2020年(令和2年)6月21日-340号
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枯れ果てて、散るのではありません。
この世は、かりそめの宿-
ならば-春さらば-と、すがしく散る、
万朶の桜のひとひらにこころ学びたいものです。
今までも、このように生かされ、
そして、生きて参りました。
師 承真尼婆子の後ろ姿を追いつ、
婆子の踏み跡を行きつ戻りつ……。
ひたすらに生きようする、
盲目的意思を感じながらも、
深遠な真理を未だ識り得ない我が身の、
自分の愚かさに、
明けることのない夜……「無明長夜」を憶います。
だからこそ、人は心の遍歴と軌跡の中で、
心の樹海を彷徨い歩くとも、
無明長夜を照らす生きる灯火を、
心の旅を開く鍵を、
人生の道すがらに求めようとするのです。
☆ 左藤無憂樹─生きる命をつなぐ蓮の絲……☆彡
vol.00340. 2020年年6月21日(日)配信
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☆彡・最新の今日のひと言
(PHOTAさんによる写真ACからお借りいたしました )
枕草子 第一段 夏から 螢を詠ふ……
夏は夜
月のころはさらなり
闇もなほ
螢の多く飛びちがひたる
またただひとつふたつなど
ほのかにうち光りてゆくもをかし
雨など降るもをかし
清 少納言「枕草子」 第一段 夏
★…2020年6月21日 今日のひと言
─美しき 光の絲を 鴨川に……
★…2020年6月20日 今日のひと言
─……螢火や ささゆりの葉に 淡く燈りて
★…2020年6月19日 今日のひと言
─姫螢 草叢に燈の 目映きて……
★…2020年6月18日 今日のひと言
─……憶い出は 銀河煌めく 穂高星夜と
★…2020年6月17日 今日のひと言
─往昔に 平安の世を 偲ばるる……
★…2020年6月16日 今日のひと言
─宵螢 ゆれる灯りに 涕落つ……
★…2020年6月15日 今日のひと言
─螢籠 群れなす釣鐘花の ひと叢に……
☆彡・ 憶いでの小筥から……今日のひと言
★…2016年9月17日 今日のひと言
─世に流されず……。
惺々著(せいせいじゃく)修羅の人にならず……。
◆命の道標
★…2016年9月18日 今日のひと言
─心耳を澄まし、魂を見つめ、正しつ…… 。
◆身を知る雨……
★…2016年9月19日 今日のひと言
─今、この掌の中にあるもの、それらの種々に憶いをよせること……。
◆命を愛おしむ……
★…2016年9月20日 今日のひと言
─野分の絶えて……風に吹かれて、胸に去来するもの……
◆いのちを詠む……佛教短歌
★…2016年9月21日 今日のひと言
─……雨に咲く 生々流転 秋の風吹く……
◆いのちを詠む……佛教短歌
★…2016年9月23日 今日のひと言
─しかしながら、どうしようもない時には……
◆この人の世を、生き、生きて憶うこと……
★…2016年9月24日 今日のひと言
─平穏な道を選んだつもりでも……
◆この人の世を、生き、生きて憶うこと……
★…2016年9月25日 今日のひと言
─青シダ…
澄んだ秋の陽ざしが、羊歯を透かして、キラキラと美しく光って……
◆いのちを詠む……佛教短歌
★…2016年9月26日 今日のひと言
─菜園に 秋の風落つ 苦瓜( にがうり ) の……
◆いのちを詠む……佛教短歌
☆彡・こころの磨き砂
★…2016年9月22日 今日のひと言
─千利休『南方録』……
家は漏らぬほど、食は飢えぬほどにて事足れり……
◆しあわせの尺度
☆彡・編集後記
★………濡れ燕 絲雨の中 飛び交ふや……
濡れ燕
絲雨の中
飛び交ふや
青磁の昊に
啼き音の響き
2020年6月21日 詠
