたが、次回もしっかりと復活してマリオと対決して欲しいですね。

エンドロール後には次回作のキーキャラクターが登場し、早くも次回作が待ち遠しくなりました。
それからスターフォックスの新作が発表されそうな予感がしています。
前作ではドンキーコングが登場し、新作ゲームが発表されました。
その流れで新作が来るのではと予想しています。
こういう所が任天堂の上手さだと思うのです。

また、本作の成功の最大の要因は任天堂がしっかりと手綱を握ったからでしょう。
今迄は映画制作側に丸投げで、その為に数々の失敗をしてきました。
また、実写版で痛い目を見たからこそ今作の成功があったとも思うのです。
その点こそ真に本作を評価すべき点であると思うのです。
これから日本のゲームが映像化されることが続くと思いますが、海外の制作の場合はしっかりとゲーム制作側が関係しないと成功しないと思います。
それこそ、映像化の失敗で元のゲームの評判まで落としては元も子もないですから。
なので、今後制作されるゲーム映画は過去の失敗からよくよく学んで素晴らしい映画にして頂きたいものです。

 

■今週のコメダ

ポケモンコラボの最後はフワンテのチーズボール。

既に販売終了している店もあるようで、間に合って良かったです。

今回は前回の反省を生かし、少し冷ましてからたべました。
それでもとろけるチーズが美味しかったです。

 

 

コナンシリーズは特に興味が無く、今迄一本くらいしか観ていません。
それも友人の付き合いだったので、何というタイトルだったか忘れてしまいました。
その程度の感心しかないシリーズですが、今回は友人に奢って貰ったので久しぶりに鑑賞することになりました。
なので、コナンについて完全に門外漢なので、誤った解釈もあるかもしれませんので、その点はご容赦下さい。
その上で本作はツッコミ所は満載だと思っています。
色々な部分でそうなのですが、それは所謂お約束というものなのでしょう。
なので、そういった粗に対し言及するのも野暮というものかもしれません。
それこそ時代劇のような定番だからこそ楽しめる要素というものでしょう。
しかし、驚くのはそれが国民的であるという点です。
毎年、この時期に公開して莫大な興行収入を叩き出しているのは本当に驚きます。
その大きな原動力はファミリー層に強いということでしょう。
本作も劇場内の家族連れの多さが印象的でした。
しかし、それだけでなく幅広い層の観客が居ることも凄いと感じました。
大抵、映画はターゲット層が絞られるものですが、コナンはどの層でも受け入れられる内容になっています。
そこがこのシリーズの大きな強味でもありますが、それ故の弱点もあると感じました。

一応、推理物のジャンルなのですが、謎解きについては特筆すべき所がなかったのが逆に意外でした。
恐らくこの人が犯人だろうというのが、登場段階で読めてしまったのは私だけではないでしょう。
それ以外の謎解きも正直微妙なものばかりに感じました。
これもまたシリーズでお馴染みなのかもしれません。
そんな常連観客ではない、ほぼ初見観客の純粋な感想として無駄な部分は省いて欲しかったですね。
特に無駄と感じたのは、子供達と蘭です。
お約束として登場しているのがかなり明白だったので、ほぼ不要な要素になっていました。
この辺もシリーズならではならば、弊害になっているのでしょう。
逆に登場しなかったらファンが怒るみたいな感じなのでしょうか?
そうだとしても観客に媚びずに作品を優先して欲しいというのが一観客としての要望です。
また本作は評価は低いようなので、他の作品はもっと面白いものがあるのでしょう。
とは言え、別にコナンの他の作品を観たいと思っていないというのが本音ではあります。

本作がもっと評価を高める為の手というのは色々あったと思います。
無論、きめ細やかな脚本作りというのは大事ですが、何より大事なのはメインテーマです。
本作のテーマは復讐ですが、そここそ深掘って欲しかったですね。
本作で浅葱と龍里が復讐のために行動を起こします。
ならば、千速も同じ立場に立たせるべきでした。
復讐が良くないと言うのは簡単ですが、それぞれの立場が乖離していたので言葉に説得力が無かったと思うのです。
更に言うなら、本作のサブタイトルは「堕天使」なのです。
つまり堕ちるということをメインにすることが出来たと思うのです。
千速は最初に「天使」に乗り、その後に「堕天使」に乗り換えます。
それこそ暗喩的に利用できる格好の要素なのに、活用しなかったのは本当に勿体ない。
やはり千速は龍里と同様に自身の復讐心と対峙して欲しかった。
復讐心は被害者を愛すればこそ強まるものでもあります。
千速の心の底から憎いと思う相手を目の前に出して、彼女に選択させても良かった気がします。
そして、堕ちかけた所から救い上げるのが亡き人の言葉だったりすれば結構奇麗ではないですかね。
などなど、利用できる要素がちゃんとあるのに、上手いこと使われていないのが凄く残念に思うのです
まあ、そういうシビアな展開に出来ないのもファミリームービーの悩みどころかもしれませんね。

