嫌われ不安や見捨てられ不安を持っている人は意外なほど多い。こうした不安を持つのはどんな人なのだろうか。

  まずは、そうした不安とは無縁の人のことを考えてみよう。

たぶんそれは鈍感な人、それと「自分は好かれている」と信じている人ではないかと思う。

鈍感な人については説明する必要もないので省略する。

「好かれている」と信じている人のなかには、本当は皆から嫌われている人もいる。それでも好かれていると信じることができるのは、幼少期に十分愛情を注がれていた人ではないか。子供時代に無条件の愛を十分もらったひとは基本的に「何もしなくても自分は大事にされる、愛される」と思うことができる。

  これはちょっと考えたら直ぐ分かる。両親なとの家族の愛に恵まれていると、何をやっても承認てしてもらえる。また多少外で問題行動を起こしてもかばってもらえる体験をいつもしていれば、自分を嫌う人がいても「変わった人だな」とか「相手にしないでおこう」なとと自分の心を整理できる。

  しかしそれがない人は、いつも自分はここにいてもいいのだろうか。私は受け入れられるのだろうかという点を一番気にして生きることになる。だか自分を嫌う人がいれば「自分は受け入れられていない」という気持ちを強く持ってしまうのではないか。

 

ただし、こうした「過去の実体験が、嫌われ不安や見捨てられ不安の原因」という考えには反論もある。以前、過食症には見捨てられ不安の人が多いという意見が多かった(定説と言い切れるかどうか不明)時期がある。そんなとき「いや、実際は十分愛情をかけられたケースでも、見捨てられ不安がある人がいるので、事実というよりその人の中で生まれた確信(つまりフィクション)だ、いう意見もあったので、断言しない方がよいのだろう。

  ただ、全員が事実ではないにしても、見捨てられ不安を語る人はいわゆる機能不全家族が多い印象がある。

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

疲労を原因別に分類してみた。思いつきのレベルなので、今後変えて行くつもりだ。

 

肉体の疲労    運動、労働など

頭脳の疲労   計算、勉強など

病的な疲労   甲状腺機能低下症、糖尿病、肝障害など

目標との関係  目標達成後、目標消滅、目標達成に対する無力感

生きがいやり甲斐   生きがいがない、楽しみがない、

無気力   

ストレス   強制や圧迫( 締め切り、ノルマ)、緊張

 

なかなまとまらない~

疲労で一番不思議なのは、同じ量の負荷があっても、疲労が同じとは限らないという点だろう。

疲労には個人差がある。

合宿や研修、旅行などで他人と共同生活をしたとき、つくづく感じるのは同じような生活をしても人によって疲れの程度が違うということである。ある人は、ちょっとした時間も利用して、出かけたり人と話をしたり、本を読んだりしている。ある人、少しでも休む時間を増やそうと努める。

高齢になると疲れやすいし、回復が遅い

一ついえることは、疲労は年齢が関係する。よく聞くのは40代を過ぎると、疲れやすいと感じるようになるようだ。実際、無理がきかなくなるとか、旅行をするとその疲れが、何日も残るようになる、といった話をきく。

では疲労の程度の違いは、個人の体質や年齢のみかとういと、そうでもない。

私の知り合いで、食堂をやっている人がいる。60代になり「疲れやすくなったのでそろそろ廃業を考えている」と話していたが、サラリーマンの息子が{仕事を辞めて、調理師になりたい。当分ホテルのレストランで働くが将来は店を継ぐ」と言い出した。当分辞めるわけにはいかない状況になった知人は、私と会うたびに「疲れ」といっていたのが嘘のように元気に働くようになった。

  ではこれまでの疲れはただの「疲労感」だったのかというとそんなことはなく、やはりこれも「疲労」だったのだと思う。

 

疲労に効果的な健康食品はないのかとネットで調べていて、以下のような記事をみた。

有用だと思うので、以下引用する。

 

(2013年5月17日の日付)

 内閣総理大臣の諮問機関がいわゆる健康食品の有効性(機能性)の表示規制を緩和しようと議論を続けている。
 この拙速の審議は、私たち消費者に大きな不安を抱かせるものだ。
 まずは、議論が密室で行われていること。審議が公開されておらず、 しかも、資料を見る限り、偏った業界筋からのヒアリングしか行っていない。にもかかわらず、5月2日の第8回規制改革会議で、WGの中間報告が出されてしまった。
 いわゆる健康食品の負の面が、まったく顧みられないまま、「規制改革」「規制緩和」というかけ声だけでことが進んでいるように見えてならない。

