5/20~6/2 今日のひと言……私のいのちの記憶の始まり…誕生の朝に | 左藤無憂樹―生きる命をつなぐ蓮の絲…いのちの記憶

左藤無憂樹―生きる命をつなぐ蓮の絲…いのちの記憶

この流転する娑婆世界に、重荷を背負いながらも、
懸命に道を尋ねる心魂に、微細ではあっても、
生きる命をつなぐ蓮の絲……。

然(さ)ればこそ、
生きているよろこびも、心を塞ぐ哀しみも……
ともどもに、心にとどめて、
この娑婆世の道を歩いております……。

2024年(令和6年)6月2日-465号
☆・・・・‥…‥─━━─‥…‥…─━━─‥‥…・・・・☆


枯れ果てて、散るのではありません。



この世は、かりそめの宿-


ならば-春さらば-と、すがしく散る、


万朶の桜のひとひらにこころ学びたいものです。


今までも、このように生かされ、


そして、生きて参りました。



師 承真尼婆子の後ろ姿を追いつ、


婆子の踏み跡を行きつ戻りつ……。



ひたすらに生きようとする、


盲目的意思を感じながらも、



深遠な真理を未だ識り得ない我が身の、


自分の愚かさに、


明けることのない夜……「無明長夜」を憶います。



だからこそ、人は心の遍歴と軌跡の中で、


心の樹海を彷徨い歩くとも、



無明長夜を照らす生きる灯火を、


心の旅を開く鍵を、


人生の道すがらに求めようとするのです。







☆ 左藤無憂樹─生きる命をつなぐ蓮の絲……☆彡



vol.00465 2024年6月2日(日)配信 




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2013年6月1日  琵琶湖打出浜から  釣り人遠望  







★……私のいのちの記憶の始まり…誕生の朝に……

 
 

 



『 望洞庭湖贈張丞相涵虚混太清』

 

     ・清:本来は異体字。

(どうていこをのぞんでちょうじょうしょうにおくる)         

      
                       孟浩然

 

 
八月湖水平  八月 湖水(こすい)平らかに

涵虚混太清  虚(きょ)を涵(ひた)して太清(たいせい)に

       混(こん)ず

気蒸雲夢沢  気は蒸(む)す 雲夢(うんぼう)の沢(たく)

波撼岳陽城  波は撼(ゆる)がす 岳陽(がくよう)の城

欲済無舟楫  済(わた)らんと欲するも舟楫(しゅうしゅう)無く

端居恥聖明  端居(たんきょ) 聖明(せいめい)に恥づ

坐観垂釣者  坐(そぞ)ろに釣を垂るる者を観(み)て

徒有羨魚情  徒(いたず)らに 
                 魚(うお)を羨(うらや)むの情(じょう)有り







八月の洞庭湖は  満々と水をたたえまっ平らで
 
虚空に繋がって まるで湖水と天が溶け合って

        交じり合っているようだ

雲夢の沢に  靄は立ちこめ
 
打ち寄せる波は 岳陽城を城郭をゆるがしている
 
この水を渡ろうとするも 舟も楫(かじ)もなく
 
この聖明の世に 無為徒食に過ごす身を

天子に恥じて じっと座っている

 
岸辺の釣り人を   しみじみ眺めていると

私でも釣られる魚が   無性に羨ましくなる




 
前日の医大の検診も済み、


翌一日は、


煩雑な雑務に追われながらも、


無事に過ごすことができました。

 

遙かな昔のこの日、


 この娑婆世に、私は生を 享(う)けました。



殊に、今年は胸に憶うこと多々あり、


それは、宿命の道を歩いている身には、


どうにもならないものであり、


人生の転換期を迎えているのを感じております。





昨年から本年にかけ、


宿縁のお出逢いをさせていただき、


この身には修行とも憶うものでございました。



夜半、研究課題に目を通しながら、


ふと、これまでの来し方、

これからの行く末など憶うことがあります。



木窓を打つ小夜嵐の雨音で、


平生の我に返りますと、

 

 

 



スノーホワイトのハナちゃんが回す、

 


カラカラカラッと、軽やかな回し車の音。

 

 

一心不乱に走る姿は、とても可愛らしいものです。


ハナちゃんのつぶらな瞳と愛らしい仕草の数々に、


こころ癒されております。



そうこうしているうちに、


東の山あいの際が、

 

