先日、私の依頼人が控訴された事件について、高裁に行ってきました。原審では雀の涙の一部勝訴だったので、せめてもう少し上げたいと思って、私も附帯控訴をしていました。
本格的な事件での控訴審の経験は初めて。これまでも何回か控訴審に行きましたが、貸金取り立ての訴訟で、原審で欠席判決をとられて負けた被告が、慌てて控訴したというようなものばっかりでした。それも、遠くの高裁に出張したにもかかわらず、またまた控訴人が欠席したとか。
今は、口頭弁論もwebでできるので、私は、時間のロスの少ないwebで参加をしたかったのですが、なぜか、私のPCは裁判所の使っているマイクロソフトのTeamsとは相性が悪く、サインインを事前に試しても、3回に2回は、「サインインには成功しましたが、あなたのアカウントにはアクセス権限がありません」とのエラーメッセージが出てつながらなくなります。そういえば、裁判所の使っている裁判関係のシステムは、マイクロソフトのものが多いですね。Zoomだったらめったに事故はおこらないのに...
裁判所が近いので、やむなく、出頭することにしました。本来は、出頭した方が、裁判官の印象などもわかるのでいいのです。二次元の世界はやはり限界があります。
私は、仕事は、来た順に片付けるので、期日に使った書面は、2ヶ月ほど前に書いたもので、内容の理解は原審から長々とやっているだけあってばっちりだったのですが、さすがに、書面の細かい部分は忘れていました。
原審の地裁の場合は、1回目はご挨拶みたいなものです。訴状と答弁書あたりの確認くらいで、5分もかからず終わります。その後は、1ヶ月に1度くらい期日が入り、その1週間前に、どちらかの当事者(の代理人)が反論の書面(準備書面)を書きます。和解のお話がある日を除いて、だいたい書面の確認だけなので、毎回5分とかかりません。
何回か原告被告と交互に書いていって、その間に、裁判官から、「和解できますかあ?」というような、和解の条件を探る場が設けられます。
当事者両方が一度に裁判官と話をするということは原則なくて、どちらか一方が裁判官と話し、その間、他方は待たされます。場合によっては、結構長く待たされます。和解できないとなった時点で、判決が言い渡されることになります。
私は、高裁の審理は早いということは知ってはいたものの、肌感覚がありませんでした。1回目、本当に早いんだと思いました。1回目で結審、判決期日が言い渡されました。それよりもびびったのは、えらい細かいことを詳細に聞かれたことでした。2ヶ月前に書いた書面、どうせその日は書面の確認くらいだろうと思ったので、忙しかったこともあり、読んでいきませんでした。これは今では大反省です。事前に目を通しておけば、どこに書いてあるかわかったのに。まずそれよりも、なんでそんなこと気にするの?という感じで、問題の所在がよくわからない。これは個々の裁判官の言い方にもよるのでしょう。私は、Aが言ったことをBが理解できない場合には、7割はAの責任だと思っていますが、今回は、私の手抜きもありました。女性の裁判長はビシバシと言葉を進めていきます。いじめられているうちに、訴額の内訳を整理したいのか、ということがわかってきました。
それから、和解できますか、のお話を裁判官として、判決までの間に、もう一度、和解の可能性を探ることになりました。
それにしても、高裁になると、1件につきかなりの分量の資料があって、裁判官一人あたり何件持っているかわかりませんが、
いつ読むのでしょうか。少なくとも、何十年も裁判官をやっているうちに、経験で勘所と記憶力は養われるとは思うんですが。
恥ずかしながらの高裁初期日で学んだこと。恐れ多くも裁判の期日に関しては、問題となりそうな書面を事前に一度目を通しておくこと。これは地裁も同じです。そうすれば、少なくとも、自分がどこに何を書いたか、相手がどこに何を書いたかを覚えているうちに裁判所に行けます。まあ、たいしたことがなく解放されたのはよかったです。これで和解が成立すればいいんですけどどうなることやら。
