会社が長年積み上げてきたことを1つの発言が壊す | 美容・医療ジャーナリスト 海野由利子のブログ

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美と健康にまつわるさまざまなニュースや注目していること、雑誌に載せきれなかった情報をお伝えします。

いやぁ、昨日報じられた吉野家元常務の発言は本当にマズかったですね。

本日早々の解任となり発言者の肩書には「元」が付くようになりました。

 

私がこの報道を聞いたとき、発言のとんでもなさに唖然としたと同時に

常務でありながら近年の吉野家さんの研究や努力を知らないのか?と思いました。 

 

10年ほど前から糖尿病・予防医療あたりの分野で低糖質食が話題になり始めると

牛丼は「太りそう」とか「体に悪そう」というイメージを持たれたそうです。

そこで吉野家さんがとった行動は、科学的・医学的に検証することだったのです。

 

吉野家HPより

 

吉野家さんが日本抗加齢医学会で行った発表・講演は、私が知っているだけでも2回はありました。

豚肉、玉ねぎとご飯を一緒に食する牛丼は血糖値を急上昇させることはない、という検証データが得られています。

また、血糖値の上昇を穏やかにするサラシアを配合した「サラシア牛丼」を開発・発売もしていました。

 

一部の人に持たれていた「体に悪そう」というイメージに対して、きちんと検証し

「健康」へのニーズに応える商品開発も行う食品メーカーさんだと、私は認識しています。

抗加齢医学会とも関わって、最新の医学情報も得ていらっしゃいますし。

それを知っていたので、努力の積み重ねを壊すあの発言は、企業として許せないだろうと思っていました。

 

 

吉野家さんの話ではありませんが、

「小さいころから食べ慣れた味は、一生美味しい、懐かしいと感じて食べ続ける」

ということを、食関係、医療関係などから聞いたことがあります。

だから、世界的な外食チェーンや食品メーカーは子供を含むファミリー層に

食べてもらえるような商品づくりをするのだ、と。

 

それは、長期間ユーザーでいてもらうための「マーケティング戦略」。

その語り方や個々の脳内スタンスは、お客と自社商品をどう捉えているかで変わりますね。

それがよくわかる今回の事件でした。

 

1980年でしたか、危機的な状況から見事に復活した吉野家さんを知るだけに

今の“愛される状況”を大事にしていただきたい。

とにもかくにも、今回の良くない影響が少なく、短期間ですみますように。