 


清少納言「 枕草子 」第一段 春の情景のごとく、

 



黎明の鮮烈な彩りに染め上げられてまいります。

 




庵の木窓を開け、空を仰ぎながら、


ゆく風、流れる雲の果てを偲ぶのは、


そのような、


夜がまだ明けきらないころでしょうか……



静寂の闇間から、ヒヨドリの啼き音が聞こえてまいります。


春夏秋冬、朝陽が昇るころあいから、


新しい一日の始まりを告げ、


その啼き声は心を和ませ、


心を穏やかに、癒しをもたらしてくれます。


これが、7月ともなれば、幽玄な杜の奥闇から、


ヒグラシの侘の先声が聴こえてまいります。


 私の心に適う一番の好みともいえるものです。



おそらく、赤子の時に、


ヒグラシの鳴き音を聴きながら、育ったのでしょう。



それが、私のいのちの記憶の始まり……




ヒグラシの鳴き音には、郷愁とともに、


時の流れを、遡及して、


道々に大切な忘れ物を探し出そうとしている、


吾が姿を見出します。




好みの沈香の香を立て、瞑想することしばし。



黙の極致です。





 
生きる……



どうにもならないことで憶い悩む……

 
このことが人間の宿命ならば……と、



涙の重さに、
 

こころの裡に憶うこと数多あり、



未熟さを悼むばかりでございます。





2024年6月1日  誕生日の朝に……










・Ave Maria /Giulio Caccini ・ Vladimir Vavilov
 ジュリオ・カッチーニの《アヴェ・マリア》再掲

 ( 珠玉のピアノ曲…… )
  https://www.youtube.com/watch?v=x2ibR0puNk4













☆彡・最新の今日のひと言




★…2024年6月2日 今日のひと言

─時疾し 命を終ふる期(ご)……
◆いのちを詠ふ……佛教短歌



★…2024年6月1日 今日のひと言

─千年の 因と縁(つながり)目覚むるや……
◆いのちを詠ふ……佛教短歌



★…2024年5月20日 今日のひと言

─深々と 更けゆく小夜に 玲瓏と……
◆いのちを詠ふ……佛教短歌






・不具合のため、この数日アメブロに入ることが

かないませんでした。
憶いでの小筥から……こころに響くものを上げてみました。



☆彡・ いのちの記憶 憶いでの小筥から……



★…2018年1月25日  今日のひと言

─身の丈ほどの、生き方をいたしたく……。
◆このささやかな良きこと……



★…2018年1月23日  今日のひと言

─その風向きが変わるたびに……
◆このささやかな良きこと……



★…2017年2月27日  今日のひと言

ー追憶……ユリカモメを偲んで  
喜びと 憂いの憶い 綯(な)いまじり……
◆いのちを詠ふ……佛教短歌



★…2017年2月26日  今日のひと言

―惜別の 高き空より 寂び彩の湖(うみ)
◆いのちを詠ふ……佛教短歌



★…2017年2月25日  今日のひと言

―惜別 冬鳥の 朝 ( あした ) に去りぬ 蒼穹の道…… 
◆いのちを詠ふ……佛教短歌



★…2017年2月19日  今日のひと言

―この眼には視えなくても、この耳には聴こえなくとも、
◆いのちを詠ふ……佛教短歌



★…2017年2月18日  今日のひと言

―こころ次第で、仏にも、
修羅、羅刹にもなるもの……
◆達磨面壁九年、人間一生……。




★…2017年2月17日  今日のひと言

―こころ次第で、仏にも、修羅、羅刹にもなるもの……
◆達磨面壁九年、人間一生……。




★…2017年2月13日 今日のひと言

─花びら雪(花弁雪)……天上のたより 
蕭蕭(しょうしょう)と ……
◆いのちを詠ふ……佛教短歌





★…2014年2月12日 今日のひと言

─天に私無し……。遠離一切顛倒夢想
仏さまの物さし…金子みすず…
宇宙の果てを旅するボイジャー……
◆私は、こう憶うのです……。







☆‥…─━━‥………‥☆彡今日のひと言……‥‥━━─‥…☆




6月2日  時疾し 命を終ふる期(ご)……




時疾し



命を終ふる期(ご)



