フランク・ハーバートの古典SF『DUNE』の2度目の映画化作品。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督。

 

西暦10190年。皇帝の命の元、力を持つ大公家が各惑星を統治している世界。強大な力を持つアトレイデス家は砂漠の星アラキスを治めることになった。アラキスでは特殊なスパイスであるメランジが取れる。メランジは抗老化作用がある他、惑星間の航行を可能にする力があるなど世界には必要不可欠な物質。また、アラキスには砂漠の民であるフレーメンが暮らしており、元々メランジの採掘権を持っていた暴力的なハルコネンに苦しめられていた。アトレイデス家に巨万の利をもたらすアラキスを奪われた形のハルコネン家。しかし、その裏には恐ろしい計画があり……。

 

いやー、面白かった!2時間半超+ドゥニ・ヴィルヌーヴ+中途半端なところまでというトリプルコンボでけっこうキツいかな?と思って臨んだら、全然そんなことなかった!原作は未読だがあらかじめ世界観などは予習していたのと、要所要所で説明パートがあるのでわかりやすい。「全然ストーリーが進まない」という評判も聞いていたものの、そんなことなくない?かなり起伏がある展開だった気がするけれども。

 

確かに、このシーンにこれだけ時間かけるか!?というシーンがいくつもあるので、少なくとも30分は短くできたとは思う。でも、圧倒的な映像美なので「ずっと見ていたい」という気持ちが勝ってしまって、なんならもっと長くても良かったくらい。すべてのカットがいちいちかっこいいし、呆気に取られてしまう迫力なわけですよ。IMAXで鑑賞したからかもしれないが、自分も西暦10190年に飛んで行ってしまったような没入感。こんなにのめり込んで映画を観たのは久しぶりだ。

 

主人公ポールを演じるティモシー・シャラメの美しさは壮絶で、「特別な子」というのがビシビシ出ている。訓練している割にガリガリなのだが、15歳という設定を加味すればむしろリアルなのかも。睫毛が長いわ多いわ、泣くわ怒るわ苦しむわたまに笑うわ、ジェイソン・モモアに飛びつうわでシャラメを追うだけでもお腹いっぱい。シャラメありきといっても過言ではないほど彼の存在は大きい。

 

他のキャストもバッチリキャラが立っていて、さすが古典的名作だけある。世界観の作りこみも、キャラクターの設定も破綻がなく個別化できているというか、チラっとしか出てこない人物もしっかり印象に残る。誇張なしに全員が魅力的だった。やや説明台詞が多いものの、伏線回収や闘牛のモチーフなどのわかりやすい仕掛けもスッキリしていて、構成も気持ちが良かった。

 

まだまだ先が流そうな本作。早く作って後悔しないとシャラメとゼンデイヤがもっとずっと大人になってしまう!急いでー!!!あー。もう1回観たい。

 

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