~西へ~(235) 41日目⑦ 万世特攻平和祈念館(陸軍万世飛行場跡)Ⅱ | どちて坊やが隠居をしたら~日本国でも毎日が徒然~

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「野宿でもお腹に肉のつく身哉」

日本一周・全県に足跡を目標に、車中泊やキャンプをしながら、
大好きなラーメンを食べ、100名城を中心にした城めぐりや
神社仏閣に参拝し御朱印を頂く、旅の絵(写真)日記です。

    
                    近畿・四国・九州・山陰 編 ~西へ~(1)1日目①は、→こちら


映画等で有名になった陸軍・知覧だけでなく、九州にはかつて、陸軍・太刀洗
海軍・鹿屋、陸軍・青戸、海軍・国分(第一,第二)、などの航空基地があり、
此処、陸軍・万世飛行場もその中の一つです。



その万世飛行場跡の一角に建つ「万世特攻平和祈念館」に着ております。



館内に入ると、目の前に「零式三座水上偵察機(E13Ala)」



この「零式三座水上偵察機」は、平成四年(1992)、陸軍万世飛行場が
あった吹上浜で引き揚げられました。

       

この機体は、昭和二十年福岡に展開していた海軍第634航空隊偵察302
所属の機で、大東亜戦争(WWⅡ太平洋戦線・日米戦争)末期の沖縄戦
のさ中、南西諸島方面偵察の為に福岡(玄海基地)を飛び立った機です。
偵察任務を終え帰途中、燃料切れで吹上浜付近で着水、搭乗員3名
(操縦士,航法士,電信士)は無事に浜にたどり着き生還されています。


 胴体後部「日の丸」の両脇から突き出ている棒は電探(レーダー)

「零式三座水上偵察機」は、日本でただ一機で、日本航空協会の
【重要航空遺産】に認定されています。



「零式三座水上偵察機」の右奥は、万世飛行場から最も多く飛び立った
九九式襲撃機の模型(現存機は、WWⅡ後にインドネシア軍で使用された
機体がインドネシア空軍中央博物館に保存・展示されている。)


  旧日本陸軍98式直協偵察機のエンジン・プロペラ
 昭和59年(1984)1月、茨城県鹿島灘沖2,000m、水深25mの海底から、操業中の漁船の網にかかり引き揚げられたもので、旧陸軍の特攻機として使用された機種の1つであったことから、旧隊員の苗村七郎、佐藤平蔵、遠藤武、阿尾新次郎の4氏が橋渡し役となり、拾得者の篠塚誠治(誠栄丸船長)氏から加世田市が無償で譲り受けたものである。 -案内板より


  竹製 落下燃料補助タンク
 太平洋戦争の末期に陸軍の戦闘機に装備されていた補助燃料用の落下タンクです。飛行機の飛行距離を伸ばすため使い捨ての補助燃料タンクが使われていた。竹製だけではなく木製の落下タンクも使われた。
 戦闘機にはこのタンクと爆弾をそれぞれ方翼に1基ずつ装着し、落下タンクは戦闘開始前に切り離し、落下してから体当たり攻撃した。
「展示している落下タンクの概要>
長さ  1.5m   胴回り 1.4m
容量  約200ℓ   材質  孟宗竹の網組み
外装  厚手の和紙  内張り 特殊な塗装を使用
中支え ベニア    製造地 長野県


 
 吹上浜で引き揚げられた、零式艦上戦闘機52型丙(A6M5C)の
20mm機銃と13mm機銃。一番下は、零式水上偵察機の7.7mm旋回銃。
(機体は鹿屋航空基地史料館へ)

   


祈念館入口近くに大きなパネルと壁に展示されていた特別攻撃隊の写真
「数人の少年飛行兵写り一人が子犬を抱いている(子犬を抱いた少年兵)」は、
昭和20年5月26日出撃予定数時間前に万世飛行場で写されたものです。


(第72振武隊)前列左より早川勉伍長、荒木幸雄伍長、千田孝正伍長。
後列左から高橋要伍長、高橋峰好伍長。

第72振武隊の少年兵たちは、昭和20年5月26日の出撃を天候不良により
延期。翌27日、沖縄本島金武湾の東約50kmの位置で、駆逐艦ブレインに
突入、大破させ、散華。同日、四階級特進の陸軍少尉となる。


祈念館2階の展示物(遺品や遺書など)を拝見し、特攻隊員たちの
遺影に一礼をして、万世飛行場唯一の現存構造物を見に外に出ました。



「幻の特攻基地」裏門が現存 南さつま市・陸軍万世飛行場跡
 太平洋戦争末期に建設されたが、詳しい資料は処分されてほとんどなく「幻の特攻基地」といわれる陸軍万世飛行場(南さつま市加世田高橋)の裏門の門柱2基が、近くの竹林に現存していることが分かった。戦後、当時の飛行場をしのばせるのは衛兵が24時間立哨した営門や防火水槽、滑走路脇の排水路が残るだけとされてきただけに、68年前の面影を残す貴重な遺構といえそうだ。
 特攻隊員らが出入りした営門とは異なり、敷地整備用の土を運ぶトロッコが往来していたとみられる。同市もこのほど現存を確認し、関係機関と調整して保存整備へ向けた対応を検討する方針。 -南日本新聞(2013/11/06)より






全ての兵者に敬意を表しますと共に、英霊の御霊に感謝の誠を捧げます。




                                 つづく







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