忽(たちま)ちに



迎ふる無常



刹那愛惜(あいせき)と




2024年6月2日 詠







☆‥…─━━‥………‥☆彡今日のひと言……‥‥━━─‥…☆


2017年2月 高野山にて


6月1日 千年の 因と縁(つながり)目覚むるや……
 



千年の



因と縁(つながり)



目覚むるや



色即是空



背に負う旅よ




2024年6月1日 詠





☆‥…─━━‥………‥☆彡今日のひと言……‥‥━━─‥…☆



2014年11月7日  夜半 名残りの月……

 



5月20日  深々と 更けゆく小夜に 玲瓏と……




深々と



更けゆく小夜に



玲瓏と



月の満ち欠け



夢の如き世




2024年5月20日 詠








・‥……─━━…‥憶いでの小筥から…‥…━━─…‥‥・
 

 


2023年4月22日  正倉院前にて 

                           ナラノヤエザクラ(奈良の八重桜)




身の丈ほどの、生き方をいたしたく……。





度を越えると、

往々にして、

進むべく道を誤ります。


我が身を生かす、

この刹那刹那の言動、行動……


今為すこと、

今話すこと、


身の丈ほどの、

生き方をいたしたく……。




         合掌




★…2018年1月25日  今日のひと言


─身の丈ほどの、生き方をいたしたく……。
◆このささやかな良きこと……






☆‥…─━━‥………‥☆彡今日のひと言……‥‥━━─‥…☆

 


その風向きが変わるたびに……



人は往々にして、

我が身の裡に定まった考えがないと、

世の中に風が吹くたびに、


心が惑い、

事あるごとに、

その風向きが変わるたびに、

その見識が八方に変わるのです。


いわゆる無方向無定見……。

協調することとは意味を異にします。



             合掌




★…2018年1月23日  今日のひと言


─その風向きが変わるたびに……

◆このささやかな良きこと……







☆‥…─━━‥………‥☆彡今日のひと言……‥‥━━─‥…☆

 

2012年2月17日 早朝   琵琶湖畔……

 



2017年2月25日



喜びと




憂いの憶い




綯 (な) いまじり




山の際 ( ま ) の昊 ( そら )




いよ ゝ春めき





2017年2月27日     詠






早暁にユリカモメが旅立った後の、


虚空を仰ぎ、



世の無常を、


胸の裡に刻みながらも、



遥かな高みを、


頻りに羽ばたいているであろう、


ユリカモメの一群を偲び、


再びの出逢いを念じ、


彼らの旅の無事を祈るものです。




古墳の苔の彩りも、


日一日と、柔らかく萌え増しているようです。

 


ユリカモメの旅立ちに、


秘かにこころを寄せる時、


人も鳥も、この空も、


風も、樹も、流れる雲も……



掌に掬う水も、


何ひとつ同じものはなし……



一期一会……


茶席にもよく遣われる禅語でございますが、



世に生まれ出でてよりの、


一度かぎりの人生の道行き、



この一期に、


心を尽くして参りたいと憶っております。



               合掌





2017年2月27日 今日のひと言

ー追憶……ユリカモメを偲んで
喜びと 憂いの憶い 綯(な)いまじり……
◆いのちを詠ふ……佛教短歌
 




☆‥…─━━‥………‥☆彡今日のひと言……‥‥━━─‥…☆


2017年2月25日


―惜別の 高き空より 寂び彩の湖(うみ)

 


今日こそは



眩き日なり



惜別の



高き空より



寂び彩の湖(うみ)





