5/11~5/17日 今日のひと言ー絲綢之路の余韻…無明長夜…天降(あも)る星道に心をよせて… | 左藤無憂樹―生きる命をつなぐ蓮の絲…いのちの記憶

左藤無憂樹―生きる命をつなぐ蓮の絲…いのちの記憶

この流転する娑婆世界に、重荷を背負いながらも、
懸命に道を尋ねる心魂に、微細ではあっても、
生きる命をつなぐ蓮の絲……。

然(さ)ればこそ、
生きているよろこびも、心を塞ぐ哀しみも……
ともどもに、心にとどめて、
この娑婆世の道を歩いております……。

2020年(令和2年)5月17日-336号

☆・・・・・・‥…‥─━━─‥…‥…─━━─‥‥…・・・・・・☆

 

枯れ果てて、散るのではありません。

 

 

この世は、かりそめの宿-

 

ならば-春さらば-と、すがしく散る、

 

万朶の桜のひとひらにこころ学びたいものです。

 

 


今までも、このように生かされ、

 

そして、生きて参りました。

 


 師 承真尼婆子の後ろ姿を追いつ、

 

婆子の踏み跡を行きつ戻りつ……。

 


ひたすらに生きようとする、

 

盲目的意思を感じながらも、

 

深遠な真理を未だ識り得ない我が身の、

 


自分の愚かさに、

 

明けることのない夜……「無明長夜」を憶います。

 

 


だからこそ、人は心の遍歴と軌跡の中で、

 

心の樹海を彷徨い歩くとも、

 


無明長夜を照らす生きる灯火を、


心の旅を開く鍵を、

 

人生の道すがらに求めようとするのです。

 

 

 

☆ 左藤無憂樹─生きる命をつなぐ蓮の絲……☆彡


vol.00336 2020年5月17日(日)配信 




「仏樹下説法図」 観音菩薩像壁画   シルクロード 絲綢之路 第二巻「敦煌 砂漠の大画廊」

井上靖・NHK取材班 (1980年 日本放送出版協会)より 

 

 

 


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 ☆彡・最新の今日のひと言

 

★…2020年5月11日 今日のひと言

─摩耶夫人 受胎霊夢の 厳(いつく)しく……

 


★…2020年5月12日 今日のひと言

─誕生偈 過去七仏(かこしちぶつ)の……

 


★…2020年5月13日 今日のひと言

─……この日より 菩提の道は 衆生に開けし

 


★…2020年5月14日 今日のひと言

─……流砂の海に 鈴の音響く

 


★…2020年5月15日 今日のひと言

─……月の砂漠に 星の子ら落つ

 


★…2020年5月16日 今日のひと言

─砂鳴きて 風吹き流る 鳴沙山……

 


★…2020年5月17日 今日のひと言

─晨昏に 天降(あも)る星道 昔日に……

 


  ☆彡・ 憶いでの小筥から……今日のひと言

 


★…2016年7月28日 今日のひと言

─……湖(うみ)風の吹く…坂をのぼらん…

◆いのちを詠む……佛教短歌

 

★…2016年7月29日 今日のひと言

─菩薩の天衣

◆いのちを詠む……佛教短歌

 


★…2016年7月30日 今日のひと言

─木漏れ陽の  葉隠れに聴く……

◆いのちを詠む……佛教短歌

 

★…2016年7月31日 今日のひと言

─ゆるやかな 湖(うみ)を眺むる…… 

◆いのちを詠む……佛教短歌

 

★…2016年8月1日 今日のひと言

─野あざみの 花 野に置きて……

◆いのちを詠む……佛教短歌

 

★…2016年8月2日 今日のひと言

─風の音の 絶えて久しき…… 
◆いのちを詠む……佛教短歌

 

★…2016年8月3日 今日のひと言

─惜別の 憶いを遺し 海の道……
◆いのちを詠む……佛教短歌

 

★…2016年8月4日 今日のひと言

─……命見つめる 瀬戸の夕凪
◆いのちを詠む……佛教短歌

 

★…2016年8月5日 今日のひと言

─朝凪(あさなぎ)の 海に別れし 薔薇の道……
◆いのちを詠む……佛教短歌

 

★…2016年8月6日 今日のひと言

―……鳥の啼き音に 夜明けきたりて
◆いのちを詠む……佛教短歌

 


★…2016年8月7日 今日のひと言

―実芭蕉の葉……
◆いのちを詠む……佛教短歌

 


★…2016年8月8日 今日のひと言

―身を知る雨に、命の意味を問いながら……
◆身を知る雨……

 

