8月から。何気に楽しみにしてます。最近、観劇は役者さんの話し方の研究とか、勉強の場になっています。顔全体の筋肉を使って話すのですね。
何年か前、養育費請求の案件を何件か立て続けに処理したことがありました。
私が扱った原書面は、離婚調停の中で養育費のお約束をした調停調書がほとんどでしたが、全件、元夫側が支払側。1回目から支払わなかったケースもあり、何年後かに支払わなかったケースもあり、様々です。離婚調停の調書の場合、家事審判とは異なり、確定証明書を取り付ける必要がないのが少しラクです。
以前書きましたが、養育費の標準額については、裁判所が、養育費の受取側と支払側について、両サイドの子供の数や年齢を加味した詳しい標準額表を作っているので、これを参考にすれば、少なくとも離婚調停の際に、相手から、少なすぎると文句をいわれることはほぼないと思います。むしろ、何人かの支払側の方々の意見を聞いてみると、高すぎて払えない、という方が多いです。
養育費回収の問題は、時間がたてばたつほど、相手方(夫側が支払うケースが今もって多いので、便宜上これから「元夫」と書かせていただきます。ご容赦ください。)についての情報(住所、職業、家族構成、財産状況など)がわからなくなってくるということがあります。民事執行法の最後のほうに「債務者の財産状況の調査」という章があり、元夫の財産状況の調査にはこの章の規定を使っていました。元夫は裁判所から指定された財産開示期日に裁判所に出廷して自己の財産について陳述しなければなりませんが、何年か前までは、規定が任意だったため、あまり機能していない制度でした。
私が養育費の取り立て事件を扱うようになったのは、令和4年に、民事執行法の改正により、元夫の陳述が義務化されてからです。どうも、法曹界では、かなりの期待を持ってこの改正は受け取られていた様子なのですが、主な内容は、罰則規定を追加したというものでした(6ヶ月以下の拘禁刑、又は50万円以下の罰金)。改正法施行当初は、不出頭者に対して罰則が科されたらしいという話を風のたよりに聞いたこともあります。したがって、私は、改正前がどんな様子だったのかは知らないわけですが、私の扱った事件では、6割ほどは、元夫は出廷してくれたと思います。
そして、申立人である元妻には、裁判長の許可を得て元夫に質問をすることもできることとされています。実際には、全件、財産開示期日の前に、元夫に対して、裁判所から、書面で、質問事項が送られてきて、元夫が回答を記入して裁判所に返送し、裁判所から元妻側にコピーが送られてきていました。ですので、財産開示期日の前に、枢要な事項については、元妻も、回答を知っていました。その上で、元妻に、追加で質問がある場合には、質問を元妻が(実際には代理人が)書いて、裁判所に前もって送っておき、事実上の承諾を得ていました。で、財産開示期日に、元夫相手に、元妻から、質問していただくという流れになります。
財産開示がうまくいけば、元夫名義の不動産の地番や給与債権差押のための勤務先についての情報が得られるので、強制執行ができるようになります。私は、数件、給与債権の強制執行をやりました。元夫の勤務先の給与支払担当者から、一定額を控除して、基本的には、給与の2分の1までの差押ができます。勤務先の担当者も様々で、過去にやったことのある場合には非常にスムーズに手続が進みましたし、初めてという方にはこちらからご説明するなど、いろいろでした。
でも、やはり、リスクはつきものです。養育費の支払が再開されても、元夫が転職してしまえばそれまでです。私が事務所を変わった後で、養育費の件のご依頼人から電話があり、元夫が養育費を払わなくなったとご連絡がありました。私は、その方に、変更前の事務所に連絡するようお願いしたのですが、どうなったことやら.....
1件、面白い?ことがありました。裁判所から事前に送られてきた質問状に、とても丁寧な回答をくださった元夫がいて、なんと、現預金の欄に、○銀行○支店にいくらの預金があるということまで書いてありました。私は、当然、速攻で口座を差押え、ほぼ回答と同金額をいただくことができました。それでも、養育費全額には至らなかったです。
子供は親を選べないのですから、ご両親には、お子様に対する責任はきちんと果たしてほしいと思います。どの口が言ってるんだ、と横から言われそうですが......