2017年2月26日    詠






★…2017年2月26日  今日のひと言

―惜別の 高き空より 寂び彩の湖(うみ)
◆いのちを詠ふ……佛教短歌







☆‥…─━━‥………‥☆彡今日のひと言……‥‥━━─‥…☆



2017年2月25日


惜別 冬鳥の 朝 ( あした ) に去りぬ 蒼穹の道……




冬鳥の



朝 ( あした ) に去りぬ



蒼穹の道



母なる湖 ( うみ ) は



さざ波たてし




2017年2月25日     詠





★…2017年2月25日  今日のひと言

―惜別 冬鳥の 朝 ( あした ) に去りぬ 蒼穹の道…… 
◆いのちを詠ふ……佛教短歌






☆‥…─━━‥………‥☆彡今日のひと言……‥‥━━─‥…☆




この眼には視えなくても、


最早、食べなくとも、


この耳には聴こえなくとも、



故人の御魂 (みたま) には花を献げ、


香を焚いて、


亡き彼の人を偲ぶ……




この世の情理を超えた世界で、


この美しい心の発露、


見えない心の働きが、



必ずや、形となって現われてまいります。


 
                                合掌





2017年2月19日 今日のひと言

―こころ次第で、仏にも、修羅、羅刹にもなるもの……
◆達磨面壁九年、人間一生……。
 




☆‥…─━━‥………‥☆彡今日のひと言……‥‥━━─‥…☆




逆さ縁が次々に現れて、


心を悩ましますと、


その心が闇をつかみ、


逆境の闇を乗り越えることが、


困難になるものです。




心が嵐荒むれば、


貌も険しく、


棘のような言葉が口をついて出るのです。



人は、その時の気持ちの持ちよう……


こころ次第で、



仏にも、


修羅、羅刹にもなるもの……だということです。




                                       合掌






★…2017年2月18日  今日のひと言

―こころ次第で、仏にも、修羅、羅刹にもなるもの……
◆達磨面壁九年、人間一生……。






☆‥…─━━‥………‥☆彡今日のひと言……‥‥━━─‥…☆


高野山にて



この忍土の日暮しが、


世渡りならぬ、


世流れにならぬよう、



この世の中は、


芽を出せば、


たちまちのうちに摘まれ、


枝を伸ばせば手折られ、



それがゆえに、

心を闇くして、禍を作ってしまうのです。



幾たび摘まれても、


幾たび手折られようとも、


この心、屈せず。



それでも、


薔薇の弦には薔薇の花が咲き、


梅の枝には梅が咲くのですから、



孤絶の中にあって、


今を耐え忍ぶことが、できるか……です。



               合掌





2017年2月17日 今日のひと言
―こころ次第で、仏にも、修羅、羅刹にもなるもの……
◆達磨面壁九年、人間一生……。
 




☆‥…─━━‥………‥☆彡今日のひと言……‥‥━━─‥…☆






雪の華





星から落ちし





迷い子は





地上の星と





刹那に煌めき







( 2017年2月13日  詠 )







