大久野島未来づくり実行委員会の、平成7年度議事録等が公開されましたが・・・

 

 ここで注目すべき部分としては、大久野島のウサギ達が「愛護動物」であると環境省側が認定したことかと思います。

 

 (広島地方裁判所呉支部 令和7(わ)18 2025年4月14日、動物の愛護及び管理に関する法律違反の件の判決において、大久野島に生息するウサギは「同法における愛護動物(いえうさぎ)」に該当すると判断された)

 

 大久野島ではこれまで「自然下で生活している(野良)ウサギ」とされていたことから、島のウサギ達への傷害に対しての罪状は「器物損壊罪」となる可能性がありました。正確かどうかわからない、当方個人的な解釈も含まれますが・・・この度の裁判所の判断により、大久野島のウサギ達には「所有者ないしは占有者(環境省?)」が存在している、ある意味飼育下の「いえうさぎ」同様としての動物愛護管理法が適用された、と解釈できるかと思われます。動物愛護管理法を読む限りでは「所有者または占有者、ないしは管理者」に対する動物の扱いについての記載が多いことからも、大久野島のウサギ達はある意味「飼育下のウサギ」同様の扱いとされた、とも解釈できそうです。

 

 それゆえ、これまでのように島のウサギ達は「侵略的外来種」という扱いができなくなり、「野良ウサギ」や「自然の中で暮らしているウサギ」といった曖昧な状態も解消され、愛護動物の「オオクノシマウサギ」になったものと思われます。

 

 当方はまだ不勉強で、よくわからない部分がありますが・・・近年話題になっている「保護目的での大久野島のウサギの島外持ち出し」についても、所有者ないしは占有者が存在しているという解釈であれば、今後「無許可」での持ち出しは「窃盗」に当たる可能性があるかもしれません。過去の他地域での事例として「違法捕獲と飼育(ニホンザル)」の件が議事録に掲載されています。

 

 愛護動物という判断であれば、当然適切な飼育管理が求められることになります。ただ、自然下で生活しているウサギであり、これまでの経緯や生息数、面積などからも「飼いウサギ」のような扱いや対応は難しいかと思われます。

 

 

 今回の議事録では、主に虐待防止・感染症防止の2点に重点が置かれ、「大久野島ウサギリスク管理マニュアル」という、関係者間での連絡・情報共有体制の内容が記載されています。これは観光客側には関係のないものがほとんどですが、「島で活動されているボランティア(ウサ活)」さん達におかれましては、これまでも「ウサギの遺体を発見した場合、どうすればいいかわからない」といったことがあったかと思われます。

 

 この「マニュアル」によりますと、指針として「短期間にまとまった数のウサギの死亡個体が継続的に確認された場合、あるいは環境省が事件性を疑う死亡や重傷個体が発見されたりするなど平常時とは異なる状況が確認された場合」とあります。

 

 「事件性」のありそうな遺体は見てわかることもあるでしょうけど、感染症で亡くなったかどうかは見た目ではわからず、獣医による検査がなければわかりません。これは当方の個人的見解ですが、島内で単独の遺体を発見した場合、遺体の状態を確認した後、島内に埋葬しても問題ないかと当方は思っております。

 

 また、死亡や重傷個体の対象は、ウサギに限定せず野生鳥獣全般となっておりますが・・・そもそも、観光客に対して遺体を発見した場合の通報先すらどこにも記載されていない以上、この取り組みがどれだけ効果を上げられるのか疑問です。

 

 それについては、「緊急時の現地窓口をビジターセンターとし、ビジターセンター休館時は休暇村」とされ、情報収集や監視の強化にあたって、島の保全やウサギ保護活動にあたる方々とのネットワークの活用や協働の推進を図るとしています。

 


 「島のウサギ達とのふれ合いルール」の普及啓発にも言及しておりますが、来島者アンケート結果に見る観光客の「ルールの認知率」は、アンケート回答者に限っては認知率が高かったとしても、観光客全体としてはかなり低いと思っていますので、例えば船の出航港におけるルールの掲示や放送など、関係者達がすぐにでも取り組めることがあると思うのですが、それもしていません。

 

 「ウサギとのふれ合いルール」の周知については、観光客が大久野島に「上陸するまで」に啓発しなければ意味がないことを、関係者達はまだわかっていないようです。島内では観光客はウサギ達に興味が向き、掲示物などがあっても読みませんし、放送も聞いていません。

 

 

 いずれにせよ、島のウサギ達の「立場」が確立したことで・・・環境省や関係者他もこれまでのような「放置」ができなくなったでしょうから・・・これからの「改善」に期待したいものです。

 

 しかし・・・事件発生から1年1ヶ月かかっての防犯カメラの設置、1年3ヶ月かかってのリスク管理マニュアル発表って・・・環境省・関係者達の対応の遅さが今後も懸念されます。

 

 

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