★…2016年8月10日 今日のひと言

―空の蒼 雲群るごと…… 
◆いのちを詠む……佛教短歌


 


☆彡・こころの磨き砂

 

★…2016年8月9日 今日のひと言

─身を知る雨……。いわゆる、人生の涙。
◆身を知る雨……


 


  ☆彡・編集後記

 

★…樹々の緑が目にまぶしい今日このごろ、

  小鳥たちの可愛らしいさえずりが、木立に響き渡り、

  初夏の到来を憶わせるものです。


    

 

☆‥…─━━‥………‥☆彡今日のひと言……‥‥━━─‥…☆



絲綢之路の余韻…無明長夜…天降(あも)る星道に心をよせて……

 

      シルクロード(絲綢之路)/喜多郎  「 流るる砂 」  より 

 

    音が出ますので、それでもよろしければ……


https://www.youtube.com/watch?v=kfvmFNuD89Y&list=RDkfvmFNuD89Y&start_radio=1

 

 

 敦煌石窟群には、仏教東漸の悠久なるロマンを感じます。


秀麗な観音菩薩様には、

憶わず魅入ってしまうほどの魅力があります。

 

 

文明の光と翳、壮絶な流砂の海の砂塵の彼方に消えていった民族
の光と興亡と輝き、シルクロード・絲綢之路で繰り広げられた、砂漠

の民の栄耀栄華、遥かな時を超えて、ユーラシア大陸の東西を結び、

日本への、仏教東漸伝播の道を、今は満天の星々の瞬きが、諸行

無常とばかりに、無窮の証言者として閑に見守るばかりです。

 

 人間らしく生きること……さらに、この人生をよりよく生きようとする

ことは、一大命題ともいえるもので、いわば、この世に生まれ出た時

に背負ってきた問題集かもしれません。

 蹉跌の細道とは雖も、必ずどこかに救いがあり、希望が見えるもの

です。厳しい現実や、病気、貧苦に、この暮らしを痛めつけられると、

人はつい、生きる意味や、人生の価値を疑い、否定するようになり、

心に虚無を抱え込んでしまうものですが、それでも決して絶望しては

なりません。

 苦しみ、悩み、大きな壁にぶつかって、深い挫折感、孤絶感、辛酸

の中で、あらゆる不秩序のうちにも、自然や、社会を一貫して支配し

ている法則、秩序を見いだし、あらゆる不道理のうちにも、深遠な道

理を感じ取ることです。


「生れ生れ生れ生れて、生の始めに暗く、

 死に死に死に死んで、死の終りに冥し。」(『秘蔵宝鑰』)


 性悪説と性善説、迷いと悟り、煩悩と菩提の違いに通じるもの……
全ての現象は、心の現れとみる唯心説の立場をとりながらも、唯識
思想、如来蔵思想にとらわれ、学問に論じることなく、「無明長夜」
ともいえる、この娑婆世間、いわゆる忍土の世を、彷徨わなくてはな
らない人間の宿命を、「暗い冥い」の人間の生死にあてはめたものと
もいえるものです。

 

 ひたすらに生きようする盲目的意思を感じながらも、深遠な真理を
未だ識り得ない我が身の、自分の愚かさに、明けることのない夜……
「無明長夜」を憶います。
だからこそ、人は心の遍歴と軌跡の中で、無明長夜を照らす生きる灯
火を、心の旅を開く鍵を、人生の道すがらに求めようとするのです。

 

 凡そ、この日常些事の暮らしの中に於いて、役に立たないような事を

思案したり、綴ったりしておりますが、心が癒されますのは喜多郎氏の

シルクロード ( 絲綢之路 ) と、平山郁夫画伯の、幻想的で優美、時に

力強く哀愁を感じるシルクロード・ 絲綢之路です。

時には、莫高窟内の障壁画から飛天が抜け出し、二胡の韻とともに、

鳴沙山の天空、荒漠とした沙漠の上を飛天が舞い、時には、流れ星の

流れる幻想的な星夜の中をラクダの鈴の音が鳴り響く砂漠行……。
時空を超えて、心が癒されるものです。合掌

 

 

 

参考文献


高木訷元 著.『空海の座標』.存在とコトバの神秘学.

慶應義塾大学出版会,2016年

山折哲雄.上山春平.正木 晃 著.『空海の世界』.佼成出版社.

