「あれは一体、何が原因だったんだろう・・・?」
と、今になっても時々思い返すことがあり・・・
それは今年の7月中旬に大久野島で起きた「仔イノシシ連続死亡事象」のことです。
当方が一頭の仔イノシシの遺体を発見したのを皮切りに・・・
(ちょっと生々しいので、珍しくモザイクをかけました。)
報告によると、この翌日にも近くで別の仔イノシシの遺体が発見され・・・
それから1週間くらいして、ちょっと離れた場所でさらにもう一頭、瀕死の状態の仔イノシシが発見されました。
専門家によると、仔イノシシが成長途中で亡くなることは珍しいことではないようなのですが・・・
この島での、これまでの仔イノシシの成長状態を考慮すると・・・強い天敵がいるわけでもないこの島で、短期間で立て続けに3頭もの仔イノシシが亡くなるというのはある意味、異常事態と考えられ・・・
自然の恵みが少なめな時期でしたので、空腹による餓死ではないかと推測する方もいれば・・・
毒性のある植物の根などを誤食した可能性も考えられそうですし・・・
毒エサを撒かれた可能性も、完全な否定はできず・・・
島を訪問されている皆様を不安にさせるつもりはありませんが・・・
可能性として、もしかしたら「豚熱」が原因だったのかな?とも。
広島県内でも主に西部、比較的近い地域では東広島市で野生イノシシの感染が確認されています。
ただ、豚熱に感染したイノシシがどれくらいの期間保菌を続け、感染後どれくらいで死に至るのかといった具体例を見つけることができませんでしたので、あくまで「可能性」の話であって・・・
2例目、3例目では仔イノシシに外傷などが見られなかったのに対し、当方が発見した1例目のみ、上の画像を見てわかるかもしれませんが、上半身がなくなっていました。
そのことからこれも仮定ですが、豚熱を発症して亡くなった仔イノシシを残った兄弟がその遺体を、自然の食糧不足もあって「共食い」し、この時点でまだ生存していた仔イノシシ兄弟に感染が広がったと考えることもできそうです。
仮に「豚熱」が死亡原因だった場合、この亡くなっていた仔イノシシの共食い以外にも、例えば亡くなっていたウサギ等を兄弟で取り合って食べたというようなことがあれば、その際に感染が兄弟間に広がったという可能性もあるかもしれません。
なお豚熱は、ヒトに感染することはないとのことです。
島内のイノシシ達を観察してきている当方としては、他にも様々な可能性を考えたりしていますが・・・
簡単な死亡状況報告だけでは、原因を掴むことはできませんが・・・それでも継続調査や観察を続けることによって、いずれ何らかのヒントが見つかる可能性がないとも限りません。
ウサギ達に限らず島内の自然や動植物、昆虫等の変化をいち早く察知し対策に繋げていくことが、当方のこの島での役割の一つであると勝手にそう思っています。