魚定食で、シーズンを通して人気の魚、サバ(鯖)
サバは、塩焼きや煮つけ、あるいは絞めサバとして食される、魚定食の王道食材。
かつて、職場近くの魚定食屋さんに昼食時に毎日のように通っていた。
人気の魚は、サバ。
塩焼きか煮つけのどちらかが、毎日メニューに載せられていた。脂がのっていておいしいサバが厳選されていたようだ。
味噌汁と煮物やだし巻きなどの一品が付いていて、どれもしっかり味が浸みていておいしかった。
サバには骨があるが、骨を取り除いて食べたことがない。食べるとき骨が無いように、店の主人が丁寧に下処理してくれていて、骨がないサバが美味しく食べられた。最高のおもてなしであった。奥さんの優しい給仕も印象的だった。
ありがとうと言って店を出る。ほっこりできる昼時だった。
サバは、店の看板メニューだ。
少し遅れていくと、もうサバが売り切れとなっていた。奥さんが申し訳なさそうに、ごめんなさいと謝ってくれる。その言葉にも、おもてなしの心が籠る。ヒラメもサケもおいしいが、やっぱりサバが最高。
退職後行く機会がないままとなっているが、退職して一番残念なのが、この店から遠ざかったことかもしれない。
おいしいのは、脂がのっている旬のサバ。
サバの旬は、秋~冬。
今、私たちが食べる脂の乗ったサバは、国産より輸入物が多い。
日本が輸入しているサバの9割はノルウェー産だという。
ノルウェーでは、旬の時期(秋~冬)に大きく育った段階で漁獲するため脂のノリが良いとされている。旬のサバを獲って冷凍保存する。
日本でもサバが漁獲されているが、輸出に向けられていると判った。
日本は、サバ輸出大国になっているという。
なぜ国産品を食べず、輸入するのか?
日本のサバは、小型化しているという。脂の乗りも少ないようだ。
マサバの主な産卵期は、4~6月。資源量確保のためには産卵を護ることが大事なはずだが、その時期でも日本では漁獲される。また、日本では、3歳未満のものが多く漁獲されているという。これが、脂の乗りが少ない小型のサバの原因とみられており、資源量の減少にも関係しているようだ。
そんな小型のサバは、売り先を求めて、アフリカや東南アジアに輸出されている。
それが上のグラフに示される結果となっている。
おやっという記事ですが、
何と、東北大震災後に、良好なサイズのサバが漁獲された時期が一時的に訪れたという。つまり、一時的に休漁すれば、良好なサイズのサバが回遊するようになることを示唆している。
休漁が一時的に終わり長続きせず、また元の小型サバの漁獲が行われているようだ。
一方、ノルウェイでは、漁獲管理されるため、価値が高い旬の時期だけ漁獲し、付加価値を高めているという。獲られるサバは、ほとんどが3歳以上で、大きく脂がのっている。3歳以上のサバは、たくさんの卵を産むため、資源量確保にもつながっている。
1年前、ノルウェイの漁業管理、その下に漁獲されるサバのことを調べ、ブログを書いた。これを合わせ読んでいただけると、さらに理解していただけると思います。
そんな良好なサイズで脂がのるノルウェイのサバは人気があり、輸入される。
対する小型で脂の乗りが少ない国産サバは、輸出に向けられている。
獲れるサバを獲る漁獲管理しない漁法で、脂の乗りが劣る小型のサバは国内で売れないので安く輸出に回す、そんな日本の漁業、という構図が浮かび上がる。
消費者は、おいしいサバが食べたいので、ノルウェイから輸入する。
ノルウェイは、付加価値の高いサバを輸出し、漁業が繁栄している。
どちらが賢明な経営か、明らかだ。
昔の歌を思い出す。
「わかっちゃいるけどやめられない」
ああ、何ということか!?