フリースタイル言語学 | うみねこ島 ベストセラー以外の本を読みたい人のために

うみねこ島 ベストセラー以外の本を読みたい人のために

ベストセラーやポピュラーな本もいいけど、ちょっとつまらない、物足りない、
という人もいるでしょう。

このブログは、中世ファンタジーでなくても、魅力あるヒーローは作れることが実感できる
「黒ねこサンゴロウ」シリーズをみなさんに紹介するために開いております。

フリースタイル言語学 川原繁人

 

言語学の本と言うよりは、

言語学者である著者の本。

“エッセイ”と言ってもいいかもしれないから

ずんずん読める。

 

読み手を引き込む学者の文章ということでは

福岡伸一みたいだが、

もっと個人的な話で楽しませてくれる。

 

同じ著者の『音声学者、娘とことばの不思議に飛び込む』もおもしろかった。

 

言語学の方の話で一番おもしろかったのは

「にせだぬきじる」と「にせたぬきじる」の違いを

日本語話者がある程度認識しているってことかな。

あと「にせ+たぬき=にせだぬき」なのに

「にせ+とかげ≠にせどかげ」にならない理由。

 

本書を読もうと思ったのは2024年6月に放送された

スイッチインタビュー「上白石萌音×川原繁人」で紹介されていたから。

そしたらダンナ、そのエピソードがもう注に入っているじゃあーりませんか。

エルデーシュ・ベーコン数(ナンジャソラ)のところ(p.291)。

なので、買うなら2024/7/15発行の5刷以降をオススメする。

 

こういう突拍子もない本に、この装丁をぶつけてきた

装丁家坂川朱音さんもなかなかやるよな。