 マスメディアも、この話をちっとも書かない。その結果、多くの国民、消費者がこんなに急ピッチで制度変革が検討されていることに気付いていない、という状態に陥っている。

 昨今の健康食品、なにが問題なのか。事例を挙げたい。

● 抗酸化物質の効果に、疑念高まる

 一番重要な動きは、抗酸化物質への疑念が大きく高まっていることだろう。これまでは、フリーラジカル、とくに活性酸素の一種であるスーパーオキシドやヒドロキシルラジカルが細胞を損傷し老化をもたらすので、抗酸化物質を摂取して、その抗酸化力によりフリーラジカルを非活性化しようと言われてきた。だが、前提となるフリーラジカルの悪影響が、疑われるようになってきている。

 フリーラジカルはすべての状況において悪者ではなく、健康を保つための一定の機能も持っているのではないか、というのだ。論文はかなり多く出ており、「Scientific American」が2013年2月号で「The Myth of Antioxidants」という記事でまとめている

 実際に、β—カロテンの投与試験で、喫煙者のリスクが大きく上がったという試験結果は有名だし、多数の臨床試験のシステマティックレビューでも、抗酸化物質サプリメントが死亡率リスクを下げず、むしろ上げるものもあることが明らかとなっている。

 そのため、学会等でも抗酸化物質サプリに対して、明確に「勧めない」と表明しているところは多い。
 どちらも勧めるのは、バランスのとれた食事の中で、野菜全般や魚などを積極的にとることだ。

●抗酸化力の「モノサシ」も役立たない

 しかも、抗酸化力評価の指標として用いられて、米農務省がウェブサイトにデータベースを作っていることから信頼性も高かった「ORAC値」(Oxygen Radical Absorbance Capacity:活性酸素吸収能力)について、同省は昨年、データベースを取り下げた(米農務省説明)。ORAC値は、食品試料を用いて、フリーラジカルの捕捉能力を調べて得られる数値だが、要するに、食品自体を調べるORAC値では、食べた時の人への健康影響など計れず、モノサシとはならない、ということだ。
 米国では、このORAC値を抗酸化の根拠として販売していたサプリメントが多かったが、根本から否定された。

 

● サプリ、「いわゆる健康食品」のエビデンスは?

 長年の研究実績があったビタミン類でさえ、やっと今、確かなこと、つまりは「効果がないかも」「リスクが上がるかも」ということが分かってきたのだ。ビタミン類に比べれば研究の質も量も圧倒的に低いほかの抗酸化物質は、大丈夫なのか?

 抗酸化物質だけでなく、ほかの機能性を期待される物質のエビデンスはどうなのか? しっかりとしたエビデンスがあるのなら、企業が表示して売りたい、と考えるのは理がある。でも、いわゆる健康食品の中のエース格であった抗酸化物質ですら、怪しいのだ。本当にエビデンスを持つ健康食品がほかにあるのか? あるなら現状でいくつくらい?

 こうした基礎情報が前提にあって、制度は作られるべきではないか。ところが、規制改革会議では顧みられず、実情にそぐわない制度を議論しているように見える。坂戸市の葉酸プロジェクトが好例として紹介されているが、科学的に大きな誤認があることは、特集欄で解説した。

● 業界への不信高まる

 おおいに引っ掛かるのは、業界の姿勢だ。特集で書いたとおり、自分たちに都合の良い情報しか規制改革会議で提供していないように見える。
 かれらの姿勢の一端が垣間みられるのが、消費者庁が2012年4月に公表した「食品の機能性評価モデル事業」。この事業を受託し報告書をまとめたのは、業界団体の「日本健康・栄養食品協会」だ。オメガ3脂肪酸やルテイン、グルコサミンなど11成分にかんする情報を収集し、AからFまで判定しているのだが、この内容、至るところでけちょんけちょんに批判されている。

 公になっているものでは、清水俊雄・名古屋文理大教授の見解がある。清水教授は消費者委員会で、評価の材料として取り入れてはいけない論文を含めて評価してしまっていることや、検索担当を健康食品に関連する企業の社員が行っていて適格性がないことなど、厳しく指摘している(清水教授資料議事録

 

http://www.foocom.net/special/9109/

http://www.foocom.net/column/editor/9159/

疲労に効果がある薬や健康食品はあるのだろうか。これに関して

少しずつ資料を集めることにする。

○ガン性疲労に効果があるもの

 外国では覚醒剤の一種である精神刺激剤が使われることがあるが日本では原則禁止の薬物である。覚醒剤はたしかに一時的に元気になるようだが、薬が切れると強い疲労感に苛まれるという欠点がある。この他、ステロイドがが使われ、またそれが有効であるとの報告もある。ただステロイドは胃腸障害や易感染性などの副作用があるので、使用に消極的な医師も多い。この他漢方薬を試みる医師は少なくない。たとえば補中益気湯がん患者の疲労改善効果報告されていて、十全大補湯や人参養栄湯なども使われる。この他、抗うつ剤に関してはバロキセチン(パキシル)やセルトラリン(ジャイゾロフト)は疲労改善効果がないという報告がある。一方ブプロピオンという日本では未発売の抗うつ剤(bupropion、ノルエピネフリン・ドーパミン再取り込み阻害薬) で疲労改善があったという報告がある。
  この他、サプリメントに関してはマルチビタミン、カルニチンなどは効果がなかったという報告がある。
(資料)がん関連疲労に対する薬物療法

http://jpps.umin.jp/issue/magazine/pdf/0701_01.pdf

 

○疲労一般

健康食品エビデンスナビによると

グレードA(十分な科学的根拠があり、抗疲労、疲労改善などにおそらく効くことが学術文献で示された健康食品素材)はなし

グレードB)科学的根拠があり、抗疲労、疲労改善などへの効果が学術文献で示唆された健康食品素材)としてL-カルニチンが挙げられている。

http://www.food-science.jp/index.html

 

そもそも健康食品の有用性については客観的なエビデンスに乏しい。

 βカロテンはがん予防などの効果がかつて期待されが,サプリメントの服用によって喫煙者・アスベスト暴露者の死亡率を上げるという衝撃的な臨床試験が,1996年に発表されました。このころから同様の試験が世界中で盛んに実施されましたが,有効性を示すエビデンスは出ていません()。

オメガ3脂肪酸のサプリメントの有効性についてはエビデンスが弱いです。

 その他の栄養素のサプリメントに関しても同じことが言えます。ビタミンやミネラルは,100年近い歴史が培った栄養学の知見によって生化学的な効果は述べることができます。しかし,机上の論ではEBMは成り立ちません。それに準じて,例えばカルシウムやビタミンDのサプリメントは医学界では支持されていません。

 

https://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03222_05

 

 

 

  疲れは休めが回復する。その通りなのだが、常に気を張りつめた状態で仕事を続けていた人が、なんらかの事情で休みを取るといったことがあると、心の疲れが取れた後、からだの疲れ(疲労感)がむしろ増強するということもあるようだ。

 

ある企画会社で働くAさん45歳。残業が多く、家に帰ったら食事も摂らず真っ直ぐベッドに。土日も、仕事になることが多い生活。それでもやり甲斐がある仕事と思い働いていたが、思い切って長期休暇をとることになった。

 

休みを貰って当初は、いつも仕事のことが頭をよぎっていた状態から開放され、気持ちも憑き物が取れたようなすっきり感が持てた。また朝はいつもより30分だけ余分に寝ただけなのに、ぐっすり眠ったという気持ちにもなれた。

  ところが、休み始めて一週間もすると゛何だかからだがだるい。よるも十分寝たはずなのに、朝、新聞を読んでいるとまた眠くなって、そのままソファーでうとうとしてしまう。午後からは、買い物と思っていても、出かけるのが面倒でしかたがない。そうしているうちに、夜になってしまう。

こんな生活が二週間近く続いてしまい、さすが家族は「何か病気でもあるのでは」と心配し、病院を勧められ検査をずるも異常無し、と言われた。

 異常無しと言われても、いつも疲れた感じで、だるく、何もやる気もしない。それでもお腹は空き食事は取れていた。いつもフファーでうたた寝という生活が続き、奥さんは「じゃあ今日から、一緒に家のことをしましょう」と提案してくれた。

そこで毎日、朝は掃除や布団干し。午後は近所のスーパーまで歩いて行き、夕方からおかずを一品自分で作ることにするようにしたら、フファーに終日いることはなくなった。

 そんなことをしているうちに一カ月の休暇が終了してしまった。こんな自分で果たして仕事ができるのだろうとと不安だった。実際行ってみると、頭にモヤがかかった状態になり会議の場では皆の話について行けなかった。また休んでいる間のメールを見ても、意味が理解できないものも何通もあった。

 それでも、とりあえず出席だけしようという気持ちで、毎日会社に行っていたら、一カ月ぐらいしてやっと本来の自分らしい仕事ができるようになった。

 

 

 

 

 

 

疲労は要するに、生体機能の低下(パーフォマンスの低下)で、疲労感はそう感じる状態ということのようだ。

  ではどうすればよいのか。疲労を測定する方法は検討されているようだが、まだ生理的疲労の一部を反映するものとしかいえない状態というのが実情であろう。私たちが疲労や疲労感で困るのは、回復に時間がかかったり回復のメドが付かない場合だろう。

   こうしたケースについては客観的に計測することはできないし、また疲労回復のための手だても確立しようがないという現状ということになろう。

   なんだか話が振り出しに戻ってしまった感じになった。

  ただ、逆に疲労は、人間が太古から取り組んだ問題なので、自ずと解決法を身につているはずだととも思う。それは休息や睡眠、食事である。これが基本原則であるのは今も昔も同じはずだ。そして、疲労を苦にしている人は、このどれかに問題がある人が大半である。残業ばかりで一息つくゆとりがなかったり、寝る時間が十分とれなかったり、食事がありあわけの物ばかりだったり、である。

また悩み事などで、ゆっくりできない人もいるし、悪夢や深い睡眠が取れない人、食べたい気持ちが失せている人もいる。

 これらが疲労の原因になっている場合も、疲労の結果の場合もあるが、こうしたものを改善することで疲労(感)も改善する。

   ほとんどの人は自分なりの対処法を身につていている。甘いものを口にすると疲れが取れるということは私もやっている。またお酒を飲むと、(一時的に)楽になる。また仕事が辛くなると「さぼる」という行為を取ってしまうが、これも一応、理に適っているののだろう。さらに疲労感の場合は、気持ちが安らぐ場に出向いたり、好意を持つ人に会ったり、買い物をしたりという気晴らしで改善する。


 

 

先程も紹介した唾液中のヒトヘルペスウイ ルス(HHV)-6 および HHV-7 を測定について。これで疲労の客観的な測定ができたと言えるのかを自分なりに考えてみた。 シロウトの私の発言なので、割り引いて聞いてほしい。

 

   HHV-6 および HHV-7 を測定することで疲労の程度が分かるという報告があった。ではこれで、「最近、自分は疲れていると感じていたけど、さほどでもなかったんだ」とか「気力充実し、体調もよいと思っていたけど、こんなにデータが悪いなら、仕事はしばらく控えた方がいいな」といった使われ方をするかというと、そんな時代はまだ大分先のように思う。

 

   それというのも(HHV)-6 および HHV-7 の測定で示唆されたものは、軽度の運動や残業といった負荷で(健常者は)上昇,休息することで低下する。一方、慢性疲労性症候群やうつ病では軽度の運動負荷上昇しない、とのこと。

  これは生理的負荷で、ある指標が上昇して、休息で戻る(低下する)という現象を捉えたものとして評価はできるだろう。しかし慢性疲労性症候群やうつ病では軽度の運動負荷上昇しないという点はどう理解すべきか。生理的疲労と病的疲労の鑑別に役立つという、見解のようだが、健康な人が抱く「疲れた」という感覚は、軽度の運動や残業によって導かれるというよりは、もう少し負荷の大きいものではないか。こうした健康な人が感じる「疲れた」という感覚とどの程度一致するのかという点を検討できて初めて、「疲労」の指標に役立つといえるのではないか。

   勝手な推測だが、HHV-6 および HHV-7 は、軽度の負荷で上昇するが、一定の負荷以上になると上昇しなくなるということではないか。慢性疲労性症候群やうつ病は、運動負荷がなくても疲労を感じている。ということは、慢性的疲労や中等度以上の疲労は、むしろHHV-6 および HHV-7 の上昇を阻むものという可能性があるのではないだろうか。

 

 

 

   

 

 

 

 

疲労の議論をすると必ず話題になる慢性疲労性症候群について、触れておく。

以下MSDマニュアルより。

 

慢性疲労症候群(CFS)は,6カ月を超えて持続する,生活を変えるほどの疲労を伴う症候群。

原因不明。感染性,ホルモン,免疫性,または精神性の原因は確立されていない。多くの提唱されている感染性の原因のなかで,エプスタイン-バーウイルス,ライム病,カンジダ症,サイトメガロウイルスは,CFSを引き起こさないことが証明されている。

同様に,アレルギーのマーカーも免疫抑制もない。様々な軽微な免疫学的異常が報告されている。そのような異常としては,IgG低値,異常なIgG,リンパ球増殖の低下,マイトジェンに対するインターフェロンγの低値,ナチュラルキラー細胞の細胞傷害性の低下,血液中の自己抗体および免疫複合体,その他多くの免疫学的所見などがある。しかし,一貫した,または再現性に信頼性のある免疫学的異常のパターンはない。

ほとんどの患者は,CFSの発症前は役割をよく果たしうまくいっている。

発症は通常突発的。多くの患者が初期のウイルス性疾患様の疾患を訴え,リンパ節の腫脹,極度の疲労,発熱,および上気道症状を伴う。初期の症候群は消失するが,長引き日常活動を妨げる重度の疲労,および本症候群の他の特徴を多数誘発すると考えられる。患者は身体活動の疲れおよび薬物に対しても異常に感受性が高くなる。抑うつが一般的であり,しばしば症状の悪化と関連する。

身体診察は正常。しかし,一部の患者では,微熱,非浸出性咽頭炎,および/または触知可能なまたは圧痛のあるリンパ節(ただし腫大はない)がみられる。

慢性疲労症候群の診断基準

以下の特徴を全て伴う,原因不明,持続する,または繰り返す慢性的な疲労:

  • 6カ月以上持続する

  • 新規,または明らかな発症がある

  • 実行中の労作によらない

  • 安静によって実質的に軽減しない

  • 職業上,教育上,社会的,または個人的な活動を大幅に低下させる

以下の少なくとも4項目が6カ月以上持続する*:

職業上,教育上,社会的,または個人的な活動を大幅に低下させるほど重度の短期記憶障害(自己報告)咽頭痛、微熱、頸部リンパ節または腋窩リンパ節の圧痛,腫脹,疼痛、筋肉痛、腹痛、関節の腫脹または圧痛を伴わない多関節の疼痛(関節痛)、類型,パターン,または重症度において新規の頭痛、休息感の得られない睡眠、労作後の倦怠感が24時間を超えて持続

  • 予後   ほとんどの患者は時間経過とともに改善するが,典型的には数年かかり,しばしば部分的な改善にとどまる。早期の診断と介入で予後が改善することを示すエビデンスもある。

治療  認知行動療法、段階的運動、適応があれば,抑うつ,睡眠,または疼痛に対する薬物

 

(以下疲労)

 

25%もの人が慢性的に疲労していると報告する。

疲労とは、休む必要性を強く感じ、活動を開始したり維持したりするのが困難になるほどエネルギーが不足した状態です。運動や長期のストレス、睡眠不足などの後にみられる疲労は正常です。しかし、疲労が増大したり、以前は疲労の原因にならなかった活動の後に生じたりする場合には、その疲労は何らかの病気の症状(ときに最初の症状)である可能性があります。

 

一般的な疲労の原因

最近の疲労(1カ月以内の持続)には多くの原因がありますが、最も一般的なのは以下のものです。薬の副作用、貧血、ストレスやうつ病

長期の疲労(1~6カ月の持続)の最も一般的な原因は以下のものです。

  • 糖尿病、甲状腺機能低下症、睡眠障害(睡眠時無呼吸症など)、がん

慢性の疲労(6カ月以上持続)の最も一般的な原因は以下のものです。

  • 慢性疲労症候群、精神障害(うつ病など)、薬の副作用、副腎の活動低下や下垂体の活動低下など。

  • (類似の症状)

  • 筋力低下:重症筋無力症やイートン-ランバート症候群などの病気は、活動に伴って悪化する筋力低下を引き起こす可能性があり、疲労と間違えられることがあります。

  • 息切れ:特定の心臓または肺の病気のある人などでは、活動すると息切れが起こりますが(息切れ)、安静にしていると疲労を感じません。

  • 眠気:疲労がある人の多くは睡眠障害を抱えているため、睡眠不足と疲労の症状が重複することがあります。

 

 

疲労とは、休む必要性を強く感じ、活動を開始したり維持したりするのが困難になるほどエネルギーが不足した状態です。運動や長期のストレス、睡眠不足などの後にみられる疲労は正常です。しかし、疲労が増大したり、以前は疲労の原因にならなかった活動の後に生じたりする場合には、その疲労は何らかの病気の症状(ときに最初の症状)である可能性があります。

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疲労に関する研究は、急速に進んでいるようだ。

 

疲労の分子機構の解明による健康の維持と増進を目的とする 医学研究拠点の形成

 平成 24 年度~平成 28 年度 文部科学省 「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」

 研究成果報告書

 

では、次のような報告があるが、私にはとても難解だが、以下私なりの理解。

疲労の本態は eukaryotic initiation factor 2α (eIF2α)のリン酸化と、これによる脳からの 休息の命令。そして回復とはこの過程が逆向きになること。さらに疲労、およびその回復の程度は、測定可能でる。

 その一つとして  唾液中 HHV-6、HHV-7 による疲 労診断法は生理的疲労であれば上昇し、病的疲労であれば低下傾向にあるという特徴がでた。慢性疲労性症候群やうつ病の診断にも役立つ可能性がある。

 

 

以下本文の要旨

Ⅰ. 疲労の分子機構の解明 *

 疲労の分子機構は不明な点が多く、疲労研究 の遅れの大きな原因となっていた。さらに、メカニ ズムが不明であるために、疲労という現象の独立 性を疑う研究者も多く、ハンス=セリエによって提 唱されたストレス応答と混同されることも多かっ た。

 

 本研究では、疲労の本態が外的・内的ストレッ サーに応答した eukaryotic initiation factor 2α (eIF2α)のリン酸化を中心としたシグナル伝達によ る炎症性サイトカイン誘導と、これによる脳からの 休息の命令であることを見出した。

 

   ここまででもう何のことか私もわからないが、一応調べてみた。

wikiによるとeukaryotic initiation factor 2α(真核生物開始因子2 、eIF2 )とは真核生物の開始因子で、ほとんどの真核生物の翻訳開始に必要である。翻訳とは細胞核内のRNAへのDNAの転写過程の後に、細胞質またはER中のリボソームがタンパク質を合成するプロセスのことで プロセス全体を遺伝子発現という 。  

 

(以下 再び要旨)

eIF2αリン酸化はタンパク質合成の 抑制やアポトーシス誘導によって細胞機能低下 を生じるシグナルである。疲労の際の eIF2αリン 酸化は全身の臓器で生じ、疲労による臓器の機 能低下の原因となることが示唆された。eIF2αリン酸化は、このシグナルに関連する末梢血中 の ATF3 mRNA 発現量で測定可能で、疲労の客観的測定に利用できた。

 続いて、疲労回復に関わる分子機構も解明した。疲労回復は疲労とは逆にリン酸化した eIF2α (eIF2α-P)の脱リン酸化機構によるものであった。疲労回復力は eIF2α脱リン酸化酵素 GADD34 によって判定可能で、末梢血中の GADD34 mRNA 量で測定することができた。

 疲労の原因である eIF2αリン酸化シグナルは、体内に潜伏感染しているヒトヘルペスウイ ルス(HHV)-6 および HHV-7 の唾液中への再活性化を誘導した。これは後述する様に疲労の 客観的測定に利用できた。また、唾液中で増加した HHV-6 は口腔内マイクロバイオームを変 化させ、後述する様に嗅覚神経系を介して大脳辺縁系に障害を与え、ストレス脆弱性を誘導する。

 

ストレス応答 はこれとは逆に、ステロイド産生による免疫抑制 とカテコラミンによる心身の活性化が主体となる ため、疲労とストレス応答は互いを相補すること で心身のホメオスタシスを維持する機構であるこ とが判った。

 

Ⅱ 疲労バイオマーカの確立と客観的測定法の課題。

(要旨)

これまで、体内に潜伏感染してい るヒトヘルペスウイルス(HHV-)6 と HHV-7 が疲労によって 唾液中に再活性化することが判明している。

   今回、疲労の分 子機構の解明により、これらのウイルスの再活性化に関わ る遺伝子の発現は eIF2αリン酸化と関連する upstream open reading frame 制御機構によって生じることが判明し、 唾液中 HHV-6、HHV-7 による疲労測 定の有用性が確認された。

 この測定法は労働、 運動、訓練などの多様な生理的疲労が測定 可能であった。

また、休息などの疲労回復に よって唾液中 HHV-6、HHV-7 が減少するこ とも確認された。

 

 その一方で、慢性疲労症候群(CFS)やうつ 病といった、病的疲労を呈する患者では 唾液中 HHV-6、HHV-7 は反応しなかった。 病的疲労は脳生理的疲労とは異なり、労働 や運動の負荷がないにも関わらず、神経の 機能異常によって強い疲労を感じる疾患で あり、回復が難しい。

、唾液中 HHV-6、HHV-7 による疲 労診断法は生理的疲労であれば上昇し、病的疲労であれば低下傾向にあるため、客観的に かつ早期に生理的疲労と病的疲労の鑑別が可能となる。