☆‥…─━━‥………‥☆彡今日のひと言……‥‥━━─‥…☆
6月21日 美しき 光の絲を 鴨川に……
美しき
光の絲を
鴨川に
迷い螢を
闇夜に追いつ
2020年6月21日 詠
☆‥…─━━‥………‥☆彡今日のひと言……‥‥━━─‥…☆
6月20日 ……螢火や ささゆりの葉に 淡く燈りて
哀しきは
過ぎにしかたの
螢火や
ささゆりの葉に
淡く燈りて
2020年6月20日 詠
☆‥…─━━‥………‥☆彡今日のひと言……‥‥━━─‥…☆
6月19日 姫螢 草叢に星 目映きて……
姫螢
草叢に星
目映きて
聲なき光
樹立飛び交う
2020年6月19日 詠
☆‥…─━━‥………‥☆彡今日のひと言……‥‥━━─‥…☆
6月18日 ……憶い出は 銀河煌めく 穂高星夜と
螢狩り
過ぎにしかたの
憶い出は
銀河煌めく
穂高星夜と
2020年6月18日 詠
☆‥…─━━‥………‥☆彡今日のひと言……‥‥━━─‥…☆
6月17日 往昔に 平安の世を 偲ばるる……
往昔に
平安の世を
偲ばるる
姫螢舞う
幻想(まぼろし)の迹(あと)
2020年6月17日 詠
☆‥…─━━‥………‥☆彡今日のひと言……‥‥━━─‥…☆
6月16日 宵螢 ゆれる灯りに 涕落つ……
宵螢
ゆれる灯りに
涕落つ
亡父との握手
永劫(とわ)の別れぞ
2020年6月16日 詠
☆‥…─━━‥………‥☆彡今日のひと言……‥‥━━─‥…☆
6月15日 螢籠 群れなす釣鐘花の ひと叢に……
螢籠
群れなす釣鐘花の
ひと叢に
魂と見紛う
灯り燈して
2020年6月15日 詠
・‥……─━━…‥…憶いでの小筥から……‥…━━─…‥‥・
2016年9月17日
世に流されず……。
惺々著(せいせいじゃく)修羅の人にならず……。
◆命の道標
この命……
父母を縁として、
この世に、生まれ……生き来たり。
生まれ難き人の身に生まれ、
やがて、死するこの命は、
一炊の夢か、
胡蝶の夢を一期として去りなん。
いかなる境遇に遭おうとも、
無いものを数える、不足の心を掴まず。
不器用ゆえに、
信念は、簡単には曲げず……
世に流されず……。
惺々著 ( せいせいじゃく )
修羅の人にならず……。
この命の尊さに、しっかり目覚め、
人生の波道を乗り越え、
命を尽すことです。合掌
・‥……─━━…‥…憶いでの小筥から……‥…━━─…‥‥・
2016年9月18日
心耳を澄まし、魂を見つめ、正しつ…… 。
◆身を知る雨……
自分が変わらなければ、
彼の人を変えることはできません。
いまだ執着している己の愚……
過去の関係にとらわれず、
心耳を澄まし、
魂を見つめ、正しつ…… 。
時々刻々に変化し、
縁起しながら、
過ぎ去っていく日々にうながされる日々。
善いことも悪しきしことも、
仏縁の由なりて。
身を知る雨に、
今日この日、
生かされている命に感謝……。合掌
・‥……─━━…‥…憶いでの小筥から……‥…━━─…‥‥・
2016年9月19日
今、この掌の中にあるもの、それらの種々に憶いをよせること……。
◆命を愛おしむ……
失われたもの、
とうに、目の前から過ぎ去ったものを、
指折り数えても仕方がないのです……
この人生の道中の折々に、
粗雑に捨ててきた水を、
この掌に丁寧に掬いあつめて、
今、この掌の中にあるもの、
それらの種々に憶いをよせること……。
平生の暮らしをなおざりにせず。
生きる命の芽を摘みとらず。 合掌
・‥……─━━…‥…憶いでの小筥から……‥…━━─…‥‥・
2016年9月20日
野分の絶えて……風に吹かれて、胸に去来するもの……
◆いのちを詠む……佛教短歌
9月20日(火)
台風の
巻き雲荒(すさ)ぶ
山道に
野分の絶えて
しばしの晴れ間
2016年9月20日 詠
フィリピンの東海上で、フィリピン語(タガログ語)で、
