上差し 2024年3月3日(日)、ウクライナ正教会では「放蕩息子の日曜日」と呼ばれ、その2週間後の3月17日(日)の礼拝の後に赦しの秘跡(儀式)が行われるとのことです。WIKIの説明によると「聴罪司祭は告白者達、つまり大変遠いところから戻ってきた失われた子らを向かい入れ、愛するための大きな包容力を有していなければならない。放蕩息子の譬え話に登場する父親の姿はまさにそのことを教えている。聴罪司祭は、告白者の心に神の恩寵を再びもたらしてそれを増幅させることで、本当の意味での父親となり、神の父性の写しである父性を自身の行動で示すことである。告白者の償いによる心の再生に貢献してはじめて完全な父親になり得る。聴罪司祭は愛想よく、親切で懸命で慈悲深い者でなければならない。迷える羊に対して善き牧者である私達の主があるように、両肩に人々の魂の重荷を担う準備が整っているべきである。」とあり、この過去1年の間に自分が自覚している罪(聖書の教えに反すること)を告白してキレイになった心で復活祭(イースター)を迎えましょうということなのだと思います。

 

 

上差し 私がカメラを向けたら在日ウクライナ正教会の主任司祭であるポール司祭がピースをして下さいました。

 

 

下差し それでは、「放蕩息子の日曜日」の東方正教会での扱い方について書かれた英語のサイトがありましたので和訳してご紹介したいと思います。

 


(画像提供:Greek Orthodox Archdiocese of America)

 

下差し ここにある「放蕩息子の日曜日」についての英語の説明書きは一般的なWIKIのサイトではなく、OrthodoxWIKIという別の種類の東方正教会か管理しているサイトにありました。

 

(画像提供:OrthodoxWiki - Sunday of the Prodigal Son)

 

 

<The Sunday of the Prodigal Son 和訳始め>

 

放蕩息子の主日は、復活祭の準備期間としてレントが始まる3週間前の第二主日(大斎に先立つ準備の数週間)です。 「取税人とパリサイ人の主日」の次の主日であり、「最後の審判の日曜日MEATFARE SUNDAYー 恐らく「謝肉祭」)」の前の主日です。 このレントへの準備期間は、東方正教会における復活祭礼拝のサイクルの始まりです。

大斎の準備としてこの日曜日、東方正教会のキリスト教徒は神の愛ある許しについてのキリストのたとえ話 (ルカによる福音書15章11節-24節「放蕩息子」) を読み、自分たちが父の家から遠く離れた異国にいると認識し真に属している神に立ち返る行動を起こすことができるチャンスでもあります。この「放蕩息子」のたとえ話は、自らが大斎を経て家に帰る旅路において主なる御父(おんちち)が喜びをもって罪を許し迎え入れて下さるという確信に満ちた約束があると書かれているからです。

 

♪♬「放蕩息子の主日」讃美歌 コンタキオン (トーン3) が歌われます。♪♬

父なる主よ、愚か者の私は悲しいことにあなたの栄光を忘れてしまいました。
そして、愚か者の私はあなたが与えて下さったお金で罪人たちと共に

悪ふざけをして正しい道から外れて無一文になりました。
だから、私は放蕩息子のようにあなたを呼び求めます。
「憐れみ深い父よ、私はあなたの前で罪を犯しました。
私を悔い改めた者として受け入れて、あなたの雇われた召使いの一人にして下さい。」

 

 

下差し(ウクライナ語のコンタキオン (トーン3) がこちらのYOUTUBE動画にあると思います。本日、トロント市内にあるウクライナ正教会で撮影されたの礼拝の動画

 

 

 

<The Sunday of the Prodigal Son 和訳終わり>

 

 

下差し ここで「放蕩息子の主日」に歌われる讃美歌 コンタキオン (トーン3) について少しだけご紹介したいと思います。

 

(画像提供:WIKI - kontakion)

 

<Kontakion和訳始め>

 

コンタキオンは、東方正教会、及び、その他の東方キリスト教会(ウクライナ系カトリック教会など)における賛美歌の一種でビザンチン典礼の伝統に従った賛美歌の形式です。

コンタキオン形式は 6 世紀頃にビザンチン帝国で生まれ旋律奏者聖ロマノス(西暦556年) と密接に関連しています。 コンタキオンには多数の
ストローフィがあり、プロローグ (本筋展開に先だつ前置きの部分) で始まります。 主にコンタキオンは聖書の物語が含まれ、聖書の登場人物間の会話が含まれる場合があります。 現在でも完全な長さで使用されている唯一のコンタキオンは「The Akathist to the Theotokos」です。

 

下差し(ウクライナ語のThe Akathist to the Theotokos

 

 

<Kontakion和訳終わり>

 

下差し 一応、表向きにロシア正教会と決別する為にウクライナ正教会が2023年9月1日(金)から西暦(グレゴリオ暦)を導入したのでクリスマス礼拝は西方教会と同じように12月24日だけで終わってしまいましたが、今日在日ウクライナ正教会の礼拝で受け取った予定表には「復活大祭」が2024年5月5日(日)になっています。しかし、西方教会の復活祭は2024年3月31日(日)です。歴史的なことが色々と加わってカウント方法も異なっているようですね。

 

 

 

下差し ウクライナ正教会では未だに司祭が会衆に背を向けて行うトリエント・ミサ形式で礼拝が行われますが、

 

 

下差し 今日になって、やっと気づいたことがありました。聖変化の時に司祭が床に手をついて(正座するように)お辞儀することです。私は昭和時代のカトリック信者なのでミサがラテン語で行われていた頃の形式が好きだったのですが、私が2006年にドイツから本帰国した時には既に聖変化の際のホザンナの後にひざまずく部分が省略されてしまったので残念に思います。しかし、それは日本だけで(靖国神社がどうのこうので)ドイツなどの西方教会では現在でもホザンナの後にひざまずきます。

 

 

下差し 神谷町駅と東京タワーの間にある聖オルバン教会へ行く前に撮影しました。