ダークマター ダグ・ジョンストン/菅原美保訳
母、娘、孫娘という3世代の女性が
素人探偵をやるミステリー。
いくつかの独立した謎が進行するんだけど
緊迫感もあるし、意外性もあって、
探偵ものとして骨太なものになっているから
楽しんで読めると思う。
でも、本書の特徴は、
3人の心理描写のこまやかさにあると思う。
ミステリーとは別の軸として
フェミニズムというか、
”女性の生き方”にも焦点がある。
3人は、その年代ごとの価値観を持ちながら、
生き方を模索し、自省する。
男性の身勝手さや意識を指弾する局面も多いのだが、
実は男性作家が書いているというところが
ちょっとした驚きだ。
こういう女性心理を書ける男性もいるんだねえ。