「強い」という意味を持つ、
台風16号「マラカス」が発生したのは、
13日午前3時でした。
今から、1週間ほど前のことです。
その間、中秋の月を眺め、
夜半には、虫の音に耳を澄ませつつも、
愚鈍、要領が悪いのでしょうか……
ほぼ、明け方まで、徹夜、半徹で、
仕事に掛かり切りにならざるをえない、七日間でした。
今日、台風16号は、
鹿児島県の大隅半島に上陸したとのこと。
恐らく、近畿には午後から雨風の影響が出るものと、
朝から、アオギリなどの樹木の避難を始めました。
ブータン王国様から下賜された国樹である、
11本目のヒマラヤイトスギは、
先週14日に、すでに福島県側様に御手渡し済みなので、
台風の難から離れ、ひと安心いたしました。
ブータン王国の国樹である、
このイトスギの由来……
樹の菩薩を憶い返しますと、
海を越え、ヒマラヤの神々の座を越え、
私の元にやってまいりましたのが、
昨年の11月。
それから、高野山を始め、
近畿、関東、数々の植樹式に、
まるで、自分の息子と娘を旅立させるような、
言いしれぬ憶いで見送ってまいりました。
それは、広島市役所から頂きました、
アオギリさんも同じことで、
冬から、春、夏、秋……と、
とにかく、枯らすまい……との一念で、
年中、水やりを欠かさなかったこと。
特に、今年の夏は酷暑ともいえるもので、
鉢中の土の乾燥には、苦心いたしました。
福島県にお渡ししたイトスギの平安を願いながら、
茶臼山の古墳道を、
風に追い上げられて歩いておりますと、
そのような憶い出の一つひとつが、
エメラルドグリーンの美しい葉色とともに、
鮮やかに甦ってまいりました。
風に吹かれて、
胸に去来するもの……
モルモットのリリーを散歩させたのも、この山道。
満開の八重桜の花の枝を手折り、
閉じた眼にそっとのせて見送ったことも、
ついこの間のように憶います……。
樹木、動物、人の命……。
生きとし生けるものへの慈しみ。
琵琶湖の湖面を吹き渡り、
比叡の山肌を駆け上がる、
野分の絶えて、しばしの晴れ間に、
この一年あまりの日々を、
心に残る憶いとともに、綴りました……。合掌
・‥……─━━…‥…憶いでの小筥から……‥…━━─…‥‥・
2016年9月21日
……雨に咲く 生々流転 秋の風吹く……
◆いのちを詠む……佛教短歌
9月21日(水)
天竺の
国を偲びつ
雨に咲く
生々流転
秋の風吹く
2016年9月21日 詠
・‥……─━━…‥…憶いでの小筥から……‥…━━─…‥‥・
2016年9月23日
しかしながら、どうしようもない時には……
◆この人の世を、生き、生きて憶うこと……
9月23日(金)
誰も見ていなくても、
見ていないからこそ、
やるべき事をコツコツと、
誠実に、一生懸命やることに尽きるのです。
しかしながら、
どうしようもない時には、
ダーッと、草っぱらに寝っ転がって、
無……になって、
どこまでも澄んで、
空の底まで見透かせるような、
この秋の空に吸い込まれるのも結構。
この人の世を、生き、生きて憶うこと……
ともすれば、
ため息をつきながら、
わずかばかりのことで、
苛立ち、相争ってしまうこのこころ……。
一つ、辻を違(たが)えて、
一時、横道に逸れようとも、
道というものは、
紆余曲折を経ながら、
ゆく先で、必ず交わるものです……。合掌
・‥……─━━…‥…憶いでの小筥から……‥…━━─…‥‥・
2016年9月24日
平穏な道を選んだつもりでも……
◆この人の世を、生き、生きて憶うこと……
9月24日(土)
残念ながら、
世の常として、
時代にあったもの以外は、
受け入れられない世の中のようです……。
平穏な道を選んだつもりでも、
人生の行き先の乗り間違いをしたり、
刻一刻と状況する、
変化の激しいこの時代には、
