人生の後半を軽やかに整える伴走者
心みねこです
他人への優しさが、
自分を苦しめることがあります。
※この物語は、
14年間のカウンセリングで出会った
多くの女性たちの心を、
一人の「良子さん(仮名)」という
主人公に重ねて描いています。
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良子さんは、とても優しい女性でした。
小学生のお子さんが二人。
幼稚園に通う末っ子が一人。
毎日、子どもたちの面倒を見ながら、
同居しているお母さんの介護もしています。
ご主人は会社で責任ある立場。
朝は早く、帰りは遅い。
休日も仕事や付き合いで
家を空けることが少なくありません。
だから良子さんは、
いつもこう思っていました。
「私が頑張ればいい。」
「夫も大変だから。」
「お母さんは病気なんだから、優しくしなきゃ。」
それが、当たり前になっていました。
お話を聴けば聴くほど、
良子さんが
毎日どれだけ頑張っているかが伝わってきます。
朝は6人分の洗濯から始まって
朝食の支度
学校へ送り出し
その後はお母さんの通院の付き添い。
午後は幼稚園のお迎えに行き、
小学生が帰ってくる
宿題を見ながら夕飯の支度。
やっと子どもたちが寝たと思ったら、
翌日の準備が始まります。
でも、
ご本人にはその自覚がありません。
むしろ、
「しかたがありません」
「みんな大変ですから。」
そう言って笑うのです。
14年間、
この仕事をしてきて何度も感じることがあります。
頑張っている人ほど、
自分が頑張っていることに気づいていません。
頑張ることが当たり前になっているからです。
良子さんも、まさにそうでした。
私はお話をお聴きしながら、
ある言葉がずっと心に残っていました。
「病人には優しくしなきゃ。」
良子さんにとって、
それは疑うことのない当たり前でした。
でも…。
もし、その優しさが、
自分のキャパを超えてしまっていたら?
その優しさの中に、
自分への優しさは入っているでしょうか。
お母さんには優しい。
子どもにも優しい。
ご主人にも優しい。
では、一番最後になっている人は誰でしょう。
良子さん自身です。
優しい人ほど、自分には優しくできません。
「私はまだ大丈夫。」
「もっと大変な人がいる。」
そうやって、
自分の気持ちを後回しにしてしまうのです。
後回しにしているうちに
本当の気持ちがわからなくなってしまいます。
私は、このとき感じていました。
良子さんを苦しめているのは、
介護も子育もそうなのですが
もっと奥にある、
思い込みでした。
私たちは、現実に苦しめられていると思っています。
でも実は、
現実そのものより、
その現実をどう受け止めているかの方が、
人生に大きな影響を与えています。
その思い込みに気づいたとき、
止まっていたものが少しずつ動き始めます。
そのお話は、また次回。
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