平成十四年

宮坂宥勝 著.『空海』生涯と思想,筑摩書房,1984年

静 慈圓 著.『空海の行動と思想』(第2版).高野山大学,2005年



 

< 所蔵作品本 >から転載。


『 平山郁夫シルクロード展 』
平山郁夫シルクロード展図録より1976年 
編集 朝日新聞社東京本社企画部

 
平山郁夫~シルクロード~奈良への道
平城遷都1300年記念特別展図録 2010年
平山郁夫 (著), 平山郁夫シルクロード記念館 (編集)


平山郁夫展~シルクロードの心1989年 
平山郁夫展 (著), テレビ朝日 (編集) 


平山郁夫の世界 2007年 
平山 郁夫   (著)

 
再興第94回院展全作品集~
追悼!平山郁夫画伯 2009年 
日本美術院 (編集) 出版社: 日本美術院


平山郁夫作品集 平山郁夫美術館2000年 
平山郁夫美術館 (著, 編集)

 

平山郁夫 (現代の日本画)1990年 
平山 郁夫 (著),    川口 直宜 (編集) 

 

「仏樹下説法図」 観音菩薩像壁画

シルクロード  絲綢之路第二巻 敦煌 砂漠の大画廊」
井上靖・NHK取材班 1980年 日本放送出版協会 


 

 

☆‥…─━━‥………‥☆彡今日のひと言……‥‥━━─‥…☆


 



「受胎霊夢」(1962年)

 

 

5月11日    摩耶夫人 受胎霊夢の 厳(いつく)しく……

 


摩耶夫人


受胎霊夢の


厳(いつく)しく


無限の智慧と


慈悲うるわしく

 

2020年5月11日  詠

 

*厳(いつく)しく  おごそかで美しいこと
 

 


☆‥…─━━‥………‥☆彡今日のひと言……‥‥━━─‥…☆

 



「行七歩」(1962年)

 

 

5月12日    誕生偈 過去七仏(かこしちぶつ)の……

 


誕生偈


過去七仏(かこしちぶつ)の


毘婆尸(びばし)云う


成仏なるは


今 ここ 我が身

 

2020年5月12日  詠


 


☆‥…─━━‥………‥☆彡今日のひと言……‥‥━━─‥…☆

 


「太子出城」(1969)

 


5月13日  ……この日より 菩提の道は 衆生に開けし

 

四門より


世を捨つるとも


この日より


菩提の道は


衆生に開けし

 

2020年5月13日  詠


 

☆‥…─━━‥………‥☆彡今日のひと言……‥‥━━─‥…☆

 



「月光らくだ行」2002年

 

 

5月14日   ……流砂の海に 鈴の音響く

 

天扉開く


銀河星団


耀けり


流砂の海に


鈴の音響く

 

2020年5月14日  詠

 


☆‥…─━━‥………‥☆彡今日のひと言……‥‥━━─‥…☆



「月明」1994年


 

5月15日  ……月の砂漠に 星の子ら落つ

 

銀紗灘


宙(そら)の道から


ひとすじの


月の砂漠に


星の子ら落つ

 

2020年5月14日  詠

 


☆‥…─━━‥………‥☆彡今日のひと言……‥‥━━─‥…☆




「敦煌莫高窟」 1988年

 


5月16日  砂鳴きて 風吹き流る 鳴沙山……

 

 

砂鳴きて


風吹き流る


鳴沙山


月の満ち欠け


月牙に映えゆ

 

2020年5月16日  詠


 


☆‥…─━━‥………‥☆彡今日のひと言……‥‥━━─‥…☆




「高野山奥之院」1989年

 

 

5月15日  晨昏に 天降(あも)る星道 昔日に……  

 

 

晨昏に

 

天降(あも)る星道

 

昔日に

 

御魂安らふ

 

高野の御山に

 


2020年5月15日  詠



 

・‥……─━━…‥憶いでの小筥から…‥…━━─…‥‥・

 

2016年7月28日


……湖(うみ)風の吹く…坂をのぼらん…

◆いのちを詠む……佛教短歌


 


郷の道


 

母を偲びつ

 


蝉しぐれ

 


湖(うみ)風の吹く

 


坂をのぼらん


 

2016年7月28日    詠



 


盂蘭盆会が近づいております。


毎年、この時期に憶いだすのは、

亡き母のことでございます。

 

すでに、野辺の送りをしてより、

7年目に入っておりますが、


憶いは、過去へは流れず、

ついこの間のように、


さまざまな記憶と共に甦ります……。

 


親の恩愛は、三世の海を越え、


永劫に続くものと信じておりますが、


それゆえに、

自らの力量の不足を感じるものでございます。

 

