このブログで非磁性と磁性のあるステンレス鍋で湯沸かし競争をした時にかなり間違ったことを書いたようなので、少し導体への電磁波浸透深さについて調べました。
と言ってもマクスウェル方程式を解こうとか、大それた事を考えても知恵熱を出して終わるに決まっているので、検査機器を作られているメーカーさんのホームページから引用させていただきます。
磁界によって導体に誘導される渦電流の浸透深さδは、
δ = sqrt(ρ/(π*f*μ))= 503*sqrt(ρ/(f*μr))
ρ:抵抗率
μ:透磁率
μr:比透磁率
なのだそうです。この式では抵抗率(導電率)と透磁率は浸透深さに全く同じ影響があります。前回のブログで「非磁性の銅、アルミでは表皮に電流が集中しない」と言ってしまいましたが全くの誤りです。導電率が高ければ表皮に電流は集中します。
さて、この式の単位を考えるだけも頭痛がするのでNDTアドヴァンス様の図をそのまま引用させていただいて
だそうです。
更に浸透深さのグラフも引用させていただきます。IHの周波数はだいたい20kHzなのでグラフの20000辺りを読みましょう。ここで又驚きの数字を見ます。
非磁性ステンレスの代表であるSUS304では20Khzの電磁波が約3.5㎜も染み込むのです。
前回湯沸かし競争に使ったこの非磁性のやかん、厚みは約1㎜しかありません。
IHの電磁波がスカスカ抜けているはずなのに、磁性のある鍋と同じ時間でお湯が沸きました。やはり何も分からない事が判りました。