ベン・アフレック監督最新作。

 

1984年、ナイキのバスケットシューズ部門に勤めているソニーは、社長のフィルらから部門消滅のプレッシャーをかけられていた。コンバースとアディダスが市場を独占しているバスケットシューズで勝ち目はないように思われたが、ソニーはNBAデビューしたばかりのマイケル・ジョーダンにすべてを賭けるべきだと主張し……。

 

いやあ、面白かった!文句なしに面白いエンタメお仕事映画。

 

1980年のいけいけな空気感、スピード感のあるセリフの応酬、忌憚なく意見をぶつけ合うが、一度こうと決めたらとことん背中を押すというアメリカ人の良い部分。ハッタリと情熱。そういった、昔から我々がアメリカの映画に期待するすべてが詰まっていた。

 

とにかくセリフがおもしろくて、1回出てきたイジリが再度出てきたり、クリス・メッシーナが電話口で繰り出す罵詈雑言がひどすぎたり、クリス・タッカーの喋り方がすでにおもしろかったりと、基本的にクスクス笑いながら観られる作品だった。それでいて、ヴィオラ・デイヴィス演じる賢く逞しい母親がガチっと緊張感を持って締めていたりするからもう……この人たちのつくる映画はいつもこうだよ!「おもしろい」ということにかけては絶対に文句を言わせないけど、ふざけすぎず正攻法で攻めてくるんだよ!(最後の決闘裁判はちと趣が違うけど)

 

ヴィオラ・デイヴィス以外はすべて男性だ多ったり(時代がそうなんだから仕方ないのだが)、アディダスイジリはちょっとやりすぎなんじゃないかと思ったり、あまりにも気持ち良すぎるスピード感で、ほぼ停滞しないことが逆に腹立たしかったりするのだが、とにかくおもしろいのは間違いない。爽快でしかない映画だった。

 

とはいえ、それ以上なにか言いいたいことがある映画でもないんだよなー。良くも悪くも「面白かった!終了!」みたいな潔さがある。