三年続いたニーアのソーシャルゲームの最終章が公開され、サービス終了まであと僅かとなりました。
私はソーシャルゲームを殆どプレイしないので、サービス開始から終了までプレイした唯一のゲームとなります。
それだけニーアシリーズというのは思い入れの深い作品でもあります。
遂に物語として完結した訳ですが、個人的には色々と思うところもあり、感想に纏めることにしました。
また、始めて全ストーリーをプレイしたソーシャルゲームとして、自分なりの考えも書こうかと思っています。

先ずはこのゲームの良かった点を挙げておきます。
それは第一に圧倒的なビジュアルです。
最初にゲームの舞台となるケージを見た時は心底感動しました。
ニーアの世界というのは、どこか退廃的で超然とした雰囲気があります。
ケージはそんな世界観をしっかりと感じさせるものでした。
更に音楽についても素晴らしく、正にニーアの世界にいると実感させてくれるものでした。
オートマタやレプリカントの音楽やキャラクターなども出てきて、シリーズをプレイした者には嬉しいものでした。
因みにニーアシリーズのゲームサントラは全て購入済で、リンカネの新譜も買う予定です。
また、キャラクターのデザインは実に見事なもので、全て3Dモデルにする辺り、気合いの入れ方が尋常ではないと思いました。
衣裳が沢山あるのも良い点で、それがプレイをするモチベーションに繋がりましたね。
三年間でこの量のデザインとモデルを作ったことは本当に凄いと思います。
更にメインシナリオは演出なども物凄いクオリティで、フルプライスゲームレベルのものを見られたと思います。
なので、本作の最大の魅力は圧倒的なビジュアルにあると思っています。
そのビジュアルで描かれるメインシナリオはどれも凄いものでした。
特に感動したのは10Hのエピソードでしたね。
やはりニーアに於いて、アンドロイドは重要なポジションにあると思います。
リンカネの全貌が明らかになる辺り展開も含めて、後半の盛り上がりは素晴らしかったです。
全体的にメインシナリオの出来は良く、ストーリーが更新されるのが常に楽しみでした。
そして、一本の物語として見た時、ケージや諸々の設定、伏線など納得のいく形で決着しており、かなり見応えのある内容でした。
恐らくメインシナリオは最初から骨格が出来上がった上で出来ていたので、三年という年月でちゃんと終わったというのもかなり計画通りだったように思います。
そういう意味では、このゲームがここで終わることに結構納得感があるのです。

次にメインとなるシナリオについて書いていきます。
やはり、リンカネは元となるニーアの物語から考える必要があります。
ニーアオートマタをプレイした人ならわかると思いますが、あのエンディングの後が気になってしょうがなくなると思います。
なので、このゲームをプレイすることで、2B達のその後の状況がわかるのかもと期待したのです。
一応、ゲーム以外の媒体で描かれてはいたりしますが、それが正史となるかはわかりません。
だからこそ、同じゲームという媒体で明かされることを望んでいました。
結果的には、その後の歴史は判明しました。
しかし、それはかなり意外でしたし、正直なところ結構哀しいものでした。
まさか、ここまで破滅的な未来になっているとは思いませんでした。
もしかしたら、2B達は幸せな時があったのかもしれません。
しかし、恐らくそれが描かれることはないのでしょう。
結局アンドロイドも機械生命体も滅び、電子の世界のみが残されることが明かされました。
これはもう、生命体というよりデータの話になります。
更に言うなら、そこに人間の魂はありません。
魂はニーアレプリカントで消失しています。
となると、このゲームの登場した登場人物は、アンドロイドや機械生命体と同様に後発的なものになります。
ですが、その在り様は人と何一つ変わりません。
そこをどう解釈するのかも難しいところですね。
また、ラストでリンカネの主人公フィオが一人転生を果たします。
それこそ、このゲームのタイトルの意味であり、目的だったのでしょう。
しかし、ここでの転生が何を意味するのか判然としません。
彼女は肉体を得て、地球に降り立ったのでしょうか?
それとも、未だ巨大サーバーの中の存在なのでしょうか?
もし前者であるなら、ニーアシリーズを通して悲願であった人の復活が成されたことになります。
ですが、それが本当に実現されたのか、私はまだわかっていません。
その結論が出るのは次のニーアシリーズを待たないといけないのかもしれません。
ということで、リンカネのシナリオを最後まで見た感想としては、結局判断しかねるものが残ったと感じています。
だからこそ、この物語の先が知りたくなりました。
それこそ、オートマタと同じ結果になってしまったとも言えます。
とにかく、早くニーアシリーズの続編を出して貰いたいものです。

