アニメシリーズをずっと見てきているので、話は概ね知っています。
また原作を読んでいる人も沢山いることでしょう。
原作が有名な作品はそういう観客が多いために、物語以上の魅力が必要になると思います。
この映画に関して言えば、間違いなく役者の良さが全面に生かされているといえます。
原作自体、極めてユニークなキャラクターで溢れていますが、キャスティングについては完璧と言って良いレベルになっています。
主役の杉本を初め、アシリパ、白石は当然のこと、舘ひろし演じる土方歳三は物凄い格好良さがあります。
勿論、第一師団の鶴見も凶人っぷりが実に見事でした。
なので、この素晴らしい役者達を観るだけでも十分に価値のある映画に仕上がっています。

また、映像的な目線で観ても、本当に良く出来上がっています。
各登場人物の服装からしてリアリティがあります。
よく、原作ものは下手をするとコスプレと揶揄されることがありますが、この映画の服装、小道具、セットを含めて、見事な現実感があります。
時代背景も邦画として得意とする明治であったことも良かった点です。
今まで積み重ねてきた映画のノウハウが存分に生かされていたので、本当にその時代の北海道に居るような感覚になりました。
また、CGの使い方も上手く、熊や狼などの動きが素晴らしかったです。
明らかにCGであることはわかりますが、安っぽさが全くないので見事に画面とマッチしています。
また数々のアクションシーンも凄く迫力があり、それもまたこの映画の質を高めています。
原作付きの映画化は失敗する確率も高めですが、本作は間違いなく映画化のお手本となるような傑作に仕上がっています。
結果的に観て本当に良かったと思える映画でした。

シナリオの進め方も非常に上手く、正に杉本、アシリパ、白石の三人が仲間になる過程をしっかり描いています。
合間合間の食事のシーンも、彼らの絆を深めるためにしっかりと機能していて、そこが見所の一つになっています。
このギャルシーンのバランスも丁度良い感じですね。
そしてクライマックスに杉本の過去と、彼の目的を明かす辺りも良かったです。
この辺りはアニメよりも感動しましたね。
そして続編も間違いなく作られるようですから、本当に次が楽しみです。
出来れば原作を全て映画化して欲しいくらいなので、是非大ヒットして欲しいですね。