この琵琶湖は、

マザーレークとも親しく呼ばれております。

 

故郷の福島にも、

昔より、猪苗代湖が水をたたえております。


ピーターラビットの生みの親としても知られる、


イギリスの絵本作家 ヘレン・ビアトリクス・ポターは、


絵本にもたびたび登場する、湖水地方で終焉を迎えました。

 


10代の頃から、

ビアトリクス・ポターのような生き方が出来たら……と、

憧れを抱いておりました。

 

猪苗代湖、裏磐梯一帯は、

湖水地方と呼ぶにふさわしいところだと、


以前から、自分の中では憶っておりました。

 

亡くなる2年前、3月初め、

母と裏磐梯一帯を訪れた思い出が甦ります。

 

手造りパンのロッジ風のお店では、

建物のあたり一面が白銀に覆われ、


雪の結晶が、陽の光に反射して、

キラキラ輝いていたその情景が、憶い浮かびます。

 

そういった、懐かしい一つひとつを、


なぜか、この夏の盛りに憶いだしております……。合掌



 

・‥……─━━…‥憶いでの小筥から…‥…━━─…‥‥・

 

2016年7月29日


菩薩の天衣

◆いのちを詠む……佛教短歌



 

風そよぎ

 


菩薩の天衣

 

とりどりの

 


無垢な心に

 


世の美しき


 


2016年7月29日   詠

 

 


   


・‥……─━━…‥憶いでの小筥から…‥…━━─…‥‥・

 


2016年7月30日  


木漏れ陽の  葉隠れに聴く……

◆いのちを詠む……佛教短歌



 

木漏れ陽の

 


葉隠れに聴く

 


ひぐらしの

 


雲湧き流る

 


世の憂き事ぞ


 


2016年7月30日    詠



 


・‥……─━━…‥憶いでの小筥から…‥…━━─…‥‥・

 


2016年7月31日


ゆるやかな 湖(うみ)を眺むる…… 

◆いのちを詠む……佛教短歌


 


ゆるやかな

 


湖(うみ)を眺むる

 


坂道を

 


いちじんの風


 

清かに通り



 


2016年7月31日    詠




 

秋葉台を後ろに、

ゆるやかな坂道を登ってまいりますと、


右手に茶臼山古墳、しばらく歩を進めると、

小茶臼山古墳に至ります。

 

小茶臼山古墳の墳丘からの眺めは、

遠く伊吹山、鈴鹿、比良山の絶景が一望できます。

 

東屋に座り、耳を澄ませていますと、

藪の中から、深い森の奥から、

 

様々な野鳥たちの地鳴きと、

さえずりが聞こえてまいります。


ここは、野鳥たちのゆりかごなのです。合掌



 

・‥……─━━…‥憶いでの小筥から…‥…━━─…‥‥・

 

2016年8月1日


野あざみの 花 野に置きて……

◆いのちを詠む……佛教短歌


 

野あざみの

 


ゆるい坂道

 


湖(うみ)が見え

 


風にたわむる

 


花 野に置きて



 

2016年8月1日     詠



 


小茶臼山古墳からの、


ゆるい坂道をおりてゆくと、


右手に、茶臼山古墳の墳丘が見えてまいります。

 


その古墳道を右に折れると、


野あざみの草叢(むら)に出逢えます。

 


春4月には、


落ちてなお美しき、椿の花。

 


そして、斜面を埋め尽くす、
 

タンポポの絨毯(じゅうたん)……

 

ここは、野の花たちにとっても、


いのちを養うゆりかごなのです。合掌



 


・‥……─━━…‥憶いでの小筥から…‥…━━─…‥‥・


2016年8月2日~8月6日


巡礼の旅の空から……

◆いのちを詠む……佛教短歌

 

 

8月1日夕方 京都から小倉。 

小倉で乗り換えてソニックで大分県まで。

 

2016年8月2日 小倉で「さくら」に乗り換え、福山へ。


 

8月2日  風の音の 絶えて久しき…… 

 


風の音の

 

絶えて久しき

 

豊後海

 

供養の墓に

 

雲湧き流る


 

2016年8月2日     詠


 


8月3日(水)  惜別の 憶いを遺し 海の道……


 

惜別の

 

憶いを遺し

 

海の道

 

景色流れつ

 

世は事もなし

 


2016年8月3日     詠



 


8月4日(木)  ……命見つめる 瀬戸の夕凪


 

瀬音立ち

 

松永湾に

 

潮の満ち

 

命見つめる

 

瀬戸の夕凪


 

2016年8月4日     詠



 