ゲームという点で私はどのような感想を持ったかというと、正直あまりハマることが出来ないゲームでした。
それは、最大の理由としてゲームシステムの難解さがあります。
多くのキャラクターや武器があり、さらに装備品により強さに差が出るのですが、そのルールを把握仕切れなかったです。
なので、結局最後まで未クリアのイベントが沢山ありました。
その辺りをより深く理解出来れば楽しめたのでしょうが、私はそこまで奥深くプレイをする気にはなれなかったのです。
というのも、このゲームの操作性がとても悪いからという点があります。
主にキャラクターと武器の強化により成長するシステムなのですが、UIがとにかく使い辛いのです。
キャラも武器も多過ぎて、目当てのキャラや武器を探すのに一苦労でした。
また、それぞれのスキルも複雑で、何から強化すればよいのか、全くわからないのです。
このゲームを楽しむには、それらを熟知しないといけないのですが、私はそこまで熱意が湧きませんでした。

次に戦闘システムですが、私は最後まで馴染めなかったです。
リアルタイムコマンドバトルなのですが、余りにコマンドが簡略化されていて、何のコマンドをいつ選択すべきかわからなくなります。
キャラや武器などのスキル等を自分で覚えて、戦略を立てて選択しなければなりません。
それが本当に判り辛く、どうプレイしてらいいのかわからないままでした。
結局、戦闘に関する情報はネットで調べるしかない状態でしたが、それが今の標準的なゲームのスタイルなのでしょうか。
なので、私は殆どオートバトルでプレイしてしまいました。
他のソシャゲをプレイしたことが無いので、このシステムの難易度がどの程度なのかはわかりません。
少なくとも私には難しかったし、同時に内容を理解する気にはならなかったです。
それは、オートバトルでメインストーリーがクリア出来てしまったからですね。
もし、メインストーリーがもっと難易度が高かったら、攻略を見に行ったかもしれません。

次にソシャゲのメインとなるキャラクターについてです。
私の場合はペルソナ5のコラボキャラでインフレした感じです。
このコラボの賛否はあるでしょうが、私はコラボの中では一番好きでしたし、凄く助かりました。
やはり、ペルソナは思い入れのあるキャラが多く、それを使えたのは良かったですね。
逆にリンカネのオリジナルキャラに対し、私の熱量が低かったと思います。
というのも、キャラクターに対して思い入れ出来なかったからです。
キャラクターは作品にとってのエンジンのようなものです。
オートマタがあれだけヒットしたのも、2Bという存在に依る所が大きいのです。
それに比べリンカネの主人公フィオは、圧倒的に馬力が不足していると感じます。
それはゲーム開始からシナリオ終了まで一貫して変わらない評価です。
他にも多くのキャラがいますが、私は思い入れ出来る存在は少なかったです。
正直、リンカネのシナリオは全体的に感情移入し辛いのです。
それはやはり、キャラクターの描き方に制限があったからではと感じています。
オートマタの9Sのように、精神が追い詰められるまで描くことが出来たのに対し、リンカネは最後に全員が和解し、協力する方向に行くしかなかったのです。
全体の流れとして仕方のないことでしょうが、やはり展開に無理を感じる所もありました。
メインシナリオではキャラ同士の対立の方が多く描かれていて、それに対する修復の部分が短すぎるのです。
各キャラを真に描くなら、関係を修復する方をより深く描く方が感情移入しやすいと思うのです。
その辺の描写のバランスは正直失敗していると感じます。
折角沢山のキャラクターを用意したのに勿体ないと思いますね。

私は純粋にニーアの続編ということで今までプレイしてきて、一つの結末を見ることが出来ました。
そういう意味ではここまでプレイしてきて良かったと思っています。
しかし、同時にサービス終了と共にこの物語を見ることが出来ないことが残念でなりません。
もし、ニーアシリーズがリンカネに続く世界線ならば、振り返ってリンカネをプレイすることが出来ないのです。
それは、プレイヤー目線だと辛いものがあります。
レトロゲームは今でもプレイする人が大勢います。
シリーズものも、最初から全てプレイする人もいます。
その場合、ニーアシリーズは今後、全て把握することが出来なくなるのです。
今までシリーズを追ってきた者にとっては辛いものがあるのです。
それは、このゲームに限った話ではなく、ソーシャルゲーム全般に言えることです。
それも私がソシャゲに熱中出来ない一つの要因でもあるのです。
今回、サービス開始から終了までをプレイして、色々わかったことがありました。
そういう意味ではとても良い経験が出来たと思います。
また、自分はソシャゲに向いていないと知ることが出来ました。
勿論、今後自分のハマれるソシャゲに出会うこともあるかもしれませんが、今のところ自分に合うものは見付かっていません。
なので、ニーアリィンカーネーションが唯一プレイしたソシャゲとなるかもしれません。
少なくとも、プレイして良かったと思える点は沢山あったので、このゲームに出会えて本当に良かったと思います。