過去に「消滅した”うさぎ島”は」というタイトルで投稿したブログ(長らく非公開にしていました)の再公開をしています。トップページの「記事一覧」から探せます。

 

 

 

 現在ウサギはいないものの・・・当時どのような環境下でウサギ達が過ごしていたのか、ずっと気になっていた愛知県の前島に先日、初上陸しました。

 

 前回(2013年)訪問した際は潮干狩りの禁漁期間中で、海岸には柵が設置されており前島に行くことができない状態でした。

 

 干潮時のトンボロ(砂州のようなもの)を歩いて前島に渡れるのは4月下旬から8月上旬の期間の、潮干狩り開催日かつ干潮時のみのようです。それ以外の方法として前島での野外バーベキュー予約をすれば船を利用して上陸できるようですが、これは通年営業しているのかどうかわかりません。

 

 

 潮干狩りをされる方は一人1,200円で、2kgまでアサリ等の貝を持ち帰りできます。

 

 潮干狩りをせずに前島を見学する場合は、干潟(トンボロ)入場料として300円支払います。

 

 

 

 

 かつてのこの「うさぎ島」の概要等は、当方の過去ブログや以下のリンクを参照してください。

 

 

 Wikipedia、前島の概要。

 
 

 

 マピオン、簡単な島内マップ

 

 

 1962年12月報道・中日ニュース「うさぎ島」。

 

 

 

 海岸道路から見た前島。

 

 

 

 入場料を払って干潟へ。
 

 

 

 トンボロ(砂州)。時間が経過するにつれ、どんどん広がっていきます。(干潮1時間前)

 

 

 

 西浦温泉のホテル群が見えます。

 

 

 

 前島に上陸。

 

 何でか鐘があるわ。(笑)

 

 

 

 休憩所付近から見た船着き場方面。

 

 

 

 アジサイがちょっとだけ咲いています。

 

 歩道周辺にはフナムシがいっぱい!

 

 

 

 これは・・・かつてあった遊歩道の階段跡のようです。

 

 

 

 船着き場から見たトンボロ・休憩所方面。

 

 

 

 船着き場の近くに、通行できそうな遊歩道の入り口(階段)が・・・

 

 

 

 階段を上がってみると・・・

 

 

 

 ちょっとした広場が。

 

 左後ろ側にもちょっとした広場があり・・・それがたぶん展望台跡かと。

 

 まず、画像の正面方向へ歩いていきます。

 

 

 

 すぐに浜が見えてきました。

 

 

 

 向こうの島は、かつての「さるが島(沖島)」。

 

 この島と同様に、学術研究としてニホンザル36頭が放され、一時最大90頭まで増えたとのことです。

 

 

 右に灯台のある岩場(毛無島)が見え、薄っすらと海面下に砂州っぽいものが見えるのですが・・・

 

 たぶん干潮になっても、歩いて渡るのは無理かなぁと思われます。

 

 

 

 ここ、かつては海水浴場だったらしいのですが・・・

 

 

 

 荒れた階段を上がります。

 

 

 

 分岐があり、左はその先がヤブのようになっており・・・

 

 右のルートへ行くしか選択肢はないようです。

 

 

 

 観光客が来ないので、遊歩道の整備がされていないみたいですね・・・

 

 

 

 また分岐がありましたが、右のルートは倒木が見えましたので・・・

 

 左のルートを進みます。

 

 

 

 どこまで行けるかな・・・?

 

 

 

 さっき倒木があったルートとの合流点なのかな?

 

 

 島内マップがないので・・・

 

 今、自分が島のどのヘンにいるのかくらいはわかりますけど、この時点では先にリンク先を紹介した「島内簡易マップ」の存在をまだ知らず・・・どういうルートの遊歩道が存在していたのか、この時はサッパリわかっていませんでした。

 

 

 

 あら?

 

 

 

 たぶんこれが、ある意味「終点」(島の東端付近)。

 

 この道はたぶん、休憩所脇に下りられるルートではないかと思われます。

 

 

 ここでUターンして、最初のちょっとした広場まで戻ってみると・・・

 

 反対側(展望台跡)の奥の方から、カエルの鳴き声のようなものが聞こえていて・・・

 

 「もしかして、水場があるのか?」と進んでみると・・・

 

 

 水場などはなく、鳴き声は木の上の方から聞こえます。

 

 

 

 

 足元の草を見てみたところ・・・

 

 あ、これって!!