8月5日(金)  朝凪(あさなぎ)の 海に別れし 薔薇の道……

 


朝凪(あさなぎ)の

 

海に別れし

 

薔薇の道

 

花の終いに

 

夏を見送る


 


2016年8月5日     詠



 

8月6日(土)  ……鳥の啼き音に 夜明けきたりて


 

わが庵に

 

身を知る雨や

 

降り鎮む

 

鳥の啼き音に


 
夜明けきたりて


 

2016年8月6日     詠


 


留守中も、拙いこの場に、

お立ち寄り頂きまして、ありがとうございました。

 

縁者の初盆供養、法務のために、

大分から福山に出向いておりました。


憶いかえせば、

昨年の今頃は、突然の余命宣告と急な入院の為に、

何がどうしたのか、状況の把握ができない状態でございました。


最愛のご長男を3年前に看取られ、

その後、芳しくない体調のため、


近くの病院に一人で出かけ、

宣告を受けた夜の日記は、

その日のページだけ、破り取られておりました……。


どのようなお気持ちであられたのか、

心が痛みます。

 

最期まで、気丈な御方であったと、

今まで受けた御厚情に、

早目のお参りをさせて頂きました。

 

〇〇さん……

みなさん、どうですか?

 

私の暮らしぶりを尋ねる、

そのあたたかなお人柄が、


今でも偲ばれます……。合掌



 

・‥……─━━…‥憶いでの小筥から…‥…━━─…‥‥・

 

2016年8月7日


実芭蕉の葉……

◆いのちを詠む……佛教短歌


 


茫々と

 

風の来たりて

 

夕暮れの

 

実芭蕉の葉

 

儚く揺れて

 


2016年8月7日     詠


 


・‥……─━━…‥憶いでの小筥から…‥…━━─…‥‥・

 

2016年8月8日


身を知る雨に、命の意味を問いながら……

◆身を知る雨……


 

身を知る雨……。

 

人生の細道の角を曲がるたび、


心が澄んで、

身に積もる重荷も消えて、


この心が軽くなりたいものですが、

 


ともすれば、


波騒の音に惑わされ、

心の憶いにとらわれてしまうものです。

 

人は、身を知る雨に、

命の意味を問いながら、


身を知るほどの風に、

この身を吹かれながら、

 

誰のものでもない、

この人の世を、命のある限り生きて、


根付いた場所で、しっかり根を張り、

花を咲かせて生きてゆくのです……。合掌



 


・‥……─━━…‥憶いでの小筥から…‥…━━─…‥‥・


2016年8月10日


空の蒼 雲群るごと…… 

◆いのちを詠む……佛教短歌


 


空の蒼

 


雲群るごと

 


泡沫(うたかた)の

 


夏の終わりに

 


ひぐらしの鳴き


 

2016年8月10日    詠


 


この7月、8月と遠方へ出向く機会が多く、

以前のように、

逍遥と古墳の周りを歩くことができませんでした。

 

今日は、外出の折に、

茶臼山古墳の周りを歩いてまいりました。

 

日が翳り、暑さも幾らかしのぎやすく、

琵琶湖からの湖風が心地よく、


ふと見上げますと、

中天にかかるお月様……。

 

すっかり、秋のような空模様です。

 

お精霊を送りますと、

吹く風の中にも、秋の気配を感じるようになります……。

 

残暑厳しき折、


連日の猛暑には、どうぞご自愛くださいますよう。合掌




 

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◆「こころの磨き砂」

 


2016年8月9日


身を知る雨……。いわゆる、人生の涙。

◆身を知る雨……


 

嵐の中にも時は流れ、


刻々と、時は過ぎてまいります。

 


心静かに、憶いを深める時、


誰の上にも等しく降るのが、

 

身を知る雨……。

 

いわゆる、人生の涙。

 


勝ち負け、成敗は時の運。


一時の星の巡り合わせなのですから、

 


人の品格を、


勝敗で評価することはできないのです。合掌


 


 

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◇編集後記

 


風澄み渡る、

 

若葉のさわやかな季節となりました。

 

樹々の緑が目にまぶしい今日このごろ、


小鳥たちの可愛らしいさえずりが、木立に響き渡り、

 

初夏の到来を憶わせるものです。

 

お健やかにお過ごしくださいますよう……。 拜



 

 

 


 






※記事に掲載されている文章、和歌、画像は既に出版されている
ものもあり、無断転載・引用はご遠慮下さいますようお願い申し
上げます。どうぞ、おくみ取りくださいまして、
よろしくお願いいたします。