■今週のコメダ

ポケモンコラボ第二弾の鶏タツタですが、正直甘く見てました。

バーガーなら余裕だろうと高を括っていたら凄くキツかった;;

凄く美味しかったけれど、二等分でテイクアウトが正解でしたね。

 

シェイクスピア自身を描いた映画と言えば「恋に落ちたシェイクスピア」ですが、ジャンルがロマンティックコメディですから、実に陽気な映画でした。
それに比べて本作は「ハムレット」を題材にしているだけあって、実に陰鬱で暗いものになっていました。
そして、描かれている内容も夫婦の泥沼の関係だったので、観ている側もなかなかに辛かったです。
結果、事前の期待が高かったせいもあり、期待外れという結果になりました。
この映画を評価する方も多いのはわかりますし、その評価も理解出来ます。
しかし、私はこの映画に対し退屈を感じてしまい欠伸が出てしまったのです。
それは映画全体を通した雰囲気のせいでもありますが、やはり登場人物に感情移入出来なかったからでもあります。
特に主人公のアグネスに対して、どうにも理解不能な所が多くて付いて行けませんでした。
実際には有名な悪妻あったそうですが、その史実はどうでもよいことです。
大事なのはこの映画でどう描かれているかなのです。
別に彼女中心の話であっても構わないのですが、彼女の言葉や行動がどうにも理解出来なかったのです。
逆にシェイクスピアが駄目な夫として描かれていますが、私には彼の問題がよくわかりません。
最愛の息子を失ったせいで夫婦仲が破綻するというのはよくある話です。
その悲しみのせいもあるでしょうが、私にはアマンダが凄く理不尽に見えたのです。
彼は彼の出来る限りを尽くしているようにしか見えず、責められる理由がわからなかったのです。
しかし、本作はどちらかと言えば彼女よりに描かれている感もあり、どう解釈して良いのか混乱しました。
これは純粋に私の理解力不足故であるのかもしれません。

逆に良かったと思えたのは「ハムレット」との因果についてです。
ハムネットを失ったからこそ生まれたのが「 ハムレット」なのだという点は納得がいきました。
そう考えると「 ハムレット」という作品自体が息子への追悼だったのでしょう。
ラストの上演シーンはそういった意味を重ねることで重層的な解釈が出来るのも良い点です。
その上で不可解なのはハムネットの死についてです。
本作はどうにもスピリチュアルな側面が多く含まれていますが、私はこの要素の必要性が判りません。
ハムネット自身の意思により父の言葉を守ったという意味なのは判ります。
しかし、それをファンタジーとして描く意図がわかりません。
それは「ハムレット」の亡霊との関係を示すためでしょうか?
また、アグネスの未来視もどんな意図があってのことか解釈出来ないのです。
この辺りのアンバランスさも冷めてしまう要因になってしまいました。

「ハムレット」は何回か観ていますし、「果てしなきスカーレット」を観た後に改めてサブスクで鑑賞しました。
そして今観ても十分に面白味を感じることの出来る傑作だと思います。
なので、その作品の背後に居たハムネットが居たというのは凄く重要なことだとわかりました。
その上で有体に言わせて貰えば、本作はシェイクスピア視点で描くべき作品だったと思います。
そしてアマンダはしっかりと悪妻として描くべきでした。
その方が絶対に「ハムレット」の理解度は深まったと思います。
少なくとも、アマンダとウィルは同じ解像度で描くべきでした。
しかし、本作は明らかにアマンダに比重が置かれているのです。
それこそが私が本作がどうにも納得のいかない部分なのです。
そこがポリコレ要素であるかは言及しませんが、それよりも私は作品にとっての最適な描き方を追求して欲しいだけなのです。
何より知りたいのは「ハムレット」を生み出したシェイクスピアの真相です。
無論、それは明らかにはなりませんが、説得力を持たせて納得のいく描き方は出来るはずです。
私が期待したのはそういう映画であり、その点からも本作は私にとってノイズの多い映画であったという結論なのです。

■今週のコメダ
ポケモンコラボの第二弾ということでシロノワールカスタードプリンです。
普段はミニで注文するのですが、久しぶりにレギュラーで注文。
期待通りの美味しさとボリューム感は丁度良かったですね。

