大久野島は国立公園内にあり、自然公園法といったルールが適用されている以外にも、島のウサギ達の生活を守るための「うさぎとのふれ合いルール」などがあります。

 

 ルールを守って頂けない方々がいることで、島のウサギ達に犠牲が出ていることは以前からメディアなどでも報告されていますが・・・ウサギは弱い動物ですので、人のちょっとした不注意でウサギの命を危険に晒してしまうことも少なくありませんし、それが原因で大久野島が悲しい、嫌な思い出になってしまった方々もこれまでいたと思います。

 

 ですので大久野島で楽しく過ごせていい思い出を作れるよう・・・皆さんに島内ルールを知って頂き、その順守をお願いします。

 

 

 

 国立公園における基本ルールは以下の通りです。(「国立公園の利用上のマナー・環境省」より抜粋)

 

 ・動植物をとらないで下さい。

 ・キャンプやたき火は決められた場所以外ではしないでください。

 ・施設は大切に使ってください。落書きは犯罪(器物破損)です。

 ・ごみは捨てずに持ち帰りましょう。

 

 

 ルール掲載看板やポスターには、島内の主だったルールのみが掲載されています。

記載されていない中での、特に気を付けて頂きたい大久野島での注意事項は以下の通りです。

 

 ・島内にゴミ箱はありません。ごみは各自持ち帰って下さい。【解説1】

 

 ・道路上やウサギの巣穴の前でエサを与えないでください。【解説2】

 

 ・ウサギにエサ与えた場合、食べ終わるまで見守っていましょう。エサを置いたままにして立ち去らないでください。【解説3】

 

 ・エサに興味を示さない(寝ている)ウサギの前にエサを置かないでください。【解説4】

 

 ・足元にいるウサギに注意!【解説5】

 

 ・車を動かす前には必ず車体の下や周囲を確認。(車で上陸される宿泊者向け)【解説6】

 

 ・子供を放置せず、行動をちゃんと見ていて!(子供連れの家族向け)【解説7】

 

 ・島内各所に設置されているステンレス・プラスチック容器(ウサギ用飲み水入れ)に野菜やエサ、ゴミを入れないで! 【解説8】

 

 

 ルールにない迷惑行為等

 ・ジェットスキー等での、大久野島沿岸での周回周遊走行行為。【解説9】

 ・周囲に響く音量での音楽鑑賞・演奏・歌唱など。

 ・イノシシが現れたら近づかず、静かにその場を離れて下さい。【解説10】

 

 

 

【解説1】 島内にゴミ箱はありません。ゴミは各自持ち帰って下さい。

 

 島内2ヶ所にペットボトル・缶用のゴミ箱がありますが、これは島内の自販機でドリンクを購入された方用です。ペットボトル・缶用のゴミ箱やキャンプ場の炭消し用ドラム缶に紙屑や食べ終えた弁当容器・ウサギのエサの空き袋・タバコなどを捨てないでください。

 

 

【解説2】 道路上やウサギの巣穴の前でエサを与えないでください。

 

 島内の道路は島内関係者の車両をはじめ、レンタサイクルや電動モビリティーなどが通行します。特に道路でエサを与えますと島内の送迎バス通行の支障となり、バス利用者に迷惑をかけることにもなりますのでやめてください。

 

 ウサギの巣穴の前でエサを与えますと、わずかに残されたエサ等により天敵(カラス・ネズミ・イノシシ)が寄り付いてしまい、仔ウサギ達の命が危険に晒されることに繋がりますのでおやめください。巣穴から少し離れた場所でエサを与えるようにし、必ず与えたエサを食べ終わるまで見守り、エサが余った場合はそのままにしておかずに回収して頂きますようお願いします。

 

 

【解説3】 ウサギにエサ与えた場合、食べ終わるまで見守っていましょう。エサを置いたままにして立ち去らないでください。

 

 ウサギ達は「目の前にある大量のエサより、次に来るヒトが与えてくれるもの」の方に興味を示します。大量にエサを与えても、新たにエサを持ってきた人の方へ駆け寄って行き、今まで目の前にあった大量のエサのことなどすっかり忘れてしまいます。忘れられたエサは「置き去りエサ」となり、天敵を寄せ付ける原因になりますので必ず与えたエサを食べ終わるまで見守り、エサが残ってしまった場合はそのままにしておかず、回収して頂くようお願いします。

 

 

【解説4】 エサに興味を示さない(寝ている)ウサギの前にエサを置かないでください。

 

 エサが欲しいウサギは、自ら積極的に人に近寄ってきます。人に近寄って来ないウサギはすでに満腹だったり眠かったり、具合が悪かったりといった状態であり、寝ているウサギの目の前にエサを置いても食べなかったり、ちょっとだけ食べて寝てしまったりします。また、周囲にお腹を空かせたウサギがいる場合には、寝ていたり具合の悪いウサギを追い払ってエサを食べようとしたり、ウサギ同士のケンカになったりしますので・・・近寄って来ないウサギにはエサを与えないようにして下さい。

 

 

【解説5】 足元にいるウサギに注意!

