ヨンウォンの使者たち
エピローグ
「貸しを返してもらいに来た。」
甲1は読んでいた本を伏せて、顔を上げた。透明な雷帝が立っていた。
「姿を露にしなければ、その椅子に座ってもいいぞ。うちのヨンウォンが、二人以上でつるむのを嫌がるからね。特に家の外のこんな人目の多い所では。」
大きな市場のコーヒーショップだった。その中の奥まった所に座っていたが、人々はチラチラと甲1を眺めていた。雷帝が透明な姿で、テーブルを挟んで座った。
「人間どもの視線は相変わらず無礼だな。チッ!」
甲1のフォルダブルフォンでカカオトークの受信音が鳴った。ヨンウォンからのメールだった。笑みを浮かべて返信した。
「おい、貸しを返して貰いに来たって言ってるだろ!」
甲1は、ヨンウォンがそうするようにワイヤレスイヤホンを挿し、会話を始めた。
「産国側は、お前が探している魂に関する全てのチャンネルを閉じた。既にもう転生したんだよ。」
「知っている。転生していなかったら、お前はこんな風にこの世に出て来れてはいないだろうからな。」
「いつ、どこで、誰に生まれ変わったかは誰も知らない。お前が怖くて極秘文書に指定したみたいだ。」
「俺は産国には害など与えたことは無いのに、何故そこまでするんだ?」
「悪名が高いからさ。とにかく探してみろ。お前が探してくれば、同じ魂かどうか見てやるから。」
「一緒に探してくれるんじゃなかったのか?」
「『お前の目は、生まれ変わっても同じ魂であることが分かるから、後日、その目で俺を助けてくれ。』これがお前の要求だった。俺が助けられる限界は、お前が探してきた魂に対して〇か✕とだけ答えてやることだ。それ以上は規定違反になるからな。」
「本当にそれぐらいはしてくれるのか?」
「余計な問題が起こったら、お前やその魂にとって良い事は無い。俺が経験者だ。それに俺も忙しい。閻魔国から、あれこれ学んで来いって言われてることが沢山あるんだ。」
「はぁ!どうやって探せばいいんだ?気が遠くなる。」
「近頃は少子化の傾向で、1年に生まれる人口は少ない。難しくはないだろうさ。」
甲1が明るく笑って手を上げた。コーヒーショップに入ってきたヨンウォンに向かってだった。ヨンウォンがちょこちょこ走って来て、甲1の手を掴んだ。それから椅子を引いて、ぴったりくっついて座った。咄嗟に椅子を奪われた雷帝が、不愉快な面持ちで立ち上がった。
「この人間が、噂の半分巫の目の持ち主なのか?本当に俺が見えないんだな。不思議なことに。」
甲1がヨンウォンに聞いた。
「出版社とのミーティングは、無事に終わったのか?」
「うん。担当編集者とは毎回、電話やメールだけで連絡し合ってたんだけど、直接会うと、すごく気まずかったわ。それでも新しい作品は通ったわ。今描いているのを完結させて、直ぐに新しい作品に取り掛かることに決定!」
完結が決まったのは、漫画本の方の【盗みたいもの】だった。Web漫画のポータルに連載中の【事故の多い仮面舞踏部】は、急激な上昇ではないにしろ、じわじわとアクセスが増えていた。いわゆる大ヒットはまだ無いが、地道に読み続けてくれている読者たちのお陰で、ヨンウォンはずっと漫画を描き続けていられた。
「今回は本当にいいタイトルをつけるわ。神に取り憑かれようとも。」
「あっ!そんなことは軽々しく言うもんじゃない。世の中には奇怪な神もいるんだから。」
雷帝が眉をひそめて指で自分を指した。奇怪な神とは、自分の事を言ってるのかという抗議だった。甲1が首をサッと振った後に言った。
「俺はその方面では助けてやれないが、応援はしてあげられるよ。家に帰ろう。」
作業場は、マンションの近くに別に借りた。家は二人きりの空間になったが、今は引っ越しの準備中だった。家に、シモの診察室のようにこの世とあの世を行き来出来る空間を作るべきだという閻魔国側の要請があったからだ。念の為、非常時に備えての措置との言い訳だったが、どうやら甲1の不在による不安を払拭出来なかったからのようだ。ヨンウォンのマンションは、それほどのスペースが無かった。なので、もうちょっと広いマンションに引っ越すことになった。新しく引っ越す家には、独立した屋外の庭もあった。これは甲1の選択だった。ヨンウォンと甲1が、互いの手をしっかり握りあって立ち上がった。雷帝が、甲1が座っていた椅子に座りながら言った。
「胸焼けがする。俺も見つけたら、すぐに連絡するからな。」
甲1が一度頷いて見せた後、ヨンウォンと一緒にコーヒーショップを出た。そうして人混みの中を並んで歩いて行った。雷帝が、ガラス越しに彼らを見ながら言った。
「羨ましいのは仕方がないな。でも大丈夫だ。あの姿が俺の未来だから。」
完
ついに
ついに
終わったー
散々 現代物は気が乗らんたら うんたらかんたら
グズグズ毒吐いておりましたが
サスペンス&ホラー&輪廻転生ファンタジー
そして ウングォル先生らしからぬ
最後までチッス止まりの心浄化されるレベルの
プラトニックラブストーリー
韓国語超初心者レベルのババアが
キャラクターイラスト一切ナッシングの
ただひたすら妄想&勝手に創作で
何となくゴールテープを切りました
ちゃんと韓国語がお分かりになる方は
原作をお読みになることをおすすめします
その際には怒らんといてね
チョンウングォル先生
まだ新作出してはらへんのですが
次作はどうぞ
史劇でエロエロチックな大人のラブストーリーを
切に願っております
皆様 ほんまに読んでくれはって
おおきにさん
ほな またね〜