6月7日(水)、赤川登山口より、稲星山と白口岳に登りました。

 前日までの雨が止み、まとまった時間が確保できた日、コロコロ隊登山の予定日ではなかったけれど、一人で出掛けることにしました。

 

コース:

赤川登山口―40分→猪鹿狼寺跡―135分→神明水分岐―20分→稲星山頂―15分→稲星越―20分→白口岳山頂

白口岳山頂―20分→稲星越―20分→稲星山頂―15分→神明水分岐―100分→猪鹿狼寺跡―30分→赤川登山口

 

 赤川登山口から猪鹿狼寺(いからじ)跡を経由して神明水に登るルートは、まだ通ったことがなく、以前から気になっていました。6月はミヤマキリシマ登山でくじゅうが渋滞する時季ですが、このコースなら静かな山が楽しめそうです。

 

 7時40分に赤川登山口駐車場に着いた時には、20台ほど車が停まっていました。多くの方は久住山や扇ヶ鼻を目指している様子でした。

 神明水ルートは、駐車場を少し下って、金属扉の脇からコンクリート舗装路に入ります。

 

 しばらく舗装路を歩いて、「南登山口コース」と書かれた山道に入ります。

 

 

 森の中を歩きます。道が崩落している所もありました。

 

 一旦、舗装路に出ますが、横切って、また山道に入ります。

 

 苔むした杉木立の中を進みます。

 

 猪鹿狼寺本堂跡です。小さな祠と礎石の跡がありました。

 この不思議な名前ですが、鎌倉時代、殺生禁止であるこの地で狩りをした武将が、動物の霊を慰めるために寄進したことに由来するそうです。1586年に焼失した後、久住町の中心部に猪鹿狼寺が建てられ、観光名所のひとつとなっています。元のこの場所は、魂が吸い取られそうなくらいシンと静まりかえっていました。

 

 小さな沢を渡渉し、ひんやりとした森の中を進みます。

 

 

 「根子見台」という看板があり、お地蔵様が祀られていました。岩の所まで行ってみると、根子岳はじめ阿蘇の山が見えました。

 

 

 ようやく日の当たる場所に出ました。ミヤマキリシマの株がありますが、花は終わっていました。

 

 久住山の眺めがよいです。

 

 振り返ると、阿蘇の山々も先程より良く見えます。ミヤマキリシマも咲いています。

 

 再び、眺望の効かない笹原の中を進みます。

 

 傾斜のきつい所もあり、黒土に足を滑らせながら一歩一歩進みます。初めての道で、先の見通しが立たず、くじけそうになります。

 

 長い登りに疲れた頃、ご褒美のように視界が開けました。ポツポツとミヤマキリシマも咲いています。

 

 登山道の横を水が流れています。これが神明水なのかなと思いながら登ります。気分も明るくなります。

 

 神明水分岐に着きました。正面に見えるのは、中岳のようです。頂上に人が立っているのが見えます。ちなみに、赤川から神明水分岐までは、誰も登っている人に会いませんでした。

 

 こちらが稲星山の方向です。これから登ります。

 

 背丈の低いミヤマキリシマの間を登ります。虫にやられて咲いていません。

 

 茶色い砂地の上に岩が見えるところが、稲星山の頂上です。

 

 神明水分岐から20分で稲星山頂に着きました。途中、数人の人とすれ違いました。

 

 360度の展望です。久住山と、その右に星生山が見えます。

 

 次に向かう白口岳です。背後に、平治岳、北大船山、大船山と連なります。ミヤマキリシマ真っ盛りなので、あちらは平日とはいえ賑わっていることでしょうね。

 

 稲星山東面のミヤマキリシマは、株数は多いのですが、虫害で全滅です。

 

 大船山を見ながら、胸の高さくらいの樹間を稲星越に向かって下ります。

 

 稲星越に着きました。

 

 きれいに咲いている株もあります。

 

 白口岳が近くなりました。これからまた登りです。

 

 右手に、ピカチュウの池と登山者に言われている片ヶ池が見えました。鳴子山の裾野にあります。

 

 白口岳山頂に着きました。背景は大船山です。

 一人の登山者の方が、お昼ご飯を食べていました。私もここで昼食をとります。

 

 白口岳山頂も眺望がよく、坊がつる、山肌かピンク色の平治岳と北大船山、見おろす場所にピンク色の立中山が見えました。立中山とは距離も近く、人がたくさん居るのがわかりました。

 

 中岳方面です。

 

 三俣山方面です。

 白口岳からは、くじゅう連山が全部見えるのではないかというくらい、ぐるっと見渡せました。いつもと違う角度から見るくじゅうの山々の眺めを堪能しました。これからまた長い帰り道が待っているぞ、と自分に気合いを入れて、白口岳山頂を後にしました。

 

 稲星山を登り返して神明水分岐に下っている時、数少ない登山者の一人に「どうぞ」と道を譲ろうとすると、「ゆっくり登っているので、よいですよ」とのお返事。聞くと、ミヤマオダマキを探しながら登っておられるとのことでした。皆がミヤマキリシマに夢中になっている時季ですが、静かな場所で自分の贔屓の花を探すのも素敵なことだな、と思いました。

 今回は、花に目をやる余裕がなかったな、と反省しながら往路を戻りました。神明水分岐から赤川までは、復路も誰にも会いませんでした。