 

 エサを与えてウサギを眺めている際や撮影している時など、気付かないうちにウサギが足元に近寄ってきている場合があります。しゃがんでいる状態から急に立ち上がったり、ちょっと動いたりした際に足元にいるウサギに気付かず、ウサギの足を踏んでしまって骨折させてしまうケースが後を絶ちません。止まっている状態からちょっとでも動く際には、必ず足元にウサギがいないかを確認するようにして下さい。特に仔ウサギはしゃがんでいる人の足の間に入ってくることがあり、骨折させてしまうと・・・ハンデを負った仔ウサギは、その後生き延びられる確率がほとんどなくなるということを知っておいてください。

 

 

【解説6】 車を動かす前には必ず車体の下や周囲を確認。(車で上陸される宿泊者向け)

 

 日常の生活で車を利用する際、出発前に車の下までしっかり確認するようなことはそうそうないと思いますが・・・

 

 島のウサギ達はエサをねだるために、人がよく通るところに近いところで待機する傾向があり・・・そのため第2桟橋前やキャンプ駐車場などでは、ウサギ達は人が通行する場所により近い、駐車している車の下を待機場所にしていることが多々あります。エンジンをかけても車の下から逃げないこともよくありますので、車をちょっとでも動かす際は必ず車の周囲を確認して、ウサギがいないことを確認してから動かすようにして下さい。

 

 

【解説7】 子供を放置せず、行動をちゃんと見ていて!(子供連れの家族向け)

 

 ウサギを追いかけ回す、捕まえる、抱っこする、木の枝などでウサギを叩く、巣穴に帰れないよう邪魔をする、巣穴を壊すなど、子供による問題行為が多発しています。それ以上に問題になっているのが、その親や大人の親族が子供の問題行為に対して注意することなく、好き勝手にやらせている残念なケースがかなり見受けられます。

 

 島内のウサギ達は、エサと間違えて人の指を噛んでしまったりすることはありますが、ウサギが怒って人を襲うようなことは現状ありません。

 

 特に子供が手に木の枝などを持って歩いている場合ですが、恐らくですがウサギに対して潜在的(?)な恐怖心等があるものと考えられそうで・・・ウサギの不意な行動に対し、恐怖心からその木の枝でウサギを叩く・突くようなことをしないよう説得した上で、いくらかウサギに対して恐怖心があるようであれば、その子供をウサギから遠ざけるなどの対策を行ってください。大人は「ウサギはかわいいし、危なくない」と思っていても、子供はふれ合った経験のない動物に対して恐怖心を抱く可能性が十分あると思われます。

 

 また、島内の崖は崩れやすく、子供が崖を登ることによって流砂(土砂崩落)が起き、その下にある巣穴が埋まってしまう可能性がありますので、その際は止めるよう注意して下さい。

 

 子供一人だけ、子供達だけで行動させている際に問題が起きた事例も少なくありませんので、家族は離れた場所にいても子供達の行動をちゃんと見ているようお願いします。当方は以前、子供一人で巣穴を壊して埋めているところを見て、それはいけないことだと説得したことがありましたし・・・SNSでの報告では子供達がウサギを取り囲んで逃げられないようにし、弱らせ、死なせてしまったらしい事例(この話、SNSで拡散されていました)もあったようです。

 

 

【解説8】 島内各所に設置されているステンレス・プラスチック容器(ウサギ用飲み水入れ)に野菜やエサ、ゴミを入れないで!

 

 島内には自然の水場が少なく、ウサギ達はそれぞれ縄張りを持っていますので、特に自然の水場が遠いエリアを縄張りにしているウサギ達にとって、離れた場所にある自然の水場へ行くには他のウサギ達の縄張りを通過しなければならず、気軽に水を飲みに行くことができません。そのため概ねそれぞれの縄張りに、ボランティアさん達がウサギ達のための飲み水容器を配置し、給水清掃等を行っています。

 

 ウサギ達は多少汚れた水でも飲みますが、野菜やウサギのエサ(ペレット)・食べ物やタバコ等を容器の水に入れられてしまうと水がすぐに腐り、ウサギ達が飲めない水になってしまいます。それにウサギ達は水に溶かしたペレットや、水の中にある野菜を食べません。野菜を水に入れても水の温度が上がるため、鮮度を維持するどころかかえって腐りやすくなるだけです。

 

 あなたは小麦粉を溶いた水をおいしく飲めますか?ゴミや食べ物が入っていたり、野菜を漬けておいた水をおいしく飲めますか?

 

 それはウサギだって同じです。

 

 

【解説9】 ジェットスキー等での、大久野島沿岸での周回周遊走行行為。

 

 ジェットスキー等での、大久野島沿岸の「通行」は問題ありませんが・・・大久野島は自然やウサギと親しむ島ですので、大久野島沿岸におけるジェットスキー等での周回や周遊はお控え下さい。海沿いだけでなく山の上の展望台においても、エンジン音が周回・周遊している間ずっと島内全域に響き渡ります。

 

 

【解説10】 イノシシが現れたら近づかず、静かにその場を離れて下さい。

 

 主に夕方から夜にかけてですが、人前に野生のイノシシが現れることがあります。イノシシの方から人に近寄ってくることは滅多にありませんが・・・イノシシに不用意に近寄ったり、追いかけたり、物を投げたりすると興奮して周囲の人やウサギを襲う可能性がありますので、決してそのような行為は行わないようにしてください。かつて観光客がイノシシを追い払おうとした際に、イノシシが興奮して周囲にいた仔ウサギを観光客の目の前で襲い、食べてしまったということがありました。

 

 イノシシが人前に現れるようになった理由として、観光客が置き去りにしたエサを目当てにしているからです。エサを置き去りにしながら歩いている観光客をイノシシが追従してきたケースもあったと聞いています。エサの置き去りがウサギ達の生活を脅かす原因になっているということを、皆様にも知っておいて頂きたく存じます。

 

 

 

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