時流の変化の波に乗りきれずに、
思うような結果を得られず、
社会の流れに馴染めないことは、
数多くあります。
この人の世を、生き、生きて憶うこと……
彼の人を変えることは、容易ではありません。
この人の世を生き切るとは、
自分の考え方を、まずは変えてみる……
現実から目を背けずに、
自分の心と立ち向かい、
自分が置かれている状況の中で、
その心を欺かないこと……かもしれません。 合掌
・‥……─━━…‥…憶いでの小筥から……‥…━━─…‥‥・
2016年09月25日
青シダ…
澄んだ秋の陽ざしが、羊歯を透かして、キラキラと美しく光って……
◆いのちを詠む……佛教短歌
9月25日(日)
娑婆苦の
遠き代より
生き凌ぎ
青シダの群れ
風に光りつ
2016年9月25日 詠
今日は、昼過ぎから、
茶臼山古墳周りの、
参道を歩いてまいりました。
紅葉にはまだ早く、
足元に群れ生う青シダを見ると、
澄んだ秋の陽ざしが、
羊歯を透かして、
キラキラと美しく光っています……。
普段には、氣ばかり急いて、
足元にまで、こころ配りができない日々。
ささやかながら、
心の洗われる、
秋の一日でございました……。合掌
・‥……─━━…‥…憶いでの小筥から……‥…━━─…‥‥・
2016年9月26日
菜園に 秋の風落つ 苦瓜( にがうり ) の……
◆いのちを詠む……佛教短歌
9月26日(月)
菜園に
秋の風落つ
苦瓜( にがうり )の
ほろ苦き実や
葉陰に埋(うず)む
2016年9月26日 詠
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◆「こころの磨き砂」
2016年9月22日
千利休『南方録』……
家は漏らぬほど、食は飢えぬほどにて事足れり……
◆しあわせの尺度
9月22日(木)
遥かに、
多くの物を手に入れているのに、
人間の分別心から、
不必要なものを、あえて作為して、
まだ、足りない……と、
視えない不安に煽られ、
必要とするよりも、
なおも、多くのものを、
手に入れようとしている今……。
家は漏らぬほど、食は飢えぬほどにて事足れり……
千利休 『 南方録 』
人は誰一人として、
彼の人と、
同じ人生を歩むことはできませんが、
せめて、分相応……足るを知り、
わが身の丈以上のことを望まず、
自分らしく生きたいものと、
利休居士の言葉に、
心が洗われる憶いでございます。合掌
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◇編集後記
濡れ燕……
濡れ燕
青磁の昊に
飛び交ふや
絲雨の中
啼き音の響き
2020年6月14日 詠
今年も、
早や半年が過ぎようとしており、
時の早さを感じるこの頃でございます。
山々の緑も、雨に打たれて彩りを深め、
さわやかな風とともに、
燕の群れが青田の上を、
飛び交う季節になりました。
濡れ燕が、
絲雨の中を身を急降下させながら、
稲の葉先の際すれすれのところで、
急に反転させながらの飛翔、
いわゆる燕返しは、
雨に緑が萌ゆる風情を漂わせる、
この季節の風物詩とも、
呼べるものでございます。
梅雨の時期に訪れる季節はずれの寒さ……
梅雨冷え、梅雨寒とも申します。
御身お大事になさいますよう。拜
まだまだ螢のいのちを遺すには、
写真の技量が未熟…を痛感しております。
ご厚意により、お二人さまからお借りいたしました。
やはり、圧倒的な写し撮る力を感じます。感謝
※記事に掲載されている文章、和歌、画像は既に出版されている
ものも あり、 無断転載・引用はご遠慮下さいますようお願い申し上
げます。どうぞ、おくみ取りくださいまして、よろしくお願いいたします。
引用の際は、出典元をご記載くだされば、
ご自由に引用されてもかまいません。