寂寞と





花びら雪(花弁雪)を





手のひらに





天上のたより





蕭蕭(しょうしょう)と







2017年2月13日     詠










古墳の北側の斜面には、


まだ、植え込みの辺りに雪が被っています。




目を凝らすと、雪の結晶が、


まるでレース絲の連なりのように、


美しく、真冬の光に映えています。




雪は、天上からのたより……ともいわれておりますが、



折よく、


比叡山から吹く西風に乗って、



風花がふわりと、


手のひらに落ちてまいりました。




花びら雪の中に、


小さな雪の結晶が美しく重なり、


見る間に融けていきます。




凍える冬を送り、


やがて来たらむ、春を憶い、


おそらく、


これが終雪( しゅうせつ)になるのやら…… と、



手のひらの上で、


音もなく融けゆく、花びら雪を眺むる。




天上からのたより、


花びら雪(花弁雪)。




このささやかな良きこと……。




                      合掌





★… 2017年2月13日 今日のひと言

―花びら雪(花弁雪)……天上のたより 蕭蕭(しょうしょう)と ……
◆いのちを詠ふ……佛教短歌








☆‥…─━━‥………‥☆彡今日のひと言……‥‥━━─‥…☆



高野山にて



2013年6月25日 におの浜付近にて




2014年2月12日  天に私無し……。遠離一切顛倒夢想




般若心経の中に、
遠離一切顛倒夢想 究境涅槃の一節がございます。
あえて、仏さまの物さしといたしましょう……。


四苦 生老病死……。

生きる苦しみ
死ぬ苦しみ
病む苦しみ
老いる苦しみ


八苦
愛別離苦 愛するものとの別離
怨憎会苦 憎しむ者同士の苦しみ
求不得苦 求めても得られない苦しみ
五院盛苦 色、受、想、行、識の、


肉体と精神が思うようにならない苦しみ。


因みに、涅槃の境地とは、

この八つの苦しみが、まったく無くなった状態と申します。


尽きぬ人間の悲しみ、苦しみ……。

永劫の別れ、経済苦、人間関係のもつれ、
男女の凄まじき愛憎、病との苦しみ……。


恐怖や不安、妄想に邪見、羨む心を持つがゆえに、
人は、誤った考えを身につけてしまうのです。


人間本来無一物。
しかしながら、形あるがゆえに、その形を失うにこだわり、
執着するがために、欲にとらわれ、
苦海に沈んでしまう人間。


遠離一切顛倒夢想。

仏さまの智慧からみれば、誤っている四つの考え
一切の間違った考え方や、妄想を遠ざける考えです。
あえて、仏さまの物さしといたしましょう……。

顛倒夢想の一つひとつをあげますと、

諸行は無常なり、
無常なるもの常と思い、


苦を楽と取り違え

無我なるものを我とし、

不浄なるものを、浄と思う


金子みすずが、
「星とたんぽぽ」 の中で詠うように、


昼の星は、眼には見えぬけれども、
宇宙の中では、燦然と耀いているように、


天に昼夜はなく、
星々の名前も、
人間が勝手に付けただけの名前に過ぎず、


それらの、天空の億万の煌めきは、
昼夜、日時、星の等星など、

宇宙空間の中では、区別のしようもありません。


父母未生以前の自己の、
自分探しの道々で、かえって、道に迷い、


白分で、自分を、この人生の道に縛り付け、

迷いの大海に沈ませてしまうのです。


無常を、常とする取り違え。
万物は刻々流転変化するもの、と気づき、


我が身も、

常に、心はコロコロと変わり、

やがては朽ち果てる身。

この世界の事象は、常に移り変わりゆくものであり、
高度に発達した、情報過多の社会の中で、


悩みと格闘するうちに、

神経を衰弱しながら、
気の優しい人ほど、ストレスをため込み、苦しむのです。


この娑婆世界は、

枯渇のままに水を飲まんとするに、
ますますに、喉が乾きを覚える世界。


心の平安を求めずして、

欲望のままに「楽」を求め続けております。



この「楽」の相対する物が「苦」。
自分の幸せを求めながら、苦の中で溺れ、


彼の人と我との、対立の世界で、
嫉みや嫉妬、恨みの業火で、

互いに焼き尽くしてしまうのです。


諸法は、「無我」であるにも関わらず、「我」に執着し、
何ものにもとらわれることのない、


父母未生以前の我れ、本然の自分をつかむことなく、


それを、見定めることができないがゆえに、
「本来の自分」を識ることもなく、


自分勝手な妄想、思考にとらわれ、
歪んだ考えに、執着してしまうのです。


自分とは何者でしょうか……。


徹底して憶うに、
 「私」と呼べるような「我」は、
この世界のどこにも存在せず。


それにもかかわらず、
この肉体意識を自分だと錯覚している。


心にしても、
刹那に変わりゆくありようからして、
その実体を掴むことができません。


考えようとしても、

我欲が邪魔をして、行き詰まってしまいます。


日々の些事の中で、

身の丈に応じた生活をしながら、

滞る事なく、自己の畑を耕し、磨いてゆく……。


1977年に打ち上げられてより、

太陽系を飛び出し、

無限な、宇宙の果てを旅するボイジャーに、

夢とロマンを重ねつ、


しかしながら、

どれほどの、科学技術が進歩しても、


それでも、人の悩みの種、

 


生老病死の悩みは尽きまじと、

 

 

人生における免れない四つの苦悩を、

 

 

諦(あきら)かにしようと動くものです。

 



天に私無し……。



些細であっても、

そこに、人さまの幸せを憶いながら、

身の裡で暮らしてゆくのが、


人の幸せなのでは……私は憶うのです。




                   合掌





2014年2月12日 今日のひと言

─天に私無し……。遠離一切顛倒夢想
仏さまの物さし…金子みすず…
宇宙の果てを旅するボイジャー……
◆私は、こう憶うのです……。








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  ☆彡・編集後記



★…御身お大事になさいますよう……不乙






※記事に掲載されている文章、和歌、画像は既に出版されている
ものもあり、無断転載・引用はご遠慮下さいますようお願い申し
上げます。どうぞ、おくみ取りくださいまして、
よろしくお願いいたします。







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