 

 

 

 

 やっぱり・・・

 

 木の上に鳥の巣がいくつもありました。

 

 

 木々の隙間からなのでよく見えませんが、何か大きな鳥が上空にいるようで・・・

 

 たぶんですが、トンビの巣だと思われます。

 

 撮影していたところ・・・ヒナの糞が当方の腕に落ちてきたことと、親トンビをあまり刺激してもいけないと思い・・・

 

 すぐにこの場から撤退しました。

 

 

 

 

 桜の巨木がありますね。

 

 Wikipediaによると、戦前から1951年までの間に桜などを植林したとのことなので・・・少なくとも樹齢は70年以上ということになりそうです。

 

 

 

 桜の葉を見ると・・・手入れがされていないせいか、結構虫に食われているみたいです。

 

 

 

 樹木はあれども・・・こんなトコ、ウサギが生活するような環境じゃないよなぁ。

 

 ウサギは本来、草地で生活しているものですし・・・

 

 

 それに、現存する広島県の「うさぎの島」・大久野島の14分の1の面積に、ウサギ300羽以外にも様々な動物を放したとのことで・・・学術研究目的にしては、面積に対して放した動物の数が異常に多く、この島に放たれた動物達にとっては過酷な生活環境下で生活させられていたことが容易に想像できます。

 

 

 

 「さるが島」をこっちの「前島」にしていたとしたら・・・

 

 自然の食べ物がほとんどないと思われるこの島から、ニホンザルは干潮時にみんな本土側へ渡って行って騒ぎになったでしょうね。

 

 ウサギなら途中に草などのエサになるものが全くなく、本土までそれなりの距離があるこの砂州を渡ろうとはしないでしょうし。

 

 

 

 お!あれは・・・

 

 

 

 やっぱり。ミサゴじゃ。

 

 当時のことはわかりませんが・・・この島のウサギ達にとっては、天敵も多い厳しい生活環境であったことも想定されます。

 

 

 

 子供達も大人もみんな、潮干狩りに夢中のようですが・・・

 

 警戒心が強く、すぐに巣穴に隠れてしまう砂州の生き物に、誰も気付いていないみたいですね。

 

 

 

 この画像じゃわからんわなぁ・・・(笑)

 

 画像の左側3分の1の範囲を拡大してみると・・・

 

 

 

 

 スナガニ、うじゃうじゃ♪

 

 

 (Aichi nowより画像拝借)

 

 こんなのもあったみたいなのですが・・・人が多くてどこにあったのかわかりませんでした。

 

 

 

 観光客の減少によって動物達の維持ができなくなった前島・・・

 

 大久野島も今後、観光(客)とウサギ達の共存及びウサギ達の生活環境の改善がなければ、同じ道を歩むことになってしまいかねません。

 

 大久野島には「戦時(毒ガス)の遺跡」もありますが・・・保存していく計画もなく、ただ朽ちていくのを待つ戦時の遺跡群と、戦後に植樹された「偽りの自然」だけでは、継続的な観光客の集客は見込めないでしょう。

 

 かつての観光客アンケートの回答結果にもある通り、観光客が大久野島に来る最大の目的は「ウサギ」であって・・・ウサギの数が減って観光客が減少すれば、島内にある休暇村ホテルも維持できなくなるでしょうし、そうなれば休暇村の客船も維持できなくなり・・・さらには現地の生活の足となっている大三島フェリーも今後の運営が困難になり・・・前島と同じ「轍」を踏むことになりかねません。

 

 大久野島の国立公園としての維持や観光事業を継続していくために、何が一番大切なのか・・・関係者達はまだわかっていないのかもしれません。

 

 まずは大久野島観光の最大の目玉である「ウサギ達」の生活環境の改善が必要なのではないでしょうか。

 

 前島では当初300羽を放ったようで・・・閉園時には約100羽にまで減少していたとのことですが、それでも100羽程度生き残っていたということに・・・毎日の給餌があったからでもあるでしょうけど、ある意味当方は奇跡だと思っています。

 

 地面には、このような植物しか生えていません。

 

 この「学術研究」で得られた結果を、日本モンキーセンターには是非公開してもらいたいものです。結果として、何を得られたのか・・・無人島へ人為的に動物を放し、繁殖させていくことへの無意味さを当方は実感した次第です。観光面で一時的に繁盛した時期があったかもしれませんが・・・無人島に生き物を放して観光を推進する方法はもはや「昭和」の遺物。前島のような前例を今後繰り返すべきではないし、今もウサギ達が生息し続けている大久野島においては、現在は観光客の給餌に依存している部分もありますが、将来的に観光に頼らずともウサギ達が生活を維持していける方法も模索していかなければと思う次第です。

 

 

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