数日前に観た某舞台でいたんだよ…前のめりが。

 

私は友人と観に行っていて、その隣の人が前のめりになっていた。しかも、けっこう大柄な男性。自分の隣ではなかったので2幕の途中まで気付かなくて、気づいても注意できる距離でもなかったのでどうすることもできなかった。ちなみに、前から6列目のど真ん中。あらゆる状況から鑑みて、関係者の確率は高いのかなあ。そのすぐ後ろの席から傾斜がついている劇場だったのが不幸中の幸いだけど、それでも後ろの人の視界は妨げられていたのではないかと思う。

 

前の人が身を乗り出すと、視界は妨げられる。妨げられないのは基本的に中通路後ろしかない。それは否定できない事実であり、私もそれで散々悲しい経験をしてきた。

 

でも、自分が被害を被らないと想像できないのも分かる。劇場にも映画館にもほとんど行かない人は、自分の体勢が他人にどう影響を与えるのかなど分からないのかも。スマホの電源を切って、とか、飲食しないで、とかの注意よりもピンとこないのかもしれない。それでも、せめてもの注意喚起にアナウンスしてくれるようになったのは、本当にありがたいことだと思う。

 

稽古場での稽古が終わって劇場に入ると、場当たりの際に色々の席に座って「見切れチェック」をする。その結果によって、売り止めていた席を当日券に開放したり、逆に全く観えない席を振り替えたりする。高いチケット代を払って観に来ていただいているので、見切れチェックはかなりシビアにやっているカンパニーがほとんどだと思うが、それでも当日の運によっては観づらくなってしまう場合がある。前のめりもそうだし、前の人の髪形や座高の問題もある(着物とかね…)。せめて、心がけで回避できる部分についてだけでも回避したいと願うのは誰しも同じだろう。

 

確かに、日本の劇場は注意事項が多い。それは、互いに気軽に声を掛け合うのが難しい国民性もあり、できるだけ不安要素は取り除きたいという劇場側の配慮だ。アナウンスがあるから感動が薄れるなんていうことはないし、むしろノイズがない状態で純粋に感動してもらいたいと願うからこその配慮のはず。感謝をしないとね。

 

ちなみに、客出しアナウンスについては、カーテンコールを何度も何度もやる習慣のせいだと思う(BWでは超あっさり終わる)。客出しアナウンスをしないと、後奏の曲が終わっても「カーテンコールあるかも?」と期待して残っちゃうんだよね。「カーテンコールやってくれる気があるのに、先に帰ったら申し訳ない」みたいな空気ね。

 

正直、私個人は複数回カーテンコールは好きじゃない。劇団四季の作品を観に行くと、内容に大いに感動するのにカーテンコールが多すぎて醒めてしまうことがある。あんまり何度もやると、形骸化しているみたいな気がしてちょっと辟易……カーテンコールは2回でよし!スタンディングオベーションしたいなら初っ端で立つ!これが私の理想です。最近、あっさり系カーテンコールが増えつつある気がして、個人的には良い傾向だと思っている。