あまりに仕事が忙しすぎて、久しぶりのブログ更新。
とはいえ
この話が面白すぎて、どうしても書いておきたくなりました「言壺」。
「言葉」を軸に、時間帯を超えてつながった、オニムバス形式の近未来小説です。
たとえば、未来の作家は「ワーカム」という、文書作成マシンで小説を作って
ネット上に発表する(書籍にできる人もごく一部いる)。
「ワーカム」は優秀で、キーワードをたたき込んでいくうちに、それらしい文章に仕上げてくれるらしい。
だから、「僕を生んだのは姉だった」とかいう、ありえない言葉をつなぐ入力は受け付けてくれない。
自由が利かなそうでもあるのだけれど
それが、一から自分で書いた小説より、案外一般受けして売れちゃったりする。
だんだん、もとは自分がどんなことを書きたかったのか、今書いていることは「ワーカム」の思想なのか自分の思想なのかが曖昧になってくる
さらに未来に進むと、ワーカムは、登録主のあらゆる記録(日記とか、音声とかまで)から思考パターンを読み取り、本当に一つのキーワードからどんどん物語を発展させていくようになる。
ワーカムは音声発信もできて、声色まで好みで登録できる。
死者をよみがえらせるような錯覚まで可能になってしまう。
また、ある未来では、もう、人はワーカムを使った「物語を作る」という仕事しかしなくなってしまう。
実務作業は機械か、下の階層の人間がやってくれるから。
そして… 機械の作る「言葉」に支配された人間がその後行きついた「言葉」の操作方法とは?
(*以上のようやく、すべて私のうろ覚えからの解釈によるものです…)
すごい 大げさなようですが
あり得る話かも~
と、思ってしまいました。
とっても便利な機械の登場によって、使う「脳みそ」が変わることってあるじゃないですか。
ケータイを持つようになったら、もう電話番号を暗記しなくなった、みたいな。
文書を作成してくれるマシンができたら、文章として思考を整理する脳は、違う使われ方をするでしょうね。
そして、そんなことはさておいて、文章作成マシンとか、作られなくもなさそうな気がする
ちょっと前に、遅ればせながら「バベルの末裔」を読んだのですが
こちらはコンピューターが「意志」を持つようになって人間に戦いを挑むという、
よくあるターミネーター発想のお話ですが、
登場人物の人格設定から、そのシステムが構築されていく現実味まで、
なんだかどうも、リアリティが薄いな~と。
そのパターンより、「言壺」の、機械が意志を持っているわけではないのに
人がそれを使うほどに
どんどんそれに支配されていくという流れの方が、圧倒的に説得力がある。
しかも、このお話が20年も前に書かれていると知って、驚き。
まだこんなにみんながパソコン・ケータイ漬けではなかった時代ですよ。
この作家さんの作品、初めて読んだのですが、他も試してみようと思いました
とにかく、おもしろかった。
最近のベストです










