エヴァンゲリオンを原案として、シェルカウイが演出。

 

エヴァンゲリオンの基本的な世界観を引き継ぎ、機関名や人名などを微妙に変えて展開。八百屋舞台もいいところの急な傾斜のステージに面食らったが(だって、その上で踊るんだよ??)その舞台が細かく分割して様々に形状を変えていくのが面白い。途中、ジャングルジムのように複雑に内部を通ることができる装置に変わったりもして、舞台造形は見事だった。エヴァを操作しているときの表現(人間はフライング、エヴァは文楽のような人形)も巧みで、次はどんな仕掛けが飛び出すのだろう?というワクワクがある。

 

身体表現としては、コンテンポラリーダンサーだった石橋静河やバレエ経験者の宮下今日子はもちろん(あとアンサンブルの方々)、窪田正孝の抜群の身体能力が最大限に発揮されていて見ごたえ抜群。他のエヴァパイロットを演じたキャストだけがやや浮いてしまう結果となったが(芝居のテイスト的にもある程度仕方がないものの)、板垣瑞生はポテンシャルを強く感じさせる好演。特に、エヴァ操作シーンにおけるダイナミックな身体の使い方は目を見張るものがあった。

 

ストーリーは、エヴァを踏襲しているようで結論としては全然違う感じになっているので、賛否両論かと思う。この舞台はこの舞台として楽しむことができれば、わりとまとまっていてわかりやすい。むしろ、話としてやや小さくまとまりすぎでは?(解釈の余地をもう少し残してもいいのでは?)という感じだった。もともとの作品が非常に解釈の幅が広いつくりなので、シェルカウイが構成しなおすのであれば、もっと抽象的でも良かったのではないかと個人的には思う。あ、あと田中哲司もちょっとだけ踊ってたよ。