現代アートを続けていたら、いつのまにかマタギの嫁になっていた | うみねこ島 ベストセラー以外の本を読みたい人のために

うみねこ島 ベストセラー以外の本を読みたい人のために

ベストセラーやポピュラーな本もいいけど、ちょっとつまらない、物足りない、
という人もいるでしょう。

このブログは、中世ファンタジーでなくても、魅力あるヒーローは作れることが実感できる
「黒ねこサンゴロウ」シリーズをみなさんに紹介するために開いております。

現代アートを続けていたら、いつのまにかマタギの嫁になっていた 大滝ジュンコ

 

山奥の小さな集落に住むようになった人(嫁)が

そこの暮らしをつづっている。

 

この著者は、それができる才能を持っていた、としか言いようがない。

一番大きいのは、山の集落での日々の作業を

(大変だとごぼしなからも)楽しみを見つけられる感性だろう。

 

もちろん、こういう著者(ただの嫁ではなく、工芸作者でもある)を受け入れる

ダンナと義父母と集落の人々であったことも欠かせないが。

 

いま著者がやっている、

「羽越しな布」の継承にまつわるゴタゴタは

サラッと書いてあるけど、そんなことはなかろうと思える。

 

問題意識を持って読もうとすると

いろんな課題が押し寄せてきてしまうので、

「山暮らしをしている人のエッセイ」ぐらいの軽い気持ちで

本書を受け止める方がいいような気がする。

 

現代アートもマタギもそれほど出てこない。

後者の理由は、熊の巻き狩りに女性が参加できないので

書くことが限られているから。