実在の女優浅丘ルリ子の半生を描き出した物語。序章は終戦前後の歴史小説のような雰囲気でとっつきにくさを感じるがすぐにルリ子を中心とした華やかな世界が広がる。登場人物達の恋模様とまさに一昔前の、あの人はすごかったんだよと親世代は言うけれどよくわからない人達がどうすごかったのかを教えてくれる作品。作中に登場する映画やドラマを見てみたくなると間違いなし。
文体が新鮮。言葉はこのように使う物だったのか、と思わせる、文章の美しさに圧倒される秀作。個性的で魅力的な登場人物たちによって紡がれる力強いラブストーリーは「こんなふうに誰かを愛せる強さがほしい」と思うと同時に愛する気持ちが求めるものの大きさに空恐ろしくなる、究極のラブストーリー。