作・演出:本谷有希子
<出演>
りょう
佐津川愛美
松永玲子
羽鳥名美子
吉本菜穂子
木野花
<ストーリー>
山間の小さな集落。蓉子(りょう)は、この町の麩焼き場で麩を揚げて働く、新婚ほやほやの奥さんである。嫁ぎ先の夏目家には鳥を溺愛するあまり、自作の鳥園を作っては近所の子供から入園料を取る、商魂たくましい義母(木野花)と、長男の嫁(松永玲子)がいた。麩揚げ場には村の女達も働きに来ている。蓉子も馴染みつつあったそんなある日、新婚一ヶ月で夫は突然、失踪してしまう。
山に捜索隊も出たが見つからず、村では義母の面倒をみる嫁を身代わりにして失踪した、と噂が広まる。東京から嫁いできた蓉子に、親切とお切開で「あんたも出て行ったほうがいい」と忠告してくれる者もいたが、蓉子はきっぱり噂を退け、旦那を信じて待っている。
旦那がいなくなってからも、義母は使い勝手のいい蓉子を手放そうとはしない。働き者の蓉子は義母に命じられ、鳥を世話し、食事の支度をし、麩を揚げ続ける。
鳥の世話をして旦那を待ち続ける蓉子の夢は、鳥園のつがいの孔雀がいつか羽を広げるところをみることだった。前に一度だけ羽を広げたところを夫と眺めたことがあり、その時が幸せだと感じたのだ。思い出を心の宝物にしながら、彼女は慎ましくせっせと暮らしていた……。
@本多劇場
非常に面白かったです。ドロッドロで濃密な世界。まさに地獄。でも笑える。いままさにノリにノッている作家なんだと実感しました。口をあんぐり開けたまま2時間が経過した感じです。
自分の中の深い部分から搾り出しているのでしょうか。ギリギリ常軌を逸した世界観とやけにリアルな質感が、あたかも作者と演者と観客の間に闘いが繰り広げられているかのような、一触即発の空気を生み出していました。他の作品も似たような雰囲気なのだとしたら、いつか枯渇する才能なのかもしれません。でも、「いま観ておくべき芝居」だということは確かだと思いました。
それにしても、役者が巧すぎました…木野花さん、すごすぎてグウの音も出ません。作者はキャスティングの才能もあるのでしょう。演技、完璧。
あと、最近観た芝居の中では1番素直に笑えました。やはり同年代の女性が書いた台詞だからなのでしょうか。本当に女の思考回路って、グロいですよね…。