 

全エンディングを見終わりましたので、ストーリー面を比率多めで感想を書いていきます。
プレイ時間は200Hかかりましたので、かなりの大作です。
でも実績コンプリートはしていません。
さすがにそこまでやる気にはなれなかったです。
結論から言うと、非常に楽しかったというのは間違いありません。
圧倒的に操作性がよく凄く遊びやすかったので、これだけの時間を楽しめました。
特にエネミーの属性を覚える必要が無くなったのは助かりました。
その上で戦略性は高いままなので、力押しでは勝てなかったですね。
相手の属性、弱点を調べてから戦力を整えて攻略していくのは純粋に楽しめました。
その上で二週目以降は強くてニューゲームが出来るので、楽に進めることが出来ました。
また、DLも使用したので、終盤はセーフティーモードで一気に進めたという感じです。
なので、これだけプレイしても飽きることは無かったですね。
結論、ゲーム的には文句無しに楽しめる傑作だったと思います。
その上でアトラスも公式で表明している通り完全版商法は完全な悪手です。
VVはダウンロードコンテンツとして配信すれば何一つ文句は出なかったでしょう。
なので、この点は今後のゲームには対応して欲しいですね。

■本作はオリジナル女性キャラが大幅追加なのも特徴ですね。

■まさかこの手のキャラが追加されるとは思っていなかった。

■でも、結構有能だったのでずっとパーティーメンバーでしたね。


ゲームとしては凄く良かったのですが、問題もあってストーリーは良くも悪くも女神転生の物語でした。
ベースの物語は最初から変わっていません。
世界を新たに作り直すか、全く違うものに作り変えるかの選択です。
その過程で友人を全員手にかけるというのも定番でしょう。
その殺伐とした展開はシリーズお馴染みでした。
本作も創世の女神編では男友達、復讐の女神編では女友達の選択になります。
正直、創世の女神編はどのエンドも同じという印象です。
復讐の女神編はロウルートでハッピーエンド、カオスルートでバッドエンドという感じです。
トゥルーエンドは現実エンドといったところでしょうか。
何にしても友人は全員死んで主人公が一人世界の行く末を見守るという、凄く孤独感のある結末を迎えます。
そこが女神転生らしさでもあり、プレイ後の満たされ無さもあったりします。
復讐の女神編のロウルートは全員居るように見えますが、これは女神の力で作られたものであり、そこに居た彼等は元の人物とは別なのでしょう。
カオスルートなどは、結構無茶なエンディングだと感じました。
ヨーコの受けた理不尽というのは、被支配者の苦しみを代弁するには弱いのです。
現実にはもっと理不尽で絶望的なことがあるので、世界を破壊する理由にするには間尺が合いません。
とは言え女神転生自体がそういう世界観で成り立っているので、そこを言及するのも野暮なのでしょう。

■明らかに聖闘士ネタなんだけど、銀河烈星拳はガチでした。

■女神転生といえばアリスが居ないと始まらない感ありますね。

■ヒロイン枠なんだけど、結構残念なキャラでもあります。



本作の大きな要素が世界の創世にあるのですが、その為に犠牲になった要素があると思います。
それはキャラクター性だと思っています。
女神転生はゲームとしては面白いのですが、メインキャラの魅力が薄いのです。
それよりも何倍も混沌としている悪魔が魅力的なのです。
そういう意味で、本作で一番魅力的なキャラはジョカでした。
八雲に対する一途な恋と、それが報われないことを承知で付き従う矛盾した彼女は実に魅力的でした。
その上で彼女が幸せな結末を迎えるエンディングは存在しません。
はっきり言ってしまえば世界がどうなるかなど、実の所大した問題ではないのです。
それよりも愛した存在の行く末がどうなるかが一番大事なのです。
世界系と呼ばれる作品は往々にして世界のことは声高に語りますが、その分個々人の日常の幸福については言葉が少ないものです。
それこそ王の視点に立つからであり、結果として極めて孤独な終わり方に感じるのです。
そこで思い出すのは「 ダンジョン飯」の王の在り方です。
この温度感の違いが決定的であり、万人を幸せに導いてくれるのは実は悪食王なのではないかと思えるのです。
 

■人形はフロムでお馴染みですが、悪魔にも似合いますな。

■所々、壊れている感じがするのが面白いデザインですね。

■声が田中敦子さんなので、凄く貴重に感じてしまいます。

 

■今週のコメダ
ピザトーストなら楽勝だろう、などと高を括っていましたが、驚きのボリュームでした。
朝食べて夕飯まで空腹感が一切無かったですからね。

卵ペーストが甘めなので、タバスコ多目で丁度良い感じです。

 

 

傑作であった前作に引き続きシリーズ第二弾ということで相当期待も高く、発売当日からプレイした訳ですが、結果的に非常に満足のいくゲームでした。
勿論気になる点もあったのですが、不満点を圧倒的に凌駕する中身に私は凄く満足しました。
このシリーズの最大の魅力は何と言ってもキャラクターの魅力です。
登場人物全員に命が通っているという印象があります。
特に台詞の軽快さが見事で、それだけで惹き込まれます。
そして抜群なのがユーモアセンスです。
実の所ユーモアというのは凄く難しいもので、それを上手く書ける人というのは結構少ないものです。
それにユーモアは使い続けると枯渇する側面もあります。
ギャグ漫画が10年が限界という説があるのも頷けます。
更に続編の場合、最初が成功しているとそれに引き摺られて低調になってしまうことがよくあります。
しかし、本作は全く魅力が陰ることなく描かれていると感じました。
そして、このシリーズは不思議なことに魅力的なおじさんが出るのが一つの特徴になっています。
本所七不思議の津詰徹生など、凄く魅力的なキャラが登場しました。
本作に於いては間違いなく、アヴィが存在感があり裏の主人公になっていました。
ちゃんと彼の物語としても完結しているのが実に面白いです。
また、動向しているキルケも素晴らしいキャラになっていました。
設定では前作登場の黒鈴ミヲとの関わりもあり、是非ともこの二人が出会う話が知りたいです。
本作は一つのエピソードとしては完結していますが、心霊対策室としての今後の展開も凄く楽しみです。

本作の素晴らしかった点は、本当に先の読めない展開が続いたという点です。
マルチエンドなので、バッドエンド、ノーマルエンドを迎えた後にトゥルーエンドへと至ります。
それが本当に意外な展開で、何度も驚かされました。
しかも、それぞれのエンドにしっかりと繋がりがあり、それが最後で明かされるという仕掛けになっています。
最初は何気なく飛ばしていた部分も振り返って見るとしっかりと意味があるのです。
これには本当に脱帽ものでした。
また、最初は前作同様のサスペンスものかと思っていたのですが、実はラブストーリーでもあったのが驚きでした。
最初のバッドエンドルートでは、その要素を完全に隠していたのも見事です。
表向きは島の危機を救うことが一番であって、それさえ解決すればハッピーエンドかと思っていました。
しかし、その裏で秘密裏に動いている人達が居たとは思いもよりませんでした。
また、サスペンス的な部分での謎解きも実に楽しかったです。
時に文字入力での問題もあり、正に本格推理になっていました。
それを解答するために手持ちの資料もかなり読み込みましたね。
また、パズルや素潜り漁など新しい要素が沢山あり、どれも実に良く出来ていて楽しめました。
それらの要素の全てがシナリオに深く関わっていて、凄くゲーム世界に没頭出来たのです。
それこそこのゲームのトータル的な強味になっていると思うのです。

最後に些細な不満点も挙げておきます。
それはトゥルーエンドへ至る謎解きは理不尽なものがあったという点です。
クリアした人ならわかると思いますが、あの謎解きは無茶だと思います。
なので、ノーマルエンドを迎えたら攻略見ても仕方が無いですね。
この辺は人によって意見も別れるかもしれませんが、私は自力では無理でした。
それこそ膨大に時間をかければ気付いたかもしれませんが、忙しい社会人だと厳しいものがあります。
なので、この手の謎解きは私は苦手ですね。
あと、ボリュームが本所七不思議に比べれば小さめです。
しかし、それは不満というよりもっと続きがみたいという気持ちが強いです。
また、製作のことを考えれば登場人物なども絞るのはありだと思います。
他にも冗長になってしまうとダレる危険もあります。
なので、本作はこの規模感で問題ないとは感じます。
それよりも、是非とも続編を早くリリースして欲しいですね。
そして、今迄に出てきたキャラも再登場して欲しいです。
前作キャラなら、ミヲ、リヒター辺りの次の活躍が楽しみです。
ということで、本作は完結しましたがシリーズはどんどん出て欲しいというのが結論となります。
もう感想というより要望になっていますね。

■今週のコメダ
珍しくホットドック頼んだのですが、野菜が炒めてあってボリューム感があります。
私は温野菜が好きなので、この方が嬉しい。
因みに出来立ては熱々